決断のときだ。
あなたの宇宙船から、奴隷からの解放を求めて密航したドギー種の少女が発見された。
彼女を殺して宇宙に捨てるか、リスクを承知で宇宙船の一部を破壊してでも同重量の物体を捨てることを選ぶか、どちらかを実行しなければ破滅が待っている……。
インディーゲーム制作サークル旧世紀網膜博物館より、SFローグライト・アドベンチャー『霜夜ゆく』が App Store 向けにリリースされた。
『霜夜ゆく』は、トム・ゴドウィンのSF小説『冷たい方程式』に代表される、密航者による従量増加に悩まされる「方程式もの」と呼ばれるジャンルのアドベンチャーゲームだ。
本作は宇宙船から荷物を捨てるパートと、もう1つは惑星を旅して血清を届けるサバイバルアドベンチャーパートの2つで構成されている。
プレイヤーは銃を持っているし、密航者を撃って廃棄すれば終わりではあるのだが……。
「私にできることならなんでもします。ご飯を作ったりとか。」
「お掃除とかも、できます」
「お歌とかも、歌っちゃったりできますよ?」
という、あざとい可愛さ。
情にほだされて(1回目は廃棄したら、即座にエンディングになった)荷物廃棄を選ぶと、苦難の始まり。
一定時間内に荷物を捨てきれなければ宇宙船は航路を外れて任務失敗となる。
しかし、無事に荷物を廃棄して惑星に降り立ってもランダムにマップを旅して血清を運ぶサバイバルパートが始まり、適当に荷物を捨てているとサバイバルグッズが足りずに倒れる二重苦。
なかなかに、手ごわい冒険が待っている。
少女の会話文はかわいいだけでなく世界観を感じるし、プレイヤーの創意工夫によって荷物を制御できるパズル性もあり、選択肢が豊富なサバイバルアドベンチャーとして最初の40分はかなり楽しめた。
120円でこれは安いと思うので、コンセプト重視のインディーゲーム好きの方にはおすすめだ。
アプリリンク:
霜夜ゆく (App Store 120円)