心理学を学んだ開発者によって作られ、プレイヤーの精神を分析して変化するゲーム。
そんな面白いコンセプトのゲームが『Alter Ego』だ。
インディーゲーム展示会“TOKYO SANDBOX”で展示されたゲームの中でも、かなり際だって気になるコンセプトのゲームであった。
ゲームを開始すると“エゴ王”が語りかけ、心の迷宮の扉が開く。
迷宮にはフロイトの有名な言葉や自己分析や心理学に関わる言葉が次々と吹き出しで浮かんでくる。
そして、「自分意外に興味がもてない」などのセリフをタッチするたび、エゴが獲得できる。
そうしてエゴを獲得したら、エゴを消費して本を購入することでさらにエゴの獲得量を増やすことができる。
最初に買えるのは、「恥の多い生涯を送ってきました」で知られる太宰治の“人間失格”だ。
購入後はエゴの獲得量が増えるだけでなく、メッセージの中に「恥の多い生涯を送ってきました」など、本にまつわるものが追加される。
そうして書籍を買ってエゴの獲得量を上げ、エゴを貯めてまた新しい書籍を買う。
それ自体はスタンダードなインフレゲームのサイクルだが、『ALTER EGO』にはその先がある。
なんと、途中で精神分析テストが始まって、ゲームが変化するのだ。
▲分析結果がプレイヤーに開示される。
さらに、精神分析の結果をうけて迷宮内のメッセージが変化し、それを通じてプレイヤーに自分自身について考えさせ、哲学させていくゲームになるのだという。
書籍からの引用文も、その解析結果を参照して変化するとか。
精神分析テストはプレイ中に複数回行われ、長くプレイするほどにプレイヤーの精神を反映した内容となり、プレイヤー自身に哲学させることを考えているとのこと。
単なるインフレゲームかと思いきや、「何度も同じ事を繰り返しやる」ことを「プレイヤーにメッセージを届ける」方向に利用する『ALTER EGO』は、出たらぜひやってみたいゲームの1つである。
リリースは2018年夏の予定。楽しみに待っていたい。