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2010年iPhoneゲーム大賞候補を語る3【Sword & Poker】


こちらでノミネートされている大賞候補を全て語ろうという無茶な企画第3回。
いつものレビューは「ゲームレビューする自分」という視点だが、この紹介では「個人としての自分の考え」をどんどん書いていく。

今回はgoryugo, addicted to Evernoteさん推薦のカードRPGゲーム、Sword & Poker。
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定番のカードゲーム、ポーカーをバトルゲームにして人気を得たカジュアルパズルRPG。
当Blogのレビュー記事は「レビュー:定番ゲームとRPGの楽しい融合 Sword & Poker/Sowrd & Poker 2」。
今回はこのゲームについて語る。

Sword & Pokerの良さ
ルールを覚えるのに苦労するゲームは、覚えたぶんだけ楽しめることが多い。
複雑な駆け引きを楽しめるからだ。
有名なところだと麻雀や、最近流行りつつあるボードゲーム。
RPGでもロマンシングサ・ガシリーズなどは難解なシステムが多い分楽しめる。
だがそれは諸刃の剣で、実際は「覚える」ハードルに挫折してゲームのプレイヤーが減ることも意味する。
先ほど例に上げた麻雀は点数計算できる仲間がいないとプレイできない層が存在するし、ロマンシングサ・ガシリーズはスクエアの作品でもマニア向けだった。
だが、Sword & Pokerは複雑なルールがあるのに誰でも楽しめる素晴らしい一本だ。
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Sword & Pokerの戦闘はポーカーの役を敵より先に完成させることで攻撃する、言わばポーカーバトル。
プレイするには「複雑な戦闘ルール」を覚えておかなくてはならないが、そのルールを誰でも知っている「ポーカー」に置き換えたことで、複雑なルールを覚える手間を軽減し、「誰でも知っているから、だれにでも勧められるゲーム」に仕上げたのだ。
それだけでなく、徐々にルールが増えていく点や、親切な説明にも気が配られていた。
タッチパネルにあわせた操作性も持っており、ライトユーザーでも気軽に複雑なゲームの楽しさが味わえる、とあれば流行らないわけがない。
ポップな絵柄も相まって、大きな人気を得た。
私自身も、このゲームでタッチパネルとカードゲームの相性の良さを実感したものだ。

2010年初頭の話題を独占
1作目の発売は2010年1月7日。
発売日から草の根で話題になっていたが、発売翌日にAppBankに取り上げられて一気に広まった。
ライトユーザーが楽しめるゲーム作り+日本最大級のiPhoneアプリ紹介サイトAppBankで紹介という公式の前で売れないはずがない。
その上でマニアでも普通に楽しめるとあって、猫も杓子も「Sword & Pokerがすごい!」という話で持ちきりだった。
当時のブログを見てみると、その熱狂ぶりがよくわかる。
Sword & Pokerにハマりまくり…やばいです(普通のサラリーマンのiPhone日記)
Sword & Poker 全クリ!!(ゲーム総合ブログ)
SWORD & POKER 久々に面白いゲーム (iPhoneアプリ)(死して屍シルブプレ?2.0)

そして5月。
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iPhoneのゲームのサイクルは早いが、その中でも速いペースで発売されたSword & Poker 2。
今度は前評判の高さもあり、初日から売れた。
2作目の内容はは1作目のマイナーチェンジ熱狂的なユーザーを少しがっかりさせたが、それでも面白かった。
海外の評価も高く、日本発のオリジナルゲームとしてiPhoneで成功したゲームの1つと言っても良いと思う。
私自身も、「日本人の作るゲームは安心するな」と喜びながらゲームをしたものだ。

ケイオスリングスが大作の代表ならば、2010年前半はSword & Pokerがカジュアルゲームの代表であった。
が、2010年末になって異変が起きる。
なんと、発売元ガイアのページが消えており、1月8日にはAppStoreからDL出来ない状態となってしまった。
2010年1月に注目を一身に浴び、5月に再び注目されたこのゲームは2010年の終わりに消えてしまった。
もしかしたらまた復活するかも知れないが、2011年1月25日現在なんの情報もない。

謎を残した一作
Sword & Pokerは面白かった。
カジュアルゲームとして高いレベルにあり、大賞でもおかしくないと言えるだろう。
WEB上のお祭り騒ぎもまた、2010年のiPhoneゲーム界に記録すべき事件で話題性の点でも十分だ。

そして、そんなゲームが消えたことは1つの問題を提起した。
それは、「AppStoreはiPhoneがある限りなくならないが、メーカーが消えてしまうととゲームがDL出来なくなる」ということだ。
ある意味当たり前に見える。
が、AppStoreでDLしたゲームはPCに保存して置かなければ真に所有していることにならない、ということを多くの人に教えたのはこのゲームだと思う。
AppStoreのゲームは消費物であり、消したゲームをまたインストールすることは少ない。
Sword & Pokerの面白さ故に「再インストールしようとする人が話題にして」消えたことが知られたのだ。
再インストールしようとする人間が少なければ、消えたことにすら気づかれない。
今はよくとも、5年後に競争の激しいAppStoreでどれだけのメーカーが残っているだろうか。
10に1つか2つぐらいのゲームは再DLできなくなっているかもしれない。
そう思うと、この事件はAppStoreの将来の問題も見せてくれたと言えるだろう。

また、Sword & Pokerがヒットしている(ように見える)にもかかわらず、会社が消えてしまったのも気になる。
ヒットブランドは他社に売れるので潰れる前に買い取られることもあるのだが、そういったこともない。
AppStoreの安値に押されて、実際は儲かっていなかったのだろうか。

謎が多い。

情報募集中
Sword & Pokerは消えるには惜しいゲームで、ゲームファンとしてどうなっているか会社の安否も含めて非常に気になる。

現在もガイアにはSword & Pokerのページはあるものの、連絡はつかない状況。
私自身、ゲーム大賞としてノミネートされるような面白いゲームが復活してくれることを願いつつこの記事を書いた。
もし、何かご存じの方がいらっしゃれば、是非一報を!

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