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弁当を作ること、作る意味は? 弁当作りパズルで母子の愛を描くゲーム『隠弁当 -inbento-』レビュー

隠弁当 -inbento- (App Store 370円 / GooglePlay 320円)
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弁当。
小さい弁当箱の中に彩り豊かな食べ物が詰め込まれ、ときにはキャラ弁と言われる絵を描いたものもあり、日本の文化として世界で注目されている弁当。
これに着想を得て、色彩豊かな弁当を作る技術をパズルゲームとして表現し、同時に弁当に隠された愛情を物語として語る『隠弁当 -inbento-』を本日は紹介する。
本作は弁当の容器にご飯やおかずを配置し、画面上の見本と同じものを完成させるパズルゲームだ。
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操作としては、画面下の食べ物ブロックをドラッグして、画面上の弁当箱に詰めるだけ。
ただし、栄養満点の弁当にするため、食べ物はすべて弁当箱に詰めなければならない。
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食べ物ブロックを置く順番は自由で、すでに食べ物がある位置に新しくブロックを置くと、後に置いたものが上に配置される。
ご飯の上におかずの鮭おけば鮭ご飯に、鮭の上にご飯おけば、食べると下からおかずが出てくる弁当になるわけだ。
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食べ物ブロックは複数繋がっていることがあり、これは分離不可能。
ただし、配置前にタップして食べ物ブロックを回転させ、配置角度は変えられる。

基本はこれだけで、パズルとしては難易度も低い。
しかし、9ステージ分の弁当を作るたびに新しい仕掛けも出てくるのでマンネリには陥らず、136ステージを楽しく遊べるものとなっている。
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見た目に楽しいパズルとしても楽しめる本作だが、ゲームを進めると弁当を作る母猫と、子供の様子がイラストで表示され、そこで語られるストーリーが何よりも素晴らしい。
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ゲーム開始時、母猫は若く、子供は幼い。
そして、弁当もシンプル。
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しかし、ゲームを進めるほどに弁当は大きくなって、さまざまなおかずが入るようになり、母猫の弁当作りは進歩していく。
そこに母の愛が詰まっている。そして、その愛を受けて子供たち健やかに成長していく。
おそらく、弁当文化の日本ではここで若い頃の記憶を思い出す人も多いのではないだろうか。
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ここからは個人的な話だが、私も昔は弁当をもって通学していた。
その頃の記憶が刺激され、同時に弁当パズルを解くことで弁当を作ることの大変さ、面倒さが想起され、改めて若い頃の母のありがたみを思い出す経験となった。
パズルをプレイすること、物語がそのまま重なってプレイヤーの心を刺激する作りになっているのだ。

同時に「ここまでしっかり育ててもらったのに、親孝行していなくて申し訳ない」という気持ちが湧き出てくる。
『隠弁当-inbento-』の名の通り、弁当に隠れたもの……弁当に隠れていた愛が心に響いてしまった。

普通にかわいいパズルゲームを探しているときも『隠弁当-inbento-』は良いのだが、弁当をもたされて通学していた経験があれば、きっと心にも染みる。
とくに、私のように『ウマ娘プリティーダービー』を遊んで母の誕生日を忘れて過ごしていたような親不孝者は。

プレイ動画:


概要:
弁当に食べ物を詰め込むパズルを通じ、猫の母子の愛情の物語を表現するゲーム。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
比較的難易度が低いが、退屈ではないパズル
弁当を通じて描かれる母子の愛情の物語

気になるポイント
親不孝者はやや心がキツくなるかもしれない…(私はかなり心に来たので、それを評価に反映している)

アプリリンク:
インベントウ (App Store 370円 / GooglePlay 320円)

開発:Afterburn Games(ポーランド)
HP:http://afterburn.games/inbento/
レビュー時バージョン:2.0
課金:なし

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中