ゲームキャスト

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2015年、ゲームキャストの展望。ウェブのスマホゲームメディアの行方についての考え。

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2015年のメディアとしてのゲームキャスト(といってもゲーキャスはメディアといえるほど大きくないですが)の展望を書いていこうと思います。
まず展望を語る前に、ゲーキャスが見るところの2014年のウェブメディアの振り返ります(エラそうですが)。

スマホのオンラインゲームは、ウェブのゲームメディアに革命的な変化を及ぼしました。それは、「ゲームを紹介するメディア」から「特定のゲームをサポートし続けるメディア」へ変質させたことです。
有名ゲームの特集を組んでサポートすることは、紙の雑誌でも重要でした。例えば、ドラクエのような大作が発売されれば数号にわたって特集が組まれて、部数に貢献していました。
しかし、ドラクエの情報にも限度があるので永遠にドラクエを特集することはできません。情報を出し終われば、次に紹介するゲームを探す必要があります。
読者もドラクエをプレイし終われば、次のゲームを探し始めます。そこで「ゲームを紹介するメディア」が必要でした。

しかし、オンラインゲームが大ヒットしてこの法則は崩れました。
オンラインゲームはプレイヤーがいる限り永遠にアップデートされるので、情報に限度がありません。読者もプレイし終わらないので、永遠に情報を求め続けます。
この情報を追っているだけで、莫大なPV(ページビューの略、閲覧回数。これが大きいほど、メディアは大きいという目安)が稼げます。大ヒットオンラインゲームは、「無限ドラクエ」とでも言うべき金の鉱山だったのです。

そこで、有名メディアではこぞってパズドラの特集が組まれました。さらに、メディア側は『魔法使いと黒猫のウィズ』や『モンスターストライク』など、次のパズドラを探すようになります。
(念のために言っておきますが、パズドラが悪いと言っているのではありません。パズドラはゲームが面白く、運営も良い偉大なゲームです。ただ、大ヒットゲームが世の中のルールを変えたというだけです)
2013年は、どのメディアがどのゲームのプレイヤーを囲うか、という年だったと言っていいでしょう。
公式Wikiなどの流れもその一環です。企業でやっている場合、攻略情報、最新情報のスピードと正確さでは2chまとめやそのゲームが好きなプレイヤーのブログにはかないません。
しかし、公式化Wikiになれば先行情報などの発信源とできて他のサイトに差をつけられます。メーカー側もバグ情報などの拡散を防げて嬉しい。

そんな形で、2012年から2013年はウェブメディアが特定のゲームをサポートするメディアへと変わっていきました。
では、2014年はどうなるのでしょうか。

公式Wikiや攻略情報を流し続けるメディアには、1つの悩みがあると思っています。
1つのゲームの情報を流し続けると、その他のゲームの読者は離れていきます。1つのゲームだけならばまだしも、2つ、3つとサポートするゲームが増えればサイトの更新情報はそれで埋められてしまうのです。
また、読者も特定の情報を見たい層に偏ってしまい、他の記事に興味を示さなくなっていきます。

多くのウェブメディアは広告をもらって生きているので、広告記事を書いたときにPVが低くては困る。では、どうするか。
単純な話としては、サポートしているゲームからお金をもらい続ければ安泰ですね。ただ、それはかなり難しい。
とすると、非公式のWikiにして速度を重視して広告を貼るか(大量にゲーム攻略サイトを運営する形式)、公式wikiとしてきっちり運営し、広告をもらったときにサポートしているゲームのプレイヤーを広告をもらったゲームに移動させればいいのです。

後者の場合は、初代PS〜PS2時代の電撃プレイステーションのように「読者と一緒にゲームを遊ぶメディア」を実現する必要があると思います。かつての電撃は独自の視点でゲームを探して「これ、面白いよ!」と言い、攻略記事も「この人、やっているな」という内容で読者の信頼を得ていました。FF11を一緒に遊び、一緒に盛り上げたりもしていましたね。

その、「一緒に遊ぶメディア」となってユーザーに支持を得るスタイルが有効なのだと思います。
例えば、特定のライターが特定のゲームをやり込んでいて、Twitterなどで情報発信し、動画に出てプレイヤーの共感を得てプレイヤーの信頼を集めるのです。そのライターが「△△も始めました」などと言えば、ある程度の移動を見込めます。
すでに2014年から始まっていますが、2015年はライターのタレント化が重要になるのではないでしょうか。

基本的にゲーマーは敏感なので「そのゲームが好きではない」人の記事は見分けがついてしまいます。だから、こういった流れを見込んで「特定の人気ゲームが好きで日常的に、能動的にプレイするライター」や「専門性が高いライター」の需要が高まるでしょう。
また、2015年に限って言えば「容姿端麗」とか「身だしなみに気をつけている」などがスマホゲームライターの募集条件になっていても驚きませんね。

また、メディアの名前ではなくて、メディアに所属する個人が重要な時代になってくると思います。例えば、ホリプロの人気芸能人に興味はあっても、多くの人はホリプロ自体には興味がない、と言ったように。
この「メディアの番組!」ではなく、「このメディアのこの人の番組!」という形が伸びてくるでしょう。

ゲームキャストはどうするのか
さて、そんななかでゲームキャストはどうするか。
オンラインの基本無料ゲームが重要になる中で、メディアにとって1回しか記事にできないゲームの価値は軽くなっています。
2013年、体力のないメディアの方からは「もう有料ゲームの記事は書けない」と言われていましたが、今は「無料ゲームでもネタにならないゲームは書きづらい」という声も聞こえてきます。
多くのメディアが次の大ヒットゲームをいち早く取り上げ、プレイヤーを取り込む方向にシフトしています。

ですが、そう言った流れとは関係なく、好きなゲームを、好きなように取り上げていこうと思います。
有料ゲームやインディーゲーム、面白いネタゲーなどを積極的に紹介していきたいと思います。「新しいゲームを探す」機能を重視します。

従って、超人気が見込める基本無料ゲームはレビューにとどめ(自分が取り上げなくても他が盛り上げてくれるし)、マイナーで良さそうなものがあれば拾い上げたいと思います。
さらに運営が信頼できると思えたゲームがあれば継続的にサポートしたいですね。
「ある程度の面白さがあって」、「ユーザーに嘘をつかずに誠実でいてくれれば……」などと言っていては広告がもらえるわけがないのですが、それでもいいという剛毅なメーカーの方はご連絡ください。

最後になりますが、もっとゲームキャストのように「自分が面白いと思うもの」を勧めるサイトが多く成長すればいいな、と思っています。
「運営がクソでもゲームはおもしろければいいんだよ!」という価値観のサイトや、「有料以外はすべてクソだから無料ゲームは紹介しない!」でもいいですし、多様な価値観のサイトが入り交じって、プレイヤーがそれぞれの好みでサイトを選べればいいと思っています。
なので、独自の視点のサイトを見つけたら、積極的に紹介していこうと思います。

ここまでまとめて気づいたのですが、結局「ほとんど去年と一緒」です。新しいゲームの情報を参考になる形で届け続ければ、他のメディアから新しいゲームを探したい方が来るようになる、と考えています。
そうすれば、勝手にサイトは成長するでしょう。

ちなみに、ゲームキャストは2014年、こんな感じのゲームが好きでした。
2014年、日本のiOSインディーゲームベスト10。君はもうこのゲームを遊んだか!?

でもって、2015年はこんなゲームに期待しています。
2015年、期待のスマホゲーム10選。発売が待ちきれないゲームばかり!

これらを見て感性が合うと思った方、そして今までの読者の皆さま、2015年もゲームキャストをよろしくお願いいたします。