世界中で成功し、iOSだけで1日200万ドル(約2.2億)を売り上げている『フォートナイト』の Android版は今夏リリース予定だ。しかし、Google Playに『フォートナイト』は配信されない。Epic Games は、Google Playを使用せずにアプリを独自配信することを発表した。
Epic は独自に「フォートナイトのインストーラー」を配布し、プレイヤーは Google Play を経由せずにゲームをインストールすることとなる。
Google Play で配信しない理由について、TouchArcadeのインタビューにおいて、Epic Games の CEO、 Tim Sweeneyさんが語っている。
理由の1つは、「Epic は常にプレイヤーと直接に繋がりたいと考えており、デジタル配信が始まって中間代理店がもはや必要なくなった」ということ。
もう1つは、Google Play が徴収する30%の手数料は高く、内容に対して合理性がないことを挙げている。
ソニーや Microsoft のゲーム機では、プラットフォーム側が独自に技術サポート、マーケティングや宣伝も請け負ってくれる。だから30%の手数料を取られても問題ない。
しかし、スマートフォンの世界ではゲーム開発者が開発、運用、サポートまですべて行わなければならいという。
Epic が自らがダウンロードプラットフォームを運営してコストについて知見を得た結果、支払い処理とダウンロード処理、それに関するサポートを提供しているだけで30%は不適切であるという結論に達したとのこと。
実際、Epic が運営する配信プラットフォーム“アンリアル エンジン マーケットプレイス”の手数料を12%に改定する事を発表しており、その発言には根拠がある。
とは言え、Google Play には『Google Map』や『Youtube』などのアプリが独占配信されており、Androidユーザーは皆、それを利用するためにアカウントを作って支払い登録を行う。それをバックとしたユーザーベースには誰も逆らえず、開発者は文句を言えなかった。
だが、『フォートナイト』は Google Play を使わなくても十分に人を集められる大作であることを確信しているという。
日本でも『艦これ』が独自ストアのみの配信となっているが、ヒット作品の胴元からみると30%の手数料は大きすぎるのは間違いない。ガラケー時代の日本のキャリアプラットフォームなんて、もっともっと手数料が低かったのだから。
今回の『フォートナイト』に関して、Epic は「独自ストアではなく、インストーラーを提供する」と強調しているが、『フォートナイト』のプレイには Epic Game アカウントが必要だし、そこには支払い情報の登録機能もある。これが成功すれば将来的にはテンセント(Epicは中国テンセントの傘下だ)とその他のゲームを基本としたアプリストアの基礎が作られ、アプリの配信ストアも握れる可能性がある。おそらく、背後にはそうした野望も控えていることだろう。
『フォートナイト』の Android版がヒットし、第2第3のヒットが登場するようになると、この件を受けて App Store も Google Play も手数料を下げ、開発者が潤う……そんな展開もあり得そうだ。
アプリリンク:
フォートナイト (itunes 無料 iPhone/iPad対応)