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スマホの性能をフルに使って薄汚い戦場を再現。シューティングRPG『Warhammer 40,000: Freeblade』レビュー

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iOS端末の性能をフルに使い切るMETAL APIを利用してド迫力の戦場を描き、その中を二足歩行のロボット「ナイト」に乗って戦うシューティングRPG『Warhammer 40,000: Freeblade』がついに登場した。
本作は、ゲームとして面白いのはもちろんだが、画面を押す強さを検知するiPhone 6sシリーズの目玉機能、「3D Touch」の技術に対応したゲームとして、Appleの発表会でも紹介されて注目された作品でもある。

果たして、本作は3D Touchでスマホゲームの未来を切り開いたのだろうか。
ゲームの感想とともに紹介していこう。

本作は、欧米で人気のSF『Warhammer 40,000』の世界観を使ったゲームで、プレイヤーは、傭兵として自身の一族を滅ぼしたカオスの軍勢と戦うこととなる。
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▲ナイト。『ワースブレード』の獣兵機を思い出す……のはオッサンか。

まず注目すべきは、iOS端末の性能をフルに生かして作られた薄汚い戦場。
「美しい」じゃなくて、硝煙の匂いまで漂ってきそうな汚い戦場を全力で描いている。
このグラフィックだけで、もう満足。
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そして、ゲームはステージクリア型。戦ってはナイトを強化し、より厳しい戦場に身を投じるRPGスタイル。
バトルは、ナイトが自動でフィールドを歩き、武器を使い分けて敵を撃つシューティングゲームとなっている。
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ナイトの武器は3種類。まず、画面を押すとマーカーが出て通常ショットが発射される。
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画面を2本指で押さえると重火器を発射し、ダブルタップでミサイル。どの武器にも弾数とリロード時間があり、使いすぎると一時的に撃てなくなる。
残弾の管理はかなりタイトで、撃ちっぱなしではまずステージを攻略できない。
連続で敵を倒してスコア倍率を上げたり、群れを全員倒す「キルストリークボーナス」を狙ったりするならばよりシビアとなり、プレイヤーのテクニックが要求される。
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一部の巨大な敵は、接近戦を仕掛けてくることもある。
接近戦は、画面下に表示されるマーカーをタイミングよくタッチして止めるタイミングゲームだ。
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タイミングはゆるめなので接近戦で負けることはまれだが、中央の「クリティカル」を狙うと少し難しい。
見事クリティカルで敵を葬ると、ボーナススコアが手に入る。
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▲巨大なメカが火花を散らして戦う様子は圧巻。何度見ても気持ちいい。

もう1つ、ダメージの大きい攻撃の発射前にはシールドマークが表示され、これをタッチすると攻撃を防ぐ要素もある。
これでシールドの耐久度の数まで攻撃を防げるが、これにお世話になるようだと高スコアは狙えない。
基本的には、危険な敵から順番に排除する「やられる前に、やれ」方式。アーケードのガンシューティングのように戦うゲームだ。
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▲なお、攻撃したい敵の上にシールドマークがつくと、攻撃したいのに防御が発動してしまう難点も。シールドシステムはいらなかったかな……。

1ステージは長くて3分程度。
ステージをクリアすると、スコアに応じて3段階で評価され、同時にドロップしたアイテムや鉱石(お金)を入手できる。
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正直、シューティングのシステムとしては普通で、欠点も多い。
操作を見れば、ダブルタップのミサイルが誤作動してしまったり、スマホの小さな画面では2本指タップ操作がやりづらい。
バランスで見れば、装備を付け替えられるのに、有利な武器がはっきりしていて特定の種類の武器だけ使うことになるなど、細かい部分は粗い。
が、トータルで見ればグラフィックと迫力の演出のおかげで、面白いゲームといえるだろう。

また、基本無料だが、課金は緩めだ。
課金システムとしては、装備を手に入れるガチャ、ナイトの修理と時間短縮などが用意されている。
さらにロイヤリティというシステムを採用しており、有料アイテムを買うとポイントがたまり、最大で3段階までゲームが有利になる。
具体的には、レアアイテムがドロップしやすくなり、ナイトの修理速度が速くなったり、成長が早くなったりしてゲームが快適になる。
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▲スタミナは「構造的完全性」という名前になっている。出撃するたびに6%~9%程度減り、構造的完全性が60%を切るとナイトの性能が下がってしまう。2分で1%回復するので、1時間半に5回は出撃できる計算になる。

最小単位の課金360円で1段階目のロイヤリティが手に入り、その状態でも十分レアアイテムがドロップする。
また、ドロップで欲しいアイテムが手に入らなくても、いらなくなった装備をまとめて新しい装備を「作成」するシステムを使えば、欲しいアイテムを作れるのでゲームの進行が大きく止まることはない。
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装備の作成にも時間がかかる(課金で短縮はできる)ので有料ゲームと比べるとゲームの進みは遅いのだが、全8チャプターのうち6チャプター目までプレイした感想としては、360円の課金以上の楽しさは得られている。
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▲作成でレア以上アイテムが簡単に作れるので、後半になると装備は大体レア以上にできる。

基本無料と敬遠せず、少し課金して遊ぶと楽しめるはずだ。
アイテムは作れるので、ゴールドは機体の修理やエンブレムに使うといいだろう。

そして、最後に3D Touchについても書いておこう。
本作では射撃に3D Touch拡張が適用されており、強く画面を押すと撃っている場所がズームされて正確な射撃ができ、2本指タップの代わりに画面を押し込むと重火器を撃てる。
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▲わずかな差だが、ハイスコアを狙う際は大きい。

これが、かなり便利。
通常射撃のズームについては、ズーム前に敵を撃ち終えているので恩恵を感じない。
また、押す強さの調節も難しく、ズームして銃を撃ちたいのに重火器に切り替わってしまうことも多い。
だが、弾数の限られている重火器で、ズームして正確に狙いを定められるのはゲーム難易度が変わるほど便利であった。
なにより、1本指で操作できるのも大きい。

多少の慣れは必要だが、3D TouchなしのiPhoneと、ありのiPhoneでは、後者の方が楽しくゲームを遊べるのは間違いない。
もちろん、iPadの大画面の方が操作ミスも何もないので楽しいのだが……革命的とは言えなくても、将来AndroidとiOSでゲームに差を生みそうな一要素になりえるように感じられた。
少なくとも、3D Touchの今後が楽しみ、といえるだけの要素は示したといっていいだろう。
iPhone 6s、iPhone 6s Plusを持っているゲームスキの方は、ぜひ1回これを試してほしい。

評価:3.0(面白い)

おすすめポイント
迫力のあるグラフィック
1週間程度で、間を開けて遊ぶスパンで考えれば快適

気になるポイント
一気に遊ぼうとすると課金が必要

課金
ガチャ、武器修理の時間短縮など

(バージョン1.1.1 ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Warhammer 40,000: Freeblade (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)