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3D Touchは、スマホゲームの操作性を変えなかった。が、新しいゲームを生むことに成功した

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iPhone 6s、iPhone 6s Plusには、画面を押した強さを検知する「3D Touch」機能が搭載されている。
この機能について、リリース前に「スマホゲームの操作性を大きく改善するかもしれない」と紹介した。

実際に、3D Touchが登場して2ヶ月。果たして、この機能はゲームに変化をもたらしたのだろうか。
Appleが3D Touchのサンプルゲームとして紹介した『Warhammer 40,000: Freeblade』がリリースされたことを機会に、振り返ってみたい。
3D Touch対応をうたうゲームの多くは、ゲーム内で多くのゲームで、アイコンを強く押すとメニューを飛ばしてゲームを始められるようになっている。
「最後のセーブデータから再開」機能などは少し便利だが、ゲームが変わったとは言えない。
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調べてみたところ、そもそもゲーム内で3D Touch対応のアプリは少なく、そのほとんどは「拡大」と「ボタンの代替」で3D Touchを使用していた。

「拡大」は、画面を押す強弱に応じて任意の箇所を拡大する機能。
例えば、『Snapanimals』では、選択しているアルバムの写真を拡大できる。
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▲分かりづらいが、画面上の少しだけ大きい写真は押し込みで拡大されている。

「ボタンの代替」は、特定の操作を「強押し」で代替する使い方だ。
例えば、ノベルアドベンチャー『バッドエンド』で、「強押し」でオート侵攻機能のオン/オフを切り替えられる。

『AG Drive』などのレースゲームでは、一時的に超加速するブースト機能を「強押し」で起動できる。

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Appleがデモに使用した『Warhammer 40,000: Freeblade』は、この「拡大」と「ボタン代替」の合わせ技である。

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銃器で敵を狙い撃つとき、撃ちたい箇所を少し強く押すとカメラがズームし、より正確に狙えるようになる。これが、拡大。

さらに、画面を強く押すことで強力な重火器を起動できる。これが、「ボタンの代替」だ。

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▲ほんの少し、狙っている位置が拡大表示される。


アクション系ゲームでは、ボタンの押し間違えがなくなるので操作の正確性も上がり、恩恵はそこそこ大きい。

ズーム機能もないより良い。が、なくても何とかなる。


事前にゲーキャスで、「ボタンの代替になって操作性が改善する」と予想していたが、「連続で強押しすると疲れる」こともあり、スマホゲームが変わるほどのインパクトは感じなかった。
予想よりも、少し足りない着地である。

では、3D Touchは、ボタンの代替でしかないのか……と、必死にアプリを試しまくっていたところ、1つ3D Touchを活かした素晴らしいゲームが見つかった。
その名は、『Yokee Piano』。
マーカーに合わせて画面を押すとピアノ音が鳴る音ゲーで、3D Touchで画面を叩く強さを検知し、ピアノ音の強弱に反映する。
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その結果、プレイヤーが強く表現したい箇所を強く、弱く表現したい箇所を弱く表現できるので「自分で弾いている感」が強化される。

ここで、改めて気付かされた。
3D Touchは、スマホに新しいゲームを作る可能性がある。

「3D Touch前提」のゲームと、「あると便利」に使っているゲームでは、まったく違うことを教えてくれた。
3D Touch前提のゲームが出てくれば、スマホにはまた1つ、新しい楽しさが生まれるだろう。
『Yokee Piano』は3D Touch前提のゲームではないが、3D Touchがあるとないとでは楽しみ方が変わってしまう。

考えてみれば、3D Touchはまだ普及していない。
だから、商売的に考えて3D Touchを面白さの軸に据えたゲームはまだ出せない。
3D Touch前提の操作系を用意したメールアプリはとても便利だが、これはAppleだからこそできること。
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3D Touchには、きっと見えていない面白さが秘められているが、今出ているゲームで「3D Touchによる進化」を考えるのはまだ早い。
おそらく、3D Touch対応端末がもっと増えた頃、スマホには新しいゲームが登場し、前よりも面白いゲームが出ているに違いない。

今は、『Yokee Piano』での3D Touch使用法は面白いので、とりあえず試して見て欲しい。

関連リンク:
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