派手な化粧をした見た目で、1990年ごろから2000年ごろに一世を風靡したヴィジュアル系バンドブーム。
その時代を席巻したヴィジュアル系のなかでも、中心的な立ち位置にいたGLAY、X JAPAN、LUNA SEAの3バンドの公式リズムゲーム『EXTASY VISUAL SHOCK』が、なんとこの令和の世にやってきた。
しかも、実写タレント系ゲームは映像使いまわしが多いなか、本作は取り卸し映像+過去ライブ映像+本人の歌声による音源の豪華仕様。
当然、ビジュアル系世代の注目を集め、2月25日にサービス開始するとダウンロードランキング1位を獲得し……そのまま長期メンテナンスに突入して沈没(悲しいソシャゲの流れ)。
が、実際に遊んでみると他にない良さがあったので、応援のために紹介していきたい。
が、実際に遊んでみると他にない良さがあったので、応援のために紹介していきたい。
2月24日のツイート。このとき、ビジュアル系全盛を経験した(とはいえ、ライブに行ったことはない程度。今回はその視点と思って欲しい)筆者は同世代の友人と共にDLしたのだが……。
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— EXTASY VISUAL SHOCK【公式】 (@extav_official) February 24, 2022
⚡ダウンロードランキング1位⚡
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App Store無料ゲーム ダウンロードランキング👑1位👑!
皆様からの沢山の応援、ありがとうございます!
明日のリリースまでもう少しお待ちください。
引き続き #EXTAV をよろしくお願いいたします。
▼DLはこちらhttps://t.co/RoagG0SBs8 pic.twitter.com/EdH5QYZKhQ
長期メンテナンスを終えて3月31日に始まってみると、2月に燃えていた友人たちは興味がさめており周りは誰もプレイしていない悲しみ。
まあ、自分も興味が失せかけていてプレイが続かなかったのだが……意を決してやってみると、これが本当にファン向けで、良かった。
まあ、自分も興味が失せかけていてプレイが続かなかったのだが……意を決してやってみると、これが本当にファン向けで、良かった。
というか、メインに見えるリズムゲーム部分よりも、ストーリーモードが最高に筆者の心をつかんだのだ。
もう、ストーリーモードがメインでいいと思う(断言)。
もう、ストーリーモードがメインでいいと思う(断言)。
実写のタレント系ゲームは会話劇を繰り広げられてもしらじらしいものになりがちだが、『EXTASY VISUAL SHOCK』のストーリーモードは違う。
起動してみると、インタビュアーの質問に答え、X JAPANのYOSHIKIがヴィジュアル系のヴィジュアル系の起こりを語り始め、そのままバンドの歴史を語り始める。
▲ちなみに、チュートリアルはYOSHIKI直々にやってくれる。一世を風靡した芸能人がソシャゲのチュートリアルキャラをやっているのがシュールで笑えてしまう。
そう、本作のストーリーモードは、一世を風靡したバンドの結成、解散、再結成など、バンドの歴史をGLAY、X JAPAN、LUNA SEAのメンバー自身が振り返る「バンドのストーリーを語るモード」だったのだ。
一時代を作った人間が、時代を語る。ここに価値がある。
平成時代の「メジャーに行くとダメになる」とか「汚い音がが若者を騙す」的な世界観が、令和に、当事者の口から語られる衝撃。
「俺たちは絶対にメジャーに魂を売らない」。
当時、この言葉をどこでも聞いた気がする。
この、昔と変わらないノリ!
「俺たちは絶対にメジャーに魂を売らない」。
当時、この言葉をどこでも聞いた気がする。
この、昔と変わらないノリ!
