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何度もやり直すローグライトのお約束を物語に組み込んだ『Crying Suns』レビュー。成功するまで蘇る男のストーリー

Crying Suns (App Store 1,100円 / GooglePlay 1,100円/ Steam 2,370円)
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死んだら最初からやり直し。だけど、毎プレイ異なるランダムな展開なので飽きずにプレイできる『FTL』や『Slay the Spire』のような“ローグライト”ジャンル。
これが流行してからだいぶ時間がたったし、そろそろ「少しひねったローグライトがやりたいかな?」という方も多いのではないだろうか。

そんな方におすすめしたいのがこの『Crying Suns』だ。
本作は「何度もプレイし直す」ことを逆手にとり、何度もプレイするほどに謎が深まるストーリー性を持つ『FTL』系ローグライト+SF物語のゲーム。
開発はフランスのaltshiftだが、翻訳の品質も高く、自信を持っておすすめできる1作だ。

ゲームの舞台となるのは、とある辺境の星系。
知能をもつロボットOMNIを開発した人類は、その力で繁栄の極みを迎えて宇宙に一大帝国を築いていた。
が、あるときに広範囲でOMNIを動かすネットワークが停止し、インフラをOMNIに任せていた人々は滅亡の危機を迎える。
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しかし、帝国はOMNIネットワークの破綻を予見し、危機が迫ったときにネットワークから独立したOMNIが管理する基地“ゲヘナ”を用意していた。
ゲヘナには帝国最高の指揮官と呼ばれたエリス・アイダホ提督と精強な部下の遺伝子情報が保管されており、帝国が救われるまで何度でもクローン技術で培養され、出撃するのだ。
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プレイヤーはエリス・アイダホ提督を操作し、辺境に発生した異常の謎を解き帝国を救うまで、死ぬたびに新しいクローン体を得て何度でも出撃することになる。

ここまでがオープニング付近で語られることなのだが、このあとの物語の見せ方が実に上手い。
ローグライト系なので、毎プレイ異なる星系に出撃し、毎プレイ異なるイベントに遭遇して星系の奥にいるOMNIネットワーク容疑者を追い詰めにかかるのだが……その、ランダムイベントに巧みにストーリーを織り交ぜている。
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エリス・アイダホ提督は中央で活躍していた記憶しかないが、辺境で見るものはOMNIネットワーク遮断後の荒廃した姿。
イベントが発生するたび、登場人物の台詞の断片から辺境における出来事をそれとなく知ったり……。
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逆に、クローンである船員や提督の存在を知る帝国兵の会話から栄華を誇った時代の価値観を知り、現在との落差を感じたりするよう、上手く短文が作られている。
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何度もプレイして多くのランダムイベントを埋めることで情報が積み上がり、プレイヤーは世界観を理解する。
物語の作りとしては王道だが、周回する仕組みと無理なく融合した作りは見事。

ゲームは章立てになっており、章ごとに求めるものが変化し、待ち受けるボスも変わる。
各章、最初からのプレイになるが、物語とランダムイベントが変化していくので繰り返しのプレイが飽きない……というより、ただ同じゲームを続けるよりも熱中度が高い仕組みになっている。
これまた、物語とシステムが無理なく融合していて素晴らしい。
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で、肝心のゲーム内容はというかというと、これまたちゃんと面白い。
まず、プレイヤーは出撃時に戦艦と乗り込む士官を選択する。
戦艦は砲台数や同時に出撃させられる戦闘機の数、航行能力、耐久力などが異なり、戦艦選びで戦闘スタイルが決定する。
どれが強いと言うことはなく、好みのスタイルで遊ぶ形になる。
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士官はランダム発生するイベントで役立つスキル2つ~3つ、戦艦の性能を上げるアビリティを1つ保持している。
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スキルは直接戦闘に関係ないが、宇宙で発生するランダムイベントで特別な選択肢が登場して有利になるため、ゲーム内でお金に当たるスクラップなどを多く手に入れる役に立つ。
とくに序盤はアビリティよりも多様なスキルを持つ士官を集め、戦艦を強化しながら旅するのが重要になる。
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▲通常が犠牲が必要な時も、必要なスキルを持っている士官がいればリスクがなくなり、莫大な報酬が手に入ったりする。

