ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

レビュー: 2K DRIVE - 車をカスタマイズし、実在の街を走る。車好きのためのドライブゲーム。

2K DRIVE(itunes 700円 iPhone/iPad)
課金:ゲーム内通貨・車の購入(なくても遊べる)
開発:2K GAMES
評価:3.5(かなり面白い)
2kd
グラフィックが綺麗で、車の外見までカスタム可能
類を見ないほど様々な種類のレースが楽しめる
慣れると重い車体を安定させることが楽しい
お台場、ロンドンなどの実在の場所をコースで再現
癖のある操作感に慣れないとつらい
メニュー画面がわかりづらい
一部のモードでサーバー接続が重い

『2K DRIVE』は、XBOXで大人気の『プロジェクトゴッサムレーシング』スタッフが、新しい会社を立ち上げて制作したレースゲーム。
このゲームはAppStoreの車ゲーで最も素晴らしい1つだと思っていて、ゲームキャストの皆さんにそれを押し売りしたくてアルベルトというペンネームで初めて記事を投稿する。

少し長いが、車ゲーが好きな方はお付き合いいただければ嬉しい。
2kd02

このゲームは『アスファルト8』のように爽快なレースでも、『Real Racing 3』のように手軽にリアルっぽいレースを楽しむゲームでもない。
「全力で車を楽しむ」ことに特化したスマホで過去に類を見ない良いゲームだと思う。
2kd (2)

ただ、それが分かるまでが大変で誤解されやすいゲームで、ストアの評価は低め。
なので、今回はその誤解を解きつつ、このゲームの素晴らしさを説明したい。

まずはこのゲームの魅力から。
このゲームの最大の売りの1つはイギリス、東京などの実在の場所を再現したコース。
ゲームに収録されている現実の写真と見比べても、問題を感じない素晴らしい再現度だ。
2k (1)
▲イギリスの都市と建物!

日本から2コースが選ばれていて、普段は乗れないタイプの車を芝浦コースで走るのは奇妙なリアリティを感じられる。
実際に走れる場所をレースゲームで体験するのは、サーキットを走るのとはまた違った楽しさを感じられると思う。
2kd2
▲日本からはレインボーブリッジと芝浦コースが登場。

スマホのゲームでは簡略化されがちな車のカスタマイズ要素も豊富。
単なる性能アップから、ホイール・塗装・ガラスの色を変更まで、お気に入りの車を自由にカスタマイズできる。
2kd25
▲ガラスが変えられるのが地味に嬉しい…。

運転席にマスコットを吊るしたり、人形を置くこともできてしまう。
もちろん、レース時にコックピット視点でプレイするとそれらが反映される。
2kd24

そして、そんなお気に入りの車をゆっくりと眺めるSHOW ROOMモード、各コースの名所で撮影できるROAD TRIPモードなど、車好きをニヤリとさせる仕掛けもある。
2k1
▲各コースの名所で、好きな角度角度から写真がとれる。

レースゲームとしても、とても工夫が凝らされている。
1位を目指して走るレースや平均スピードを競うもの、ドラッグレースなど普通にありそうなパターンがあるのはもちろん。
2kd1

オフロードレースも完備。
ズリズリ滑りながらレースする感覚はオンロードと全く別物。
坂でのジャンプ距離を競うような変わり種レースもあり、オフロードらしさをきっちり表現。
2kd30
▲普通のレースゲームよりリアルなのでかなり難しいけど。

コース上に積まれた箱を体当たりで崩して得点を稼ぐレース、プレイヤー車を破壊しようと迫ってくるヘリから逃げ回るようなもの、ロケットを操縦して「ロケットのスピードを体感してみよう」という遊びすら存在する。
2kd05
▲まさかヘリが出てくるとは…。

まさに「車好きのために様々な遊びを再現してみました!」という豪華ゲームで、過去にスマホゲームでプレイしたどんなレースゲームよりも遊び心にあふれていると思う。
2k2
▲ロケットエンジンを操作してヘリを追い越すミニゲームなどもある。

単純なグラフィックでは『Real Racing 3』に一歩劣るが、その分コースと車の調和に力を注いでいて、車を所有している感覚はこのゲームが一番強い。
好きなように見た目をカスタマイズして、好きな場所で、いろいろなシチュエーションで遊ぶ。
そして好きな場所で写真をとる(自分の写真からドライバーを作り、乗り手を自分にすることだってできる!)。
レースゲームというよりも、車で遊んでいる気分になれるゲームだ。
2kd27
▲オフロードの汚れをそのままにしてオンロードで走ることもできるよ!

