そんな仰々しい言葉と共に送り出された謎解きゲームが、フランス Littlefield Studio の『Machinika Museum』だ。
何を都合の良いことを……と思いつつも、プレイして見ると確かにその通りで驚かされた。
リアルな質感の機械をいじって見て楽しむ『The Room』の良さ、謎解きを通じてストーリーを感じる『MYST』の良さが、1本のゲームに確かに詰まっている。
謎解きゲームが好きなら、本作はお勧めだ。
舞台は地球外文明の残した機械が発見され、博物館に寄贈されることが普通になった未来。
地球外文明の機器を修理する仕事しているあなたの元に、いつものようにまた機械が届けられるが……今回は送り主は不明、機器の用途も不明。さらに緊急依頼ときている。
悩んだあなたは、しかしその機械を修理することで、機械の正体を見極めることにした……。

本作のプレイは、基本的に『The Room』のような謎解きゲーム形式(脱出ゲームに近い)と同じ仕組みを採用している。
基本的にはこれがすべてだが、『Machinika Museum』はそういった操作、操作を通じてプレイヤーが得るものがある、という点が素晴らしい。
物体の質感が作り込まれており見て楽しく、箱から機械を取り出す瞬間は常にワクワクする。
機械類は見た目がリアルなだけでなく機構まで作り込まれていて、謎を解くたびに細部が動いてプレイヤーの目を楽しませる。
3D プリンターの修理から始まり、修理していく装置の1つ1つから全貌が見えていく物語性。
英語を読まなくとも(というか読める必要はほぼない)、装置を修理しているプレイを通じて物語が語られ、結末が想像されていく。

英語を読まなくとも(というか読める必要はほぼない)、装置を修理しているプレイを通じて物語が語られ、結末が想像されていく。

制作者が影響を受けたと明言しているとおり、『The Room』に影響を受けた“見て楽しい”謎解きの報酬メカニズム、『Myst』に影響を受けた物語の伝え方が融合し、新旧の名作の長所が融合したゲームとなっている。

海外ゲームはエンディングがあっさりしていることが多いが、物語の最後を伝えるために力が入っており、プレイ後の満足度も高かった。
謎は簡単だがヒント機能がない(この手のゲームは調べる場所を見逃すと詰まってしまう)こと、謎がやや単調であることを考えると全体の評価としては前出の作品に1段劣るが、それでもこの手のパズルゲーム(とくにプレイが『The Room』なので、それ系)が好きならおすすめ。
英語ができなくても物語、謎解きともに問題はないので、ぜひ手に取って遊んで欲しい。
プレイ動画:
概要:
異文明の謎の機械を修理していく謎解きゲーム。装置の質感と機構が作り込まれており、謎解きのたびに動いて見て楽しい。また修理を続けることで結末がぼんやり見える物語も良い。評価:7(面白い)
おすすめポイント


気になるポイント


アプリリンク:
開発:Littlefield Studio(日本)
販売:Plug In Digital
レビュー時バージョン:1.0.6
課金:500円
ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中。