出撃後にはセクターマップが表示され、自由なルートを通ってOMNIネットワーク遮断の容疑者がいる星を目指すことになる。
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セクター内には複数の星系があり、星系内は複数の惑星で構成される。
惑星1つに1回のランダムイベントがあるので、セクター内でも惑星の多い場所をまわると強くなれる可能性が高いが、星を1回訪れるたびに燃料を消費する。
戦艦の燃料補給力を上げたり、スキャナー性能を上げてイベント種別を遠くから察知すると有利に立ち回れるが……その場合は戦闘能力のアップグレードが遅れるため、取捨選択が悩ましい。
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▲星系には複数の惑星がある。(!)マークはハイリスクハイリターンイベント。

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▲ときおり、惑星に降りることもできる。惑星では莫大な報酬が手に入って戦力大幅向上が期待できる。が、惑星探索に必要なスキルがないと大きな被害を受けるだけ。士官構成が非常に重要。

バトルは敵とプレイヤーの戦艦が攻撃しあうリアルタイム戦術ゲーム(ただし、いつでも時間は止められるので細かくじっくり操作も可能)で、戦艦の耐久力がなくなった側が敗北となる。
ここでは一定時間ごとに戦艦の兵器(砲)と、戦艦に積んだ戦隊を使ってバトルする。
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兵器は一定時間ごとに発射できて強力だが、連射が効かないものが多いので戦隊で敵を足止めしないと勝利は難しい。
一方、戦隊はチマチマダメージを与えるし、特別なものを除いて戦艦を攻撃するにも移動して近づく必要があり、戦いを一気に決めるには向かない。
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▲戦隊は破壊されても一定時間で修理が終わり、耐久力半分の状態で再出撃できる。全滅しても粘ればまたチャンスはめぐってくる。

戦隊で敵を足止めして兵器で決めるのか、兵器の援護で船体をジワジワ進めて敵の戦艦にとりつくのか、それとも特殊艦(遠距離砲撃したり、自爆したり、特殊な戦い方が可能な戦隊が多くある)を頼りに独自の戦法を編み出すのか。
バトルはかなり多様なスタイルがあって工夫のし甲斐があり、面白い。

どこまでイベントを有利に進めて金銭面で有利を得るか、金銭をどのタイミングで戦力アップに投入してボスに備えるのか、手に入った兵器と戦隊からどのような戦術を組むのか、ジレンマが多くゲームとして十分に楽しい。

単純にバトルだけならSFローグライトの名作『FTL』の方が完成度が高いように感じる(あと難易度も高い)が、『Crying Suns』も十分面白いし、1,100円というスマホゲームでは高額に属する価格でもまったく不満のない内容。
この手のゲームが好きなら、もしくはローグライトという枠組みを活かした物語を楽しみたいなら、ぜひ『Crying Suns』を手に取ってみて欲しい。

動画:


概要:
ループする構造を利用し、無限にクローンとしてよみがえる提督の物語を語るSFローグライト。物語もバトルもかなり楽しめる。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
とくに戦力強化において取捨選択が悩ましいゲーム内容
ローグライトの仕組みを利用した物語

気になるポイント
長押しを決定に多用する操作は慣れるまでわかりづらい(慣れたら快適)
小さい画面だと操作が厳しい

アプリリンク:
Crying Suns (App Store 1,100円 / GooglePlay 1,100円/ Steam 2,370円)

販売:oregames(日本)
開発:Altshift(フランス)

HP:https://www.facebook.com/helloteamarex
レビュー時バージョン:1.4.5
課金:なし

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中

 コメント一覧 (3)

    • 1. 老眼おじさん
    • 2020年10月19日 10:04
    • 文字やアイコンが小さく、見えにくそうですが、オプションから変更はできますでしょうか?
    • 2. なかう
    • 2020年10月19日 12:37
    • >映画を誇った時代の価値観を知り

      >惑星では莫大な報酬が手に入って戦力大幅向上が期待出k理宇。が、

      最近だと字間違えじゃなくて、あえて原作に合わせてこういう表記したりする傾向もあるので一概に変換ミスとは報告し難いなと感じております。

      映画を誇った時代とか90年代の事かな〜とか
    • 3. 管理人
    • 2020年10月19日 18:41
    • 誤字指摘ありがとうございました。
      スクリーンショットも貼り忘れていた(というか、完成版に切り替わっていなかった)ので足しました。
      感謝です。

      文字サイズですが、画像はiPadですがスマホだと吹き出し部分は文字が少し小さくなります。
      選択肢がある画像を見ていただきたいのですが、左側の元々小さいウィンドウの文字はたいして変わらず、ウィンドウ面積が広がります。
      文字を大きくするオプションはないですね。ストアのスクリーンショットをフルスクリーンで見て読むのが厳しそうならやめるか、Steam版ですね。

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