だが、最初に書いた通りストアの評判はそこまで良くない。
理由は3つあると考えていて、まず大きなものとしては超リアル系な操作がある。

このゲームはいわゆるリアル系のレースゲームで、ブレーキやアクセルのタイミングが重要。
アクセルベタ踏みでコーナーを曲がれないだけでなく、さらに1歩踏み込んで車体の重さを再現している。
2kd32
▲ブレーキアシストもあるが、それだけではコーナーを曲がりきれない。

そのため、1度バランスを崩すと車の重さに振り回され、まっすぐ走ることが厳しい。
敵車にぶつかるとダメージを受けて車の性能が低下し、腕に覚えのあるプレイヤーでも真っ直ぐ走るのは難しいかもしれない。
なので、初めてプレイすると「なんだ、これは!?」となり、評価が低くなるわけだ。
2kd (1)
▲左下の車体の色がダメージの目安。ボロボロでまっすぐ走れません。

だが、これは「車体を安定させないとまっすぐ走れないゲーム」と認識すれば面白い要素になる。
まっすぐ走れているだけで「今の俺は真っすぐ走って効率的に加速している!」というしてやったり感。
敵車にぶつからず、車の被害を最小限にして安定したレースをする楽しさに変えて味わってほしい。
neko
▲真っ直ぐ走れる…実はそれもゲーム的表現。

2つ目の誤解は、メニュー画面がわかりづらく様々なレースやモードがあることを理解できないこと。
レースの一覧に車の説明が混じっていたり、混乱しやすい画面になっている。
慣れればなんとかなるが、初見のプレイヤーはゲームの良さを知る前に逃げてしまうと思う。
2k

最後の誤解…というか不幸な事故として各所でオンライン接続を行おうとして、失敗すると落ちることが多いこと。
日ごとに配信されるレースや、週替りのチャレンジ情報を読み込むが、配信数日はサーバーが不安定でゲームが起動しないトラブルが頻発した。
現在は普通にプレイできるので、その時期にやめた方もまた試してみて欲しい。
2kd29
▲この画面から落ちる…!

ということで、ゲームの説明不足・初期のサーバートラブル・操作が他にないタイプと3要素が低評価の理由で、ここまで読んだ方はどれもその基礎知識を得ていて問題に立ち向かえる。
そこまで致命的な欠点はないと思う。
そして、それ以上に「車好きが楽しめる」という点で素晴らしいこと伝えたつもりだ。

それでも迷っている方のため、最後にもう1つだけいいところを書いて終わる。
このゲームは価格が600円とバツグンに安い。
たったこれだけ払えば、ゲーム中課金の必要はない。

普通にプレイしているだけで経験値がたまって新しいレースが出現し、ストレスなくゲームは進んだし、特定の車を購入しないと参加できないようなレースもない。
2kd17

ゲーム内の通貨には★とコイン2種類の通貨があるが、それも購入しようと思ったことはない。
★は車の修理や、装飾品購入、1試合のみのパワーアップに使えるが、普通にプレイしていればパワーアップを使っていても不足しない。
コインについては、最低限はたまるのでやはり強制的に買わされる印象ではない。
2kd09
▲車の性能の差はブーストで大抵埋まるので問題なし。

車の修理はあるが、一瞬で終わるから修理時間を待ってお気に入りではない車に乗る必要はない。
車を強化するためにひたすら同じレースに挑戦する必要もない。

操作感がリアルすぎで人を選ぶので、購入者の100%が面白いと感じるとは思わない。
ただ、それ以上に車好きのためのゲームとしては他にないスマホゲームなので、600円でチャレンジする価値は十分あると思う。

(Ver 1.5 アルベルト)

アプリリンク:
2K DRIVE(itunes 700円 iPhone/iPad)

動画: