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これがハードコアゲーマー向けのクッキークリッカー。動物の軍隊を指揮して戦争するインフレゲーム『ウォータートル 2』レビュー

ウォータートル 2 (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay 無料)
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砲塔を装備した陸ガメに乗り、動物の軍隊を編成して戦うゲーム『War Tortoise』続編、『ウォータートル 2(War Tortoise 2)』。
本作は敵を倒すと資金が手に入り、その資金で軍隊がより大きくなり、さらに派手に戦いが始まる“放置・インフレゲーム”となっている。
この構造自体はクッキーを作ってその収益でより多くのクッキーを作る『クッキークリッカー』から発展したものだが、本作にはさらなる独自性が加わり、ゲーマー向け……ハードコア・クッキークリッカーとでも言うべき存在まで進化している。
いま、最も進化したインフレゲームを遊びたいなら、これだ。

最も進化した、という理由を説明する前に、まず順を追ってゲームの説明をしていきたい。
ゲームを始めると陸ガメ戦車と、それに乗るネズミの砲手が表示され、敵がわらわらとわいてくる。
この画面でプレイヤーが画面をドラッグして照準を合わせると陸ガメが敵を撃ち、敵を倒すとお金が手に入る。
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なお、しばらく進むとオートモードも解放されるが、敵がときおり手動迎撃しかできないミサイルを撃ち込んでくる(さらに進めば条件付きでオート迎撃してくれる機能もあるが……)ため、完全放置することはできない。
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敵を倒すとより強い敵が登場するが、プレイヤー側も画面左の“+”ボタンからメニュー画面を開き、兵士を雇ったり、陸ガメの砲台を強化できる。
もちろん、雇った部隊は画面に登場して戦ってくれる。
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インフレゲームの多くはカジュアル作品だから映像演出は弱いが、本作は大作3Dインフレゲームとして作られており、映像面の迫力だけでもかなりのもの。
進むほどに敵はより強く巨大になり、味方の兵士が入り乱れ、演出もダメージも派手になる見た目に楽しいゲームとなっている。
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▲演出は派手だが、派手すぎて意味不明になるのでオプションでエフェクトをLOWにすると良いと思う。消費電力が気になるならバッテリーセーブモードで。

戦い続けて、最終的に敵の強さに部隊強化が追いつかなくなると、今度は転生するか、再挑戦する(3回目以降は有料アイテムが必要になる)か選び、転生すると進んだ距離に応じて強くなった状態で再度ゲームが始まる。
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▲倒れたときの画面。日本語モードにしていると分かりづらいが、上が敵が強い状態でやり直り、下が最初からやり直し。

このように戦って、稼いで、雇って、また戦う。
派手な映像を見ながら延々とインフレする戦争を繰り返すゲームが『ウォータートル2』だ。

で、このゲームの何がすごいのかと聞かれれば「やり直しが他のゲームより面白いところ」にある。
スマホのインフレゲームでは、強い状態で最初からプレイし直す“転生”という要素を『Tap Titans』が発明し、進んだステージに応じて強くなっては最初のステージからやり直すことが普通になっている。
しかし、そこには最初のステージからひたすらやり直す過程は退屈という問題がある。
なんと、『ウォータートル2』は問題に切り込み、繰り返し強くなる過程を面白くしたゲームなのだ。

その改善の1つは“戦争物資”システム。
部隊を強化する代わりに“戦争物資”を購入すると、“クリティカル時のダメージ+1,000倍”とか、“装甲貫通能力+6,000”とか、ランダムに3つのアイテムが表示され、このなかから1つを選択して部隊を強化できる。
戦争物資は転生するとなくなってしまうが、効果は強力。毎回ランダムなパワーアップから何かを選び取り、「このアイテムが出たから今回はネズミ部隊のクリティカル攻撃を強化して進もう」とか、毎回少し違うプレイが楽しめる。
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もう1つ、これが本作の発明とも言えるシステムがある。それは“領土システム”だ。
本作の舞台は遺伝子操作された動物や昆虫が意思を持って戦争し続ける世界で、プレイヤーは果てしない戦争を終わらせるであろう伝説の生物“人間”の遺伝子を求めて戦い、領土を広げている。
『ウォータートル2』には、この設定に合わせて敵の土地を占領するシステムを追加した。
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プレイヤーが地図から目的地を選ぶと、地図上の距離に応じて陸ガメ戦車は移動をはじめ、一定数のウェイブ(敵部隊)を倒すとその土地に到着し、プレイヤーの領土とすることができる。

