先日、Appbankへ寄稿しましたが、その記事の反響の大きさに驚いています。
具体的には「ショックを受けた」「騙された」などというメールを3通ほどいただきました。
別の方からは「同じことを思っている読者がその100倍はいると思うよ」というような言葉をいただきました。
そこで、寄稿した理由はいくつかありますが、1番の理由についてここに書こうと思います。
非常にオタク的な理由です。
自分の好きなゲームが売れて欲しい。
ゲームキャストは幸いなことに多くの読者に支えられていますが、もっと多くの人の目にゲームを触れさせたかったからです。
なんで売れて欲しいか、というと私の好きなタイプのゲームがもっと出ればいいと思っているから。
そして、ランキング圏外だった幻想クロニクルは記事を紹介して当日に78位、翌日は74位まで上昇しました。
満足してはいませんが、納得してはいます。
以上です。
後はぐだぐだ説明しているだけなので、気になる方は続きをどうぞ。
AppStore は本当に厳しい市場です。
まず単価が安い。
グラフィック・プログラム・サウンドの3人最低限の編成で月100万かかるとして3ヶ月かけてゲームを作ったとしても115円で売ってメーカーに入るのは60円程度(正確には本日のレートだと56円ぐらい)。
300万円を回収しようとしたら5万本売らないといけませんが、ゲームの質が悪くなくてもそれを売るのは難しいでしょう。
なお、私が好きなのは豪華でもっと金のかかるゲームです。
2ヶ月あたり10本の10万DL超え有料ゲームがあるというAppStoreですが、その多くはゲームロフトやEAなど有名メーカーが占有していると思われます。
ある程度プロモーションできなければ、死を待つのみ。
競争に適応できないメーカーは淘汰されるのが定めですが、良作をリリースしているのにプロモーションできていないのは勿体無いだけです。
ということで、ゲームキャストでいろいろ掘り出そうとレビューしてきたわけですが、最近新たな心配が出てきました。
それはゲーム形態の変化。
ゲームには、アイデアやハードの進化でどんどん新しいものが出てきますが、プレイ形態というのは経済的要因で決められていきます。
現在は基本無料と謳って、ゲームをきっちり楽しむためには多額の投資を必要とするフリーミアムのソーシャルゲームが流行っています。
AppStoreでは無料だけど広告で回収するシステムのアプリも多いですね。
そういったゲームは長期間で細く長く遊んでもらわないと儲からないので、長期間、何回も起動する細く・長く遊ばせるシステムになります。
これがゲーム形態の経済的要因による決定です。
ただでさえ小さい iPhone の画面で広告表示スペースが画面を削りとって、その結果ゲームの操作性や見やすさが損なわれていることはありませんか?
「広告スペースを削って、あの機能をいれればもっと便利だろうに…」とか「何回も起動せずに、このゲームを普通にスピーディーにしてくれればもっと面白いのに」とか、思ったことはありませんか?
115円や230円でリリースして注目されずにダウンロードされないよりも、無料でそういう設計にしたほうが儲かるとメーカーが判断しているからそうなるのです。
それはゲームメーカーだけが悪いのではなく、そういった機能があって広告がないゲームに金を払わないユーザーが、メーカーをそのような方向へ誘導しているのです。
EA が競合の新作ゲーム発売と同時にセールを行ったり、エゲツない値下げで競合他社をつぶしに来れるのも、ゲームメーカーにはつらい AppStore の経済ですね。
ユーザーとしてはうれしい面もありますが、これは大規模資本を背景にした規模の暴力という感じで私が期待している公正な競争には見えません。
売り切りゲームで食べられなくなれば、当然フリーミアム・無料広告モデルに移行するわけで、日本市場の小ささ、アプリの値段の安さもあってこの流れが加速していっているように見えます。
ソーシャルの台頭と、異常なセールが私の好きな買い切りのゲームを市場の日陰へ追いやる日が来るような気がしてなりません。
家庭用ゲームが強くなってきた頃、「アーケードゲームはなくならないよ」と言っていた人がいますが、現在なくなっていないものの昔ほどバラエティに富んだ新作は出ませんし、もう回復の見込みもないでしょう。
携帯ゲームだけで見ると、特に iPhone などのスマートフォンでは買切りゲームがそれに準じるぐらいの状態にならないか不安になります。
Appbankへ寄稿した後ですが、ちょうど島国大和氏のサイトにこんな言葉を含むエントリが上がっていました。
俺の好きだったゲームは、儲からないから淘汰されていったよ。
君たちは好きなゲームに金払ってるかい?払ってないとそれも無くなっていくよ。
まさに、そんな不安です。
メーカーや市場のことを考えるなんてオタク特有の思い込みの激しさと大きなおせっかいだというのも理解はしていますが、いろいろ考えていたら寄稿していました。
買いきりで太く遊ぶゲーム形態が比較的好きなので、そのユーザーを増やして商業的地盤を大きくできたらいいなと思ったのです。
フリーミアムゲームが悪いわけではないですし、それを好きな人がフリーミアムゲームを支えているのも分かっています。
理想は両方の市場が拡大して双方のゲームが沢山出ることなので、私がゲームを紹介することでその助けが出来ればいいと思ってます。
そんなわけで今後も Appbank に寄稿することがあるかと思いますが、ゲーマーとして面白いゲームを、長所も欠点も書いて恥ずかしくない状態で記事にしようと思っていますのでよろしお願いいたします。
まあ、この記事自体は恥ずかしい物に属しますけど。
おまけ。
私はパンツァードラグーンのためにX-BOX本体を買ったセガマニアですが、セガマニアの人数が足りなくて続編は出ないようです…。
iPhoneと相性がよさそうなので移植とかないですかね?
あと、エターナルアルカディアとドラゴンフォースと、大戦略と、エアロダンシングと、ハンドレッドソードと、バハムート戦記と、バーチャロンとかの続編はでないでしょうか…。
せめてAzelのHD移植を…!
セガサターンのときはグラフィックが荒くて観づらかったので。