App Storeでは、販売者が細かく価格を決めることができず、Apple社が定めたTier表を利用して価格を設定する。
例えば、Tier1を選択すると日本では160円、米国では0.99ドルの価格となる。
多少手間をかけなければ通常の手段では、日本と米国で別の価格を設定できない。
そのため、App Storeの価格変更が発表されて以来、アプリ内のガチャ価格が高くなるとか、そうならないとか、そういった話は続いていたが、衝撃的な情報が飛び込んできた。
MMORPG『幻塔』ではApp Storeのみ価格が高くなると、公式発表が行われたのだ。
誤解ないように先に書いておくと、今回の変更に対して多くのアプリではApp Storeの価格と商品の内容(例えば、1円当たり手に入る有償通貨の個数)などを調整し、Google Play版の価格をそれに合わせる対応をとってきた。
▲ウマ娘公式サイトのお知らせより抜粋。値段が上がるとしても、App Store / Google Play 双方の価格を上げる発表を行ってきた。
ところが、『幻塔』は「国・地域のiOSクライアントに対して個別に価格調整することはできません。」、「Android・PCの商品価格変更はございません」と告知。つまり、App Store のみを値上げを発表した。
iOSの利用者には補填として煙水晶1,000が配られるが、長期的には「iOSで課金し続けるだけ損」という状態になる。
PC版などを利用してクレジットカードなどで外部決済すれば値上げ前の価格で購入できるため、「iOSで値上げしても、PC版などに移行して金を払ってもらえればそちらの利益が大きい」と計算しているのかもしれない。
(iOSではAppleが30%の手数料を持っていくが、自社が採用している決済なら数%のクレジットカード手数料で済む。つまり、手取りが20%以上増加すると計算できる)
2019年に App Store のTier表が変更されたとき、多くのゲームは価格調整して日本での価格を維持してきた。
しかし、2022年はそうもいかなさそうだ。
関連リンク:
幻塔商品価格表