この土地には様々な効果がある。
例えば、一定時間ごとに新たな遺伝子が見つかる土地。
この土地から遺伝子を入手すると、部隊の動物や陸ガメを突然変異させて特殊能力に目覚めさせられる。突然変異能力は転生しても引き継がれるので、非常に重要。
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▲遺伝子で購入できる突然変異と、画面右上のウォージェムで購入する突然変異(どちらも永続、ウォージェム版は無理して買わないでいい)がある。

そのほか万能通貨ウォージェム(魔法石に相当する)を発掘できる鉱山、占領した土地に素早く移動できる道などを作る材木を算出する森林、人間の遺伝子が見つかってストーリーが進む土地など、さまざまな土地があり、領土にしたあともその場で戦い続けることで最大5段階までその効果を強化できる。

これは一見なんでもなさそうなシステムだが、この領土システムは最初からやり直す転生システムを面白くすることに大きく貢献している。
領土システムの仕組みとして、敵の強さに関係なく10ウェーブ進むたびにプレイヤーは地図上を1歩進み、領土占領に近づく。
つまり、最初からやり直すと強い状態で猛烈な勢いの進撃が可能だからすごい勢いで広がる。それによって、転生して再度強くなるまで過程を楽しめるものとしているのだ。
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同時に、先に進んで倒れるだけでなく、領土のどこまで進撃してから倒れるか、そういった計算もまた重要になって面白みがかなり増している。
もちろん、前回より先まで進んで倒れることでより強い状態で転生できるので成長したあとの面白さも健在だ。
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いわゆる“放置ゲー”ではなく、効率よく進むためにはマメに部隊を管理する必要がある。
が、システムがわかってくると管理して、効率よく領土を広げて強くなる仕組みの前に辞め時が見つけられず、ひたすらプレイし続けてしまう。
ちょっと、危険なぐらいハマる。

課金要素は、広告削除と有料通貨のウォージェムとなる。
これはあらゆる要素(領土の移動時間短縮、遺伝子購入など)に使えるが、ゲーム的に必須となるのは特殊ユニットであるヒーローの購入と、レベル上限の上昇の2要素のみ。
それに使用するなら十分(序盤は足りなく感じるが、しばらく進むと鉱山などから無駄遣いしなければ十分なウォージェムが手に入る)。
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▲ヒーローは戦場で使用できるスキルにも影響するし、強さがリセットされないので強力。3人まで同時に戦場に出せるが、最初からそろえるには少し高い。進めば3人ぐらいなら問題なく育成できるようになる。

しいて言えば370円で購入できる広告削除を購入すると広告付き宝箱なども含めて広告を飛ばしてくれてとても快適になるので、これは買うことをお勧めする。
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▲ゲーム中は右下の焚火ボタンでキャンプに入って5分に1回体力回復・戦場で拾った食材を調理できるが、キャンプを終えると必ず広告付き宝箱が出てくる。広告削除をしているとこれを毎回あけても手間がないので最高。

今回、ゲームシステムが進化すると同時に複雑化したので、慣れるまで面白みがわかりづらい。
しかし、システムを把握して効率などを計算するゲーマー寄りの唯一無二の『クッキークリッカー』系ゲームだし、『Tap Titan』系に飽きたプレイヤーも再びハマれる良作。
この手の作品が好きなら、転生して強くなるまでの過程が面白いインフレゲーム『ウォータートル2』をぜひ遊んでみて欲しい。

概要:
敵を倒し、部隊を拡張し続けるミリタリー・インフレゲーム。転生してやり直すときも、戦力を整え直したり、領土を効率的に広げる楽しみがあって繰り返しが楽しい。

動画:


評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
派手な部隊戦闘が見られる対策3Dインフレゲーム
転生して強くなる過程が領土システムなどにより楽しくなっている
装備強化、部隊強化、突然変異による強化など、強化軸が多彩

気になるポイント
ゲームシステムが複雑でゲーム内の説明では足りない
日本語訳が怪しい部分がある(プレイはできるがストーリーは英語でないと辛い)
とくに序盤は課金ゲーに見えやすい

アプリリンク:
ウォータートル 2 (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay 無料)

開発:Foursaken Media(米国)

HP:http://foursakenmedia.com/?portfolio=war-tortoise-2
レビュー時バージョン:1.0.4
課金:広告削除(370円)、ウォージェム(装備ガチャ、ヒーロー購入・強化などに使用)

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中