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ロシアにてOSとマーケットを分離する法案提出。App StoreやGoogle Playなど手数料上限20%、外部アプリストアの自由化案が盛り込まれる

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アプリ配信自由化・手数料引き下げをめぐる Apple、Google と Epic Games の争いが報じられて久しいなか、ロシアにてより決定的な動きが発生しようとしている。
ロシア下院にて、OSの提供者とアプリマーケットの提供者を分離し、マーケットプレイスの手数料上限を定める法案が提出されたのだ。
この法案は非常に強力で、これが成立すれば Apple や Google はロシア国内でサードパーティー製のストアを認めざるを得なくなる。
また、App Store や Google Play、PCのSteamなども巻き込んで手数料上限が20%となる。

法案の概要は下記のようになる。
1.オペレーティングシステム(以下、OS)提供者は、携帯電話、タブレット、コンピュータ、その他OS使用するデバイスにインストールされた第三者のマーケットプレイスをインストールすることを制限または禁止してはならない。

2.OS提供者は、そのOSを使用する携帯電話、タブレット、コンピュータ、その他の装置に第三者のソフトウェアをインストールすることを制限してはならない。

3.ソフトウェアのライセンスを販売したり、サブスクリプションでの使用権を販売する、アプリ内でアイテムを購入する場合、マーケットプレイス所有者が請求する手数料(付加価値税を除く)最大で販売価格の20%までに制限される。
さらに、マーケットプレイスの権利者または所有者は、この最大20%の料率の1/3を四半期ごとの料金のコンピュータ技術のトレーニング特別基金に送金するものとする。

4. マーケットプレイスの所有者は、四半期ごとにロシア連邦の領土内での販売レポートをマスメディアに掲載する義務を負う。

5. マーケットプレイスの所有者による報告は、四半期の終了後1カ月以内に行う。
ロシア政府文書より、翻訳は知人の第三者によるもの
簡単に言えば、

・OSの提供者はアプリのインストールを自由化しなければならない
・誰でもアプリマーケットを作れるが、手数料は上限20%まで
・マーケットは四半期ごとにロシア国内の販売データを公表しなければいけない
・最大20%と定められた手数料のうち、1/3はロシアの技術者基金に寄付

という、とてつもなく影響がでかいもの。
OSという区分を広くとるのであれば、XboxやPlay Stationなどのゲーム機ですらマーケット解放が必要になるかもしれない。

2019年のロシアでは、Apple がペアレンタルコントロールアプリを、プラットフォームの権限を利用して不正に削除したことが問題になっており、ロシア連邦反独占庁は2020年8月28日に Apple が App Store において反競争行為を行ったことを認定している。
その流れで何かしら起きるかと思っていたが……単純に Apple の独占に対して対応するのではなく、根源となるOS 提供者とマーケットプレイスの分離をやってしまおう、というのが本件の意図のようだ。

だが、こういったことが行われると特にスマートフォン上ではセキュリティリスクが増大する。
本当にこれが施行されるとなると問題が大きく発生してしまうが……どこに落ち着くのか、スマホゲーマーとしても目を離せない。