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日本発、世界でヒットしたドイツゲームが日本語対応で待望のアプリ化。珠玉のパーティーゲーム『Love Letter(ラブレター)』レビュー

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「俺、姫様のことが好きになっちまった!」
お姫様に恋したプレイヤーが、協力者の助けを得てラブレターを届け、その心を射止める……なんともほのぼのしたテーマのドイツゲームが『Love Letter(ラブレター)』だ。
このゲームは、大勢で集まって遊ぶと盛り上がるパーティーゲームなのだが、アプリ版では必然的にオンライン対戦、CPU対戦で遊ぶことになり盛り上がりに欠ける。
だから評価は5としているが、今回は紙版を含めて紹介するので、最後まで記事を読んでから買うか考えてみて欲しい。
ゲーム内容の説明に入る前に少し、『ラブレター』のヒットについて語っておきたい。
このゲームは元々、500円で販売できる同人カードゲームを作る「500円ゲームズ」企画に影響を受け、日本のボードゲーム作家カナイセイジさんが2012年にゲームマーケットで販売したものだ。
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▲公式ページより

安い。だが、中身を見ると少ないカード構成の洗練された作りで、出来は良かった。実際、ここから2014年にはアークライト社からカードを追加した商業版が出て、その年のドイツゲーム賞4位を獲得。
さらに、ドイツ年間ゲーム大賞に推奨リストにも入って世界的なゲームになってしまった。
どのぐらい世界に通用したのかというと、あの『バットマン』やら『アドベンチャータイム』などの人気作品とのコラボバージョンが出ているほど。
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とくに『アドベンチャータイム版の『ラブレター』は本当に可愛くて、日本でも売って欲しいほどキュート。
日本のドイツゲーム制作者が注目されるきっかけにもなったと言うが、それも納得の人気度である。
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なお、コラボ製品はどちらもプレミアがついていて日本で買うとAmazonで15,000円ほど、米国Amazonでも$80(9,000円ぐらい)してしまう。こんな世界的ヒット商品のアプリ版が『Love Letter』だ。
ここまで説明すると、さすがに内容が気になってこないだろうか?
あ、ラブクラフトコラボなら手軽に召喚できる(買える)ぞ!
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▲ラブクラフトレター。2,000円未満で買える(Amazonより)

さて、それではルールを説明していこう。
ゲームとしては2~4人用で、各プレイヤーは手番になったら城にいる協力者にラブレターを運んでもらい、お姫様に届けれたプレイヤーが勝利となる。
プレイヤーは手番が回っていたら、山札から協力者カードを1枚引く。そして、元から持っている1枚のカードと見比べ、どちらか1枚の協力者カードを選んでその助けを得られる(カードの効果を使える)。
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例えば衛兵。
彼の協力を得ると、特定のカードを持っているプレイヤーを城から締め出してくれる。
例えば、大臣が他のプレイヤーのラブレターを持っていると思ったら、「大臣!」と言って指定すると、大臣は衛兵に阻まれて城から追い出され、ラブレターを渡せなくなるわけだ。
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僧侶なら伏せられているカードを見て、どの協力者が他のプレイヤーのラブレターを運んでいるか知ることができる。
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協力を得たカードは表になって場に表示され、残った協力者カードは手札として残る。この残った協力者は、プレイヤーのラブレターを持っている扱いとなる。
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▲場に出たカードの枚数などを一覧で表示することも可能。この機能はオフにもできる。

で、これを各プレイヤーが順番に繰り返し、最後の1名になったプレイヤーか、最後のカードが場に出たときに1番点数の高い協力者がラブレターを持っているプレイヤーが姫にラブレターを渡し、思いを遂げて勝者となる。
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▲各協力者カードには点数がついている。最後になるほど高い点数のカードを所持したくなるが、衛兵にばれる可能性も高くなり、これが駆け引きになってくる。

このゲームを遊ぶと、世界で愛された理由がすぐ分かる。
ラブレターを姫に届けるかわいらしいテーマも良いし、登場人物が全員、それぞれのプレイヤーにとって姫との恋を取り持とうとする友人。優しいモチーフは誰にでも勧められる。
シンプルなルールも理解しやすく、16枚8種類のカード効果はすぐ全部暗記できる。
遊んでみると運が絡みつつも多少の推理性があって盛り上がり、5分から10分の短時間で勝負がつくから何度も繰り返し遊べる。
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▲ただ、アプリ版は海外の絵柄なのが残念。

さらに、テーマがラブレターだけに仲間内での旅行時などに話も弾む。人と対面して遊ぶとなんとも素晴らしいゲームに早変わり。旅行のお供に最適。
「3回負けた人は即興でラブレターの内容を考えて発表してください」とか、恥ずかしい罰ゲームだってできる(なお、筆者は負けたあげくハンバーグへのラブを語って逃げたことがある)。
もう、パーティーゲームとして最高でしかない。

一発で姫の心を射止めるラブレターとは、どんな内容だったのだろうか。
そんなことを語りつつ、ぜひ秋の夜更けに『ラブレター』を遊んでみて欲しい。

概要:
シンプルなルールで楽しめる『UNO』的なパーティーカードゲーム。

評価:5(楽しめる)

おすすめポイント
ラブレターがスマホで遊べる(オンライン対戦、ローカルの友人と対戦可)
すぐに理解でき、遊べ、そこそこ読み合いがある。

気になるポイント
絵が海外版、日本語訳も原作と異なる
オンラインがあるとは言え、対面で遊べないと魅力大幅減(なのでアプリ評価は5)

アプリDL:
Love Letter (itunes 480円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay / Steam)

開発:カナイセイジ(日本)
販売:Asmodee Digital(フランス)
HP:http://www.asmodee-digital.com/en/love-letter/
レビュー時バージョン:1.1
課金:なし
ライター:ゲームキャスト トシ

動画:


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