小学生のころ、かわいいレミング（ネズミ）たちに指示を出してゴールに導くパズルゲーム『レミングス』というゲームを遊んでいた。
レミングたちはプレイヤーを信じて、ときに仲間のために自爆し、行進を続ける。
そんな健気なレミングの姿に感動して……と書ければよかったのだが、そんなことができたら遊びまくるのが子供というもの。
当時の小学生たち（私の周囲）は、レミングを自爆させ、谷底に突き落として遊んでいた。
そして2019年になって、新作の『レミングス』が出てみると……レミングはよりかわいくなり、残酷な自爆機能は削除され……わかるよ、今の時代に出そうと思ったらそうなる！
でも、昔懐かしい遊びができない。そんな私の前にやってきたゲームがレミングをゾンビに置き換えた『Zombie Night Terror』である。
基本的なルールは『レミングス』。しかし、ゾンビなら自爆しても谷底に落としても問題ない。これが現代に許された「汚いレミングス」だ！
ゲームは映画館でB級ゾンビ映画を観るという仕立てになっており、メニュー画面は映画館、ステージ決定画面は映画館内。
この導入からして結構良い。
でもって、ステージを選択するとまずはチュートリアルを兼ねた物語が始まる。
この世界で流行りつつある新型のドラッグ“ロメロ”。
これを服用した若者たちが……。
ゾンビとなり、映画館周囲の人々を襲い始める！
ゾンビに噛まれた人間もまたゾンビとなり、被害は拡大してこれは世界的な災害となっていく。
▲ゲーム中、往年のB級ホラー映画を意識したストーリーが展開する
そして、そのゾンビ災害を広げる……というより、ゾンビの意志そのものがプレイヤーだ。
『Zombie Night Terror』は決められたミッションを達成するステージクリア型のパズルゲームとなっている。
一方、チャレンジミッションは趣向を凝らしたものになっており、ゾンビが氾濫する中で殺人鬼が女性を監禁しているのを助け出す（でもそのままゾンビにする）など、隠し要素を見つけるような面白みのあるミッションも。
ただ、これらの行動はプレイヤーの指示なしでは達成できない。
ゾンビは近くに人間がいれば襲いかかるが、基本的には前進しかしない。
壁にぶつかれば移動方向を反転し、谷があればそのまま落っこちてしまう。完全に脳が腐っていて、本能でしか行動しないのだ。
▲ゾンビは直進しかしない。このままだと落ちてしまう……。
だが、プレイヤーがエネルギーを消費するとゾンビを突然変異させて、これを打破できる。
突然変異には大まかに2種類のものがあり、1つはジャンプさせたり、自爆させたりと1回限りの命令を行うもの。たとえ1度きりの命令であっても、1匹でもゾンビを送り込めばあとは増殖する。自爆で扉を破壊して道を切り開けば、あとはゾンビがなだれ込んで人間を食べてくれる。
▲ジャンプして谷間を抜けた！1体でもゾンビがいれば、人間を噛んで無限に増える。それがいいトコロ。
大量のゾンビに命令したいときは、ゾンビの進化させてより行為の存在にする進化が役立つ。
なかでもゾンビのリーダーを作り出す進化は重要で、ゾンビのリーダーは動けないが1度作り出せば永続的に触れたゾンビに指令を下せる。
リーダーに触れたゾンビは移動方向を変えるとか、ジャンプするとか、群れを制御するには必須。
▲ゾンビの群れが、リーダーによってジャンプしまくる！大量のゾンビを谷底から人間のいる地域まで送りだぜ。
また、壁を登るゾンビ（バイオハザードのリッカーだ！）を作ったり、巨大で人間の銃弾を跳ね返すゾンビを作ったりと、状況に応じてさまざまな進化を選択し、人間たちの社会を破壊するのはパズル的な面白さでもあり、快感でもある。
難しそうに見えるかもしれないが、実際に遊んでみると進行に応じてニュースキャスターが解説してくれるので、クスリと笑いながら無理なく学習できるはずだ。
しかし、ゾンビは1体いれば増えるから「どうやってあそこに1体送り込むか」みたいな計算や、「ここで5体倒れても遠くで10体増える」みたいなソンビ算が楽しめる。
不謹慎だが、ネズミがゾンビに置き換わるだけで、パズルとしての面白さは確実に増している。
そこにB級映画オマージュだったり、コマンドを利用したアクション要素だったりがぶち込まれて、
▲機械が人間に反逆！そしてゾンビたちと戦うなんて展開も。
パズルゲームが好き、レミングスのルールが好き（かわいくないので注意）、ゾンビ映画好き、どれかに当てはまるならまず遊んで損はないので、ゾンビを指揮して人間を根絶やしにしよう。
概要：
行進するゾンビにピンポイントで指示を出し、人間たちを追い詰めるパズルゲーム。B級映画のオマージュ物語・ネタ要素も面白い。
評価：8（かなり面白い）
おすすめポイント
B級映画オマージュのネタ・物語
ゾンビに指示を出してミッションを達成するパズル性
システムを利用してアクション的なステージもある
気になるポイント
タブレットで遊べば超快適だが、スマホだと少し操作しづらいかも（操作できる範囲だが）
アプリDL：
Zombie Night Terror (itunes 400円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay / Steam)
行進するゾンビにピンポイントで指示を出し、人間たちを追い詰めるパズルゲーム。B級映画のオマージュ物語・ネタ要素も面白い。
評価：8（かなり面白い）
おすすめポイント
B級映画オマージュのネタ・物語 ゾンビに指示を出してミッションを達成するパズル性 システムを利用してアクション的なステージもある気になるポイント
タブレットで遊べば超快適だが、スマホだと少し操作しづらいかも（操作できる範囲だが）アプリDL：
Zombie Night Terror (itunes 400円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay / Steam)
開発：NoClip （フランス）
販売：Plug in Digital
HP：https://www.zombienightterror.com/レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
ライター：ゲームキャスト トシ
課金:なし
ライター：ゲームキャスト トシ
動画：
