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レビュー:マッチパズル+RPGの黄金パターンをきっちり作ったハマりゲー パズル&ドラゴンズ だが…。

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タイトル パズル&ドラゴンズ
ジャンル パズルRPG
価格 170円(しかし恐らく永久無料)
アプリ内購入 課金通貨購入(ほんの少し手に入る)
日本語対応 あり
販売元:ガンホー | Version:1.0.0 | GameCenter:なし | 対応機種:iPhone / iPod touch | レビュアー:トシ
評価:3.5(かなり面白い)
実力が試されるパズルゲームの戦闘
パーティーを組むのが楽しい
オンライン環境がないとプレイできない。
後半になると単調になる
同じ色のタイルを揃えて消す「マッチ3パズル」とRPGが融合したゲームといえば『Puzzle Quest』や『Dungeon Raid』などAppStoreで最も熱いジャンル。このジャンルに、『ケリ姫クエスト』のガンホーからまた1つ面白いゲームが登場した。

ポケモンのようにモンスターを集めて成長させていくパーティー育成、マッチ3パズルで敵を倒していくRPG要素、さらに友達からモンスターを借りて一緒に戦うソーシャル的要素が合体したAppStoreのヒット要素を集めたゲーム。
製作はあの『エレメンタルモンスターTD』のスタッフが関わり、音楽にロマンシングサガシリーズの伊藤賢治氏、イラストに『ラグナロク』や戦国バサラのデザイナーなどを投入して万全の体制でリリースされた。

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基本はダンジョンを探索してパーティーを強化していくRPG的な展開。
まず、モンスター5人でパーティーを組む。
属性(光・闇・火・風・水)、攻撃力と回復力、HPの必ず決まっているものと、スキル・リーダースキル(リーダーになった時だけ発揮される特殊能力)があり、うまく組み合わせることでモンスターの能力の合計がダンジョンでの戦闘力になるので、ダンジョンの傾向によってモンスターを変えていく戦略性がある。

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ダンジョンに行く際は、友達や他のプレイヤーからモンスターを1体だけ借りれるようになっており、モンスターを借りる事で「友情ポイント」が溜まっていく他、自分に足りない属性のモンスターも友達から借りる事で補えるのが嬉しい。

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パーティーを組んだらダンジョン選択。
ダンジョンによって必要な「スタミナ」が決まっており、ソーシャルゲームのミッションのようにスタミナを消費してダンジョンに挑む。
スタミナは10分に1点回復するほか、レベルアップや課金アイテムの魔法石でも回復することが可能。
1時間にゲーム1プレイ(5~10分)ぐらいの感覚。

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ダンジョンでの戦闘は同じタイルを3つ揃えて消すマッチパズル。
最初にタップしたタイルをドラッグして動かしていくユニークな方式になっており、制限時間内なら何回でも移動させることが可能。
制限時間か、指を離すと連鎖が始まり、消したタイルによって攻撃が始まる。
赤いタイルなら火のモンスターが、青いタイルなら水のモンスターが攻撃するようになっており、敵の属性を考えてタイルを消す戦略性があるものになっている。

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また、同時に5個以上消すと全体攻撃が発動するなどプレイヤーの腕次第で攻撃力がかなり上がっていくのもポイントだ。

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敵を倒すとモンスターが生まれる「卵」や「宝箱」が出現することがあり、ダンジョンをクリアすると全てがもらえるシステム。
負けてしまうとダンジョンで手に入れた宝は全てなくなってしまうが、魔法石を使用するとコンテニューが可能。

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ダンジョンで手に入れたモンスターはパーティーに組み入れるだけでなく、売り払ってコインに変えたり、「パワーアップ合成」してモンスターを強くする素材にすることが可能。
特定の条件で「進化合成」というレアなモンスターを生み出す合成も。

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モンスターは「ガチャ」で入手することも可能で、魔法石を5個はらって回す「レアガチャ」、友情ポイントを精算して回す「友情ガチャ」の2種類。
ドラゴンの腕を回すギミックが可愛いいが、レアガチャは1回実質300円以上でなかなかに高額。

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気になる課金要素は「コンテニュー」「モンスターを保持できる枠の拡張」「ガチャガチャ」。
ダンジョンは普通にプレイしてクリア可能な「ノーマル」と課金しまくってクリアする「スペシャル」に別れており、ノーマルだけであれば地道にプレイすれば攻略も可能。

ソーシャル要素はちょうどゲームを補う程度で嬉しいし、モンスターを揃えていくのも楽しい。
ダンジョン内での戦闘も楽しいし、上達するモンスターの能力だけでなくプレイヤーの腕と共に楽になっていく実感がある。

基本はこんな感じで、戦闘も楽しいしパーティーを強くするのも楽しいしでとにかく時間を忘れてダンジョンハマり続けてしまう面白さがある。
ノーマルだけを切り取っても、はっきり言って面白い。
その部分でゲームキャスト評価として3.5である。
これをプレイしたことがないならば、試す価値はある。

が、残念な点もある。
小さいものはスタミナ制なので思う存分プレイしづらいこと、ソーシャル要素のためにオンラインでないとプレイできないことの2つ。
そして、大きいものは「ゲームが単調」ということ。

序盤こそどんどんモンスターが増え、レベルが上がって楽しいが、戦闘に緩急がなくだんだんとゲーム展開は単調になっていく。
連鎖をプレイヤーの腕で作る要素があっても、ある程度以上はやはり運で作業感が漂う(この飽き方はソード&ポーカー2のそれと同質だ)。

普通のゲームでは、強力な障害を乗り越えるためにゲームバランスが壊れるようなすごいコンボや特殊能力を投入し、ゲームに変化をつける。
ゲームのバランスを壊して本来有り得ないような敵を倒していくのが面白さの醍醐味になる。

例えば、『Dungeon Raid』では条件がそろうと一気にレベルが上がるパターンを作れた。
『Puzzle Quest』では魔法や装備をうまく合わせると信じられないハメが生まれた。
そういった「うまくいったら凄いぜ!」というロマンがない。
このゲームもダイナミックなスキルを用意して、もっとモンスターも変化をつけて、モンスターも適度に手に入るようにすればもっと楽しくなるはず。

しかし、基本無料系の宿命として、そういったゲームのバランスを壊してプレイヤーが工夫するようなゲームの壊し方(プレイヤーにとってはそこが楽しいポイントなのに)を認めると、課金できなくなってしまうので、バランスを壊しづらい。
このままでは基本無料の流れに押されてゲームが劣化してしまったようで残念だ。
(多少課金するとすごいモンスターが出るかと思ったが3000円程度ではそうでもなかった)

ただ、あのエレメンタルモンスターTDのスタッフ、これで終わるとは思えない。
このゲームは『Dungeon Raid』に比肩するぐらい面白くなれるはず。
今後のアップデートで化けることも期待している。

パズル&ドラゴンズの詳細・DLはこちら(itunes)