中国ネットイース開発、スクエニパブリッシュの新作RPG『叛逆性ミリオンアーサー』。
「これ、どんなゲームなの?」と聞かれたので、ちょっと遊んだ感想をここに書いておく。
簡単に言えば、大勢のプレイヤーがサーバーに集まってモンスターを退治する『リネージュ2 レボリューション』系の中華MMORPGの『ミリオンアーサー』版。
キャラ萌え的にはそれでよくなったところもあるし、同時にシステムで少し無謀なオリジナリティがあって辛かったりもする。
タイトル画面で目立つ「サーバー1」の文字。
そう、これはサーバーが分かれる中華MMORPGである。
起動時にはネットイースのロゴ。
PS3 時代から、家庭用ゲームでも多くの AAA と呼ばれるタイトルの仕事は中国に割り当てられてきたし、それを蓄積してきた中国の技術力は高い。
とはいえ、スクエニのゲームでネットイースロゴが出てくるところに「来るべき時代が来たなぁ」という感慨がある。
実際、キャラクターグラフィックはなかなかのもの。しかも、見た目のわりに動作も軽い。
スクウェア・エニックスにはこういった路線が求められていたと思うのだが、ネットイースと提携することで(スクストやメビウスFFなどの内部制作作品を除いて)、やっと期待通りのものが出てきた気がする。
▲萌えだけでなく初期のMAにあったような物語のシリアスさもある。
写真機能もこれだけグラフィックが良いと、無駄に街中でキャラクターを拡大して良いショットをとりたくなってくる。このグラフィックが交響性にあったら……!
ストーリーにまつわるムービーシーンでは、ニコニコ動画のようにコメントをつけて弾幕を張る機能もあって、とってもネットイース。
で、ゲーム進行を見ると、最初に書いた通り中華MMORPGになっている。
プレイヤーは魔術師や騎士など6人のアーサーから1人を選んで、お供妖精と共に「●●へ行け!」「××を何対倒せ」などのクエストをこなして成長し、最後には騎士団に所属しての競争が待っている。
▲6つの武器、6種類のアーサー。
クエスト移動はボタンを押せばオートで進む。
ただ、調査イベントはプレイヤーが操作しなければゲームが進まない個所もある。少しはプレイして欲しいという意思表示なのだと思うが、申し訳ないが単に面倒でいらない特徴だと思ってしまった。
ただ、そこは些細なところで最も大きく違うのはバトルシステムだ。
ビジュアルとしてはバーチャルスティックで移動する後方視点のゲームで、絵的な迫力はかなりのもの。ここはいいところ。
次に、画面右下のキャラクターの顔が入った場所……これが攻撃などのボタンなのだが、この扱いがすごく独特。
▲アクションの気持ち良さはいまいち。
各ボタンにはガチャから出る騎士カードが割り当てられており、ボタンを押すと騎士カードの持つスキルが使用できる仕組みとなっている。
つまり、ガチャから様々なスキルが提供されて、それを使い分けられるけだ。
プレイ中は時間と共に“Cost”が蓄積していき、この Cost を消費することで装備しているスキルの能力を使用できる。
攻撃も、回避も、すべては騎士のスキルとして設定されており、Cost と クールタイム(スキルの強さに応じてCostと別に使用後の待機時間がある)を考えてスキルを装備する仕組みになっている。
▲6職業あるが、職業別ガチャがあるので1職業遊ぶだけなら安心。
単体攻撃も、強力な複数攻撃技も、回避や防御ですらスキル。
何度でも連打できる“通常攻撃”はクールタイム0、強力なスキルなら30秒以上待つものもあって、特徴もある。
コマンドをすべて制御できるのは斬新だし、使い分けられるようになったら面白いのかもしれない。
コマンドをすべて制御できるのは斬新だし、使い分けられるようになったら面白いのかもしれない。
しかし、脳死でレアリティの高い MR カードをぶち込むと、Cost と クールタイムの大きさで「5秒に1回しか攻撃できない」キャラクターが登場するわかりづらさもある。
▲ガチャをした直後の序盤で基本攻撃を忘れると、役立たずが生まれる。
一方、主人公と一緒に旅するお供妖精(中華MMORPでいうペット)の好感度を上げて交流を図るなどのシステムは、ビジュアルの向上も相まって破壊力抜群。
中華RPGを、うまく日本RPG的な解釈に収めている。
『リネージュ2 レボリューション』のようなゲームはハマれば面白い。しかし、誰もがあのビジュアルで遊びたいわけではない。
そういったところに、アニメチックな『叛逆性ミリオンアーサー』を遊ぶという選択肢はあり……だと思うのだが、序盤2時間を遊んだところでは中華的な部分と、日本的な部分のすり合わせ、新しいシステムがうまくいかずにちぐはぐになっているように感じた。
特に育成周りが複雑で中華MMORPGなどでは「レベルアップ」でスキルを得て、「お金」で能力育成をするところ、スキルをガチャから得て、カード合成で育成して、さらに進化までさせなければいけない。さらに、別途装備を得て強化する「錬金」の要素もある。
また、通常攻撃にも属性要素があるから、序盤から「うーん、なんかダメージ低いな」という状況が出てきたり、付け替えの面倒さも生まれる。
課金ガチャとキャラクターを無理やりにMMORPGに当てはめて、わかりづらく、面白みが薄くなってしまった感じがある。
ということで、読者の皆さんにはお勧めしない。
ただ、ブリギットちゃんがかわいいので、まかり間違って続いたらちゃんとレビューする。
つまり、妖精と交流したい人は試してもいいのかも……しれない。
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