
タイトル:CODE:ケルベロス
ジャンル:アクション
価格:500円
アプリ内購入:なし
日本語対応:あり
Retina 対応:あり
販売元:KEMCO | Version:1.0 | GameCenter:なし | 対応機種:iPhone / iPod touch
総合評価:2.5(楽しめる)
+タイミングを見てボタンを押すと楽にコンボが決まる
+順序立てて敵を倒す戦略性
-演出・効果音がいまいち
-なれるまで非常に操作しづらい
CODE:ケルベロスの詳細・DLはこちら(itunes)
CODE:ケルベロスはフィーチャーフォンで発売されたバトルアクションゲーム。
ゲームは簡単操作でコンボが出るハイスピードアクションと、主人公2人それぞれの視点から語られるストーリーが売り。
開発した会社はHit-pointで、『幻想クロニクル』も開発を担当しており、フィーチャーフォンではかなりの実績のある開発会社であると当時に、 iPhone 移植も積極的なメーカーだ。
が、先に言ってしまうと元のゲームは悪くないものの、スマートフォンでは無理のある操作性と相殺してギリギリ普通ぐらいのゲームになってしまっている。

ゲームはストーリーに沿って敵を撃退し、手に入れた経験値でレベルアップ、ゴールドで武器とアイテムを購入してパワーアップする成長要素の入った格闘アクション。

各キャラクターには通常コンボ・空中コンボ・突進攻撃・弾き飛ばしと4種の基本スキルが備わっており、そこに特殊スキル(武器攻撃)を加えて最大8種類の攻撃方法を自在に使いこなすことが可能。
レベルアップ時は「HP」「攻撃力」「防御力」「特殊攻撃力」「特殊防御力」に能力を自由に割り振ることができ、攻撃方法も能力もプレイヤーの思うとおりに成長させられる。

思う通り成長させて通常攻撃力に偏っても、武器の攻撃オンリーでも戦っていけるゲームバランスに調整してあるのが素晴らしい。
また、アクションシーンでも自由度は高く、多くのスキルは途中でも攻撃を中断して違うスキルを叩き込むコンボが楽に作れる。
攻撃がゲージ制で、一定量使うと時間経過でチャージするまで使えなくなるので単純な無限コンボはなく、威力が低めだが反撃されづらい空中コンボ、即死まで叩き込む地上コンボ、地味だが敵に囲まれてもバリアなどで脱出できる防御重視にしたりと工夫とカスタマイズの幅も大きい。
基本設計についてはかなり自由がきいて面白いゲームではある。
アクションの操作はは横スクロールのバトルゲームで、A~Dまで4つの「スキルボタン」と攻撃の種類を切り替える「コマンド切り替えボタン」、「十字キー」と格闘ゲームばりのボタン量。

ただし、複雑なコマンドはなく攻撃は全部スキルボタンで完結する。
通常のバトル系アクションゲームでは1回ボタンを押すと1回攻撃するというのがお約束だが、このゲームでは1ボタンで連続技が発生する。
1回ボタンを押して、キャラクターが連続攻撃している最中にタイミングを見て次のスキルボタンを押すだけですごい連続技が組み立てられる仕組みだ。
が、これが慣れるまでかなり大変。
このゲームはボタンを連打して良い仕組みになっていない。
例えば、通常コンボボタンを連打すると「通常攻撃→中断して通常攻撃…」となってあっという間にゲージが尽きてしまう。
突進攻撃のような中断できない攻撃中にスキルボタンを押すと、終わった瞬間にそのスキルが出るため、突進攻撃を連打していつまでも繰り返してしまったりもする。
フィーチャーフォンと違い、タッチパネルのボタンは押した感覚がないのでついつい連打してしまい、慣れるまではかなりストレスを感じるかもしれない。

また、誤操作も頻繁に発生する。
十字キー下でガード、斜め下で回避移動になるが、そもそも真下だけを押すのにはかなりの慣れが必要で頻繁に回避移動が発生してガードできずに攻撃を受けてしまう。
コマンド切り替えボタンがやたらに大きい上に十字キー・スキルボタンと近いので、いつの間にかコマンドが切り替わっていて、誤った攻撃が出てしまう…など。
この手のアクションでは致命的な誤操作が起きやすい。
フィーチャーフォンは物理キーがあるので、ガード操作も失敗しないし、攻撃ボタンを押したら手応えがあるから連打することもない(そもそも連打しづらい)。
そういった環境ではうまく働いていた操作系だと思うが、スマートフォンに持ってくるにはもう一歩アレンジが必要だったように思える。
慣れれば操作はできるが、「お手軽にコンボができるアクション」を誰でも楽しめるレベルにはない。
ゲームの基礎がいいだけに残念。

もう1つ、グラフィック、効果音など演出面が非常に弱い。
スムーズに動いてはいるが、アニメーションのパターンが少ないためコマ落ちに見えることがある動き、いかにもフィーチャーフォンという感じの効果音などは昔風を通り越して貧弱。
今までのケムコの移植作品はRPGで、ほとんど類似のライバルがいなかった。
そのため「スマートフォン用に作られていないけど、スーパーファミコン風だと思えば…」と納得できたのだが、アクションについては比較対象になる強力なライバルが AppStore にひしめいている。
ストーリーについては、説明不足感が漂うものの無いよりいいといったところか。

前半で紹介したように基本システムはいいし、バランスもいい感じのアクションゲーム。
さらにボリュームも飽きない範囲でちょうどいいし、クリア後はおまけもちゃんとある。
しかし、マイナス部分が相殺して評価2.0に近い2.5。
何も押してなければガードとか、うまく操作系を調整して立てなおしてもらいたい。
タッチパネルに慣れていて、アクションが好きなら今でもかなり楽しめる。
2011/09/08
『真田十勇士』もHit-Point開発と書いていましたが、誤りだったため削除致しました。