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ゲーム制作に使えるキャラクターも自動生成。PFN、2D・3Dのデジタル素材作成システムを発表

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株式会社 Preferred Networks(以下、PFN)は、好みのキャラクターや高精細な3Dモデルが簡単に生成できるデジタル素材生成システムを開発したことを発表した。
このデジタル素材自動生成システムはキャラクター自動生成・高精細3Dモデル生成の2機能で構成されおり、それぞれの実例が公開されている。
私が軽く見たところ、ゲーム制作素材として充分に使える……どころか、有償で依頼するイラストのレベルまで達しているようで、ゲーム制作をより手軽なものにする可能性を感じたので、今回紹介したい。

1つめのキャラクター生成プラットフォーム Crypko™(クリプコ)では、深層学習を利用したシステムにより、指定した顔パーツ、表情、髪の色などに合った CG を自動生成できる。
これまでは顔生成が対象だったが、上半身まで高い解像度で生成できるようになったという。
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▲イラストの多様性があるならば、予算のないインディーゲームなどは瞬く間にこれを採用するのではないだろうか。また、男は作れるのか、気になる。

なお、本技術はかなり前から発表されており2020年6月には AI がキャラクターを生成するだけでなく、2Dイラストを動かすでも動画も公開されている。
使用されているのはゲーム業界ではお馴染みの M2 社の モーションツール『E-mote』(LIVE 2D と同じくイラストを動かせるツール)。


高精細な3Dモデルを制作するシステムは、実物アイテムを専用3Dスキャナーに配置して撮影することで、高精細な3Dモデルを簡単に自動生成するという。
様々な材質や大きさの被写体に対応しており、小型のアイテムであれば、約6時間の撮影作業で当日中に200点以上の3Dモデル化が可能とのこと。
生成した高精細3Dモデルは市販の編集ソフトで自由に加工・複製し、映像作品やゲーム等で使用できる。
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本発表と同時にバーチャルシンガー HACHI さんの楽曲『20』の短編動画も公開されている。
動画中の主人公はキャラクター自動生成システムによるキャラクターを元にデザインされ、スマートフォンや背景の文房具などは実物から本システムを用いて生成された3Dモデルが元になっている。


なお、ギター CG 制作過程では細部の質を上げるため外部クリエイターと共同作業しているとのこと。
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▲動画内で使われたギターと3Dアイテム。

デジタル素材自動生成システムは、経済産業省の令和元年度補正予算「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金(J-LOD)」第4弾の採択事業として開発されたもので、PFN はこれをもってアニメーション、映画、ゲーム、広告等の制作を支援していくという。

実際、サンプルキャラクターイラストが偶然に見栄え良く生成できたイラストでなければ、安い素材よりよっぽど良いし、システムに制作を任せれば他のゲームと差別化もできるかもしれない。
利用料金次第では、ゲーム制作に驚くべき変革が訪れるかもしれない。

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