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プロジェクト・スパルタンはAppleの牙城を崩すか?

昨夜、面白いニュースが舞い込んできた。
Facebook が次世代プラットフォームとして HTML5 ベースのゲームエンジン、そして決済システムを準備しているというのだ。

さらに、その動作ベースはモバイル版の safari で、iPhone・iPadで動くことを狙っているという。
今まで、iPhone / iPad のアプリは Objective C などのプログラミング言語で作成し、AppStore で Apple に30%のマージンを取られての販売しか道がなかった。
HTML5 ベースのゲームエンジンが実現すれば、AppStore を介さずにブラウザ上でアプリを動かし、Facebook アプリを iPhone 上で Apple にマージンを取られずに動かすことができる。

AppStore がもつ巨大な販売網はたしかに魅力的だが、Facebookのような巨大プラットフォーマーにとってはそこまでの意味を持たない。
むしろ、Appleに30%徴収されることのマイナスの方が大きい。

問題は HTML5 で十分なクオリティのゲームが遊べるかどうかだが、ソーシャルゲーム大手 Zynga はすでに HTML5 ベースに移行しつつあるし、国内でもDeNAが明かすHTML5でのソーシャルゲームの作り方【本日のスライド】の記事から見られるように、携帯向けFlashゲーム+アルファで住むゲームはHTML5への移行が進みつつある。
激しい動きが要求されないソーシャルゲームならばもう十分なクオリティで移植できると見て間違いない。

safari
そして、Sarien.netを訪れるとわかるが HTML5 でアクションゲームすらできる。


プレイは出来ないが HTML5ゲームエンジン、 Impact がかなりのクオリティを見せている実例もあり、近い将来は簡易な3Dゲームも遊べるようになると見て間違いないだろう。

Facebook のユーザーは約7億人。
下手するとソーシャル、そして簡易なアプリはAppStoreよりもFacebookのアプリとしてリリースした方が市場が大きくなる時代が来るかもしれない。

iPhone の性能が上がるほどにネイティブアプリとhtml5のアプリの出来ること差は縮まっていく。
ハイエンド以外を網羅しようとしているライバルの動きに AppStore はどう対抗するのか。

ライバルのいなかった AppStore に競争相手が生まれることで、AppStore の規約や契約条件などが変化する可能性もあり得る。
すぐに影響をおよぼすものではないだろうが、この動きに注目していきたい。

記事執筆中にtech crunshに日本語訳の記事が出たのでリンク。
プロジェクト・スパルタン―Facebookのもう一つの極秘プロジェクトはAppleの牙城、iOSをSafariを通じて攻撃する