GLAYが上京ライブ時、裏でYOSHIKIとLUNA SEAがライブをしている影響で客が5人しかいなかったことを「XパイセンとLUNA SEAパイセンが……すぐあの人たち若い芽を摘むから(笑)」と語るなど、3バンド合同アプリだからこそ問題ないし、クスリと笑えるトークも。
▲GLAYのメンバーが後から加入したJIROに金を借りた話とか、仕事しながらバンドしていた話とか、下積み話もある。
LUNA SEAの360度ドラム、HIDEの死について語る映像など、バンドにとって歴史的なイベントについてもフォローしており、一時代を築いた複数のバンドが語る様子は資料価値は十分。
長い間バンドをやっているだけあって参加者のトークも面白く、コアなファンでなくとも当時にGLAY、X JAPAN、LUNA SEAなどのCDを買ったことがある程度でもかなり楽しめるだろう。
▲ヒット曲を歴史順に振り替えるようなムービーも。全体としての不満を言うと、X JAPAN の TOSHI が登場しないのが残念だが……このあたりは、最近の活動の様子を見ると仕方ないのかもしれない。
こういったトークはファン向けの特典から再収録ばかり(最近だとEXILEの音ゲー『EXtreme LIVES』がそうだった)が、本作に関しては取りおろし新規ムービー。
3バンド均等に、結成、メンバーの変化、古い時代から順番に順序だててわかりやすくストーリーが語られていく。
オリジナル映像は全編で3時間以上を配信予定で、この手の映像DVDが1時間で5,000円だと考えると、3時間分を無料で提供するストーリーモードの価値はすさまじい。
なお、ストーリーモードを見るためにはゲームを遊んでプレイヤーランクを上げる必要があるが、バースト(時間でチャージされるエネルギー)を消費すると1プレイで最大通常の7倍の速度でプレイヤーランクが上がるため、わりと手軽にストーリーを見られる。
一方、ゲームのメインとなるリズムゲームパートは、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』などと同じ、ガチャでキャラクターカードを集め、育成し、5枚でデッキを組んで臨む方式を採用している。
▲キャラクターカードは過去のイベントなどにちなんだ写真が使われている。
画面上から落ちてくるノーツと画面下のラインが重なったときにタップ・長押し・スワイプして捌いていくオーソドックスなシステムとなっている。
体力制を採用しており、ミスをすると体力が減っていく。
体力がなくなるまでに曲が終われば報酬が手に入り、体力がなくなるとやり直しとなる。
画面を押したタイミングがリズムと一致しているほどスコアが多く加算されるが、基本的にはカードが十分に育っていないとスコアは低いままとなってしまう。
一方、曲をバックに遊ぶだけならだれでも楽しめるようにできており、音ゲーのなかでも押すタイミングの判定は緩めで、譜面も比較的優しい。
▲コンボはスコアに影響しないため、コンボが途切れても気にしないでよい。
遊び心地としては、オーソドックスなシステムで楽しめるし、参加バンドのライブ映像をバックにライブ音源が鳴るという点は良い。
一方、リズムゲーム化を前提に収録されたものではないから音に違和感が残るときもある。
単純にリズムゲームとしてみると、良くも悪くもファン向けか。
まとめていこう。
本作はGLAY、X JAPAN、LUNA SEAの3バンドの曲を、ライブ映像とともに楽しめるリズムゲームで、楽曲は出し惜しみなしに当時の人気曲が次々と投入されている。
ストーリーモードは3バンドの当事者が現在の視点で、バンドの結成や哲学、デビューから解散、復活まで節目のイベントについて振り返り、語るものとなっており、「バンドのストーリーを当事者が語る」興味深いものとなっている。
リズムゲームとしては比較的簡単だが、単にストーリーを見たいだけなら多少プレイしてからオートモードで再生し、MVを見てはストーリーをつまむようなプレイも可能。
音ゲーも楽しめるファングッズとしてみるとバリューは高い。
ゲームが苦手なビジュアル系ファンも、参加バンドのCDを買っていた程度のカジュアルなファン層も楽しめるアプリとなっているので、当時のファンには超・おすすめだ。
アプリを見ていくと、現在参加している3バンド以外をにおわせる項目があるので、今後はL'Arc-en-Cielなどの同じ時期に活躍していたバンド、ゴールデンボンバーなど新しいビジュアル系の系譜がそこに加わってくることもあるのだろうか。
そのときに、またストーリーが実装されるのか、今から楽しみだ。
プレイ動画:
概要:
GLAY、X JAPAN、LUNA SEAが参加するライブ映像・音源によるビジュアル系リズムゲーム。新規取り卸しでバンドの歴史を語るストーリーモードが熱い評価:6(面白い、ファンなら6以上)
おすすめポイント
+ 一時代を築いた3バンドによるリズムゲーム、人気曲が勢ぞろい
+ ストーリーモードの資料性と面白さ
+ 比較的簡単で、音ゲー初心者でも入っていける難易度
気になるポイント
- 曲によっては音が気になることがある
- TOSHIがいない(HEATH、PATAは後から参戦予定)
アプリリンク:
EXTASY VISUAL SHOCK (App Store 無料 / GooglePlay 無料)
開発:Gree(日本)
レビュー時バージョン:1.0.5
課金:ガチャ、バースト購入など
ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中。