未知の惑星を歩いて探索し、資源を集めて装備を強化し、行動範囲を広げて惑星の地図を作りきるとクリア……そんな未開惑星探検アドベンチャーゲームが登場した。
その名も、歩いて日本地図を作った歴史上の人物、伊能忠敬の名前からとって『INO(イノー)』。
あなたは未知の惑星を調査するメンバーに選ばれ、未知の惑星に旅立つ宇宙飛行士だ。
企業のため資源惑星の地図を作り、報告することが使命だ。
惑星にたどり着いたあなたは、他のメンバーに探索を任せて宇宙船で留守番することになるのだが……。
ほどなく、全メンバーの連絡が途絶えてしまう。この惑星は単なる資源惑星ではなく、危険な土地だったのだ。
あなたは他のメンバーを救助しなければならないが、銃も、バギーも、探索に必要なものを先に出たメンバーが持って出てしまっている。
あなたは、貧弱な装備のまま探索を進めなくてはならない。
そんな絶望的な状況のなかで惑星探索する不安と、未知と遭遇する不思議を提供するサバイバルゲームが『INO』である。
ハードな設定ながらゲームの操作は容易で、誰もが楽しめることも特徴だ。
画面は横スクロールの2Dで構成されており、基本操作はタッチで行きたい場所を指示するだけ。
惑星上には様々な資源があり、資源の近くで立ち止まっていれば自動で取得してくれる。
ただし、惑星上では時間とともにバッテリーが消費され、バッテリーがなくなると生命維持装置が停止してライフが減り始める。もちろん、ライフがなくなればゲームオーバー。持ち物を失って宇宙船からやり直しになる。
また、謎の宇宙生物が惑星地表を歩き回っており、あなたを見ると襲いかかってくる。攻撃を受けてライフがなくなってもまた宇宙船からやり直しだ。
▲生物の近くで足を止めると、自動的にバトルする。けっこう、ぶっしゅぶしゅ体液が出る。
無事、宇宙船に戻ることができると手持ちの資源を利用して武器や宇宙服を強化したり、バッテリーや薬などを“加工”で作り出すことができる。
『INO』は、こうして資源を集めては装備を強化し、行動範囲を広げていく王道のサバイバル探索ゲームとなっている。
ただ、本作において設定上の厳しさはあれど、“サバイバル”の難易度は低い。普段はあまりゲームをしない方でも楽しめるほどに簡単なのだ。
やるべきことがわからなくなったら、左上のMENUから携帯端末を見れば“目標リスト”でやるべきことを確認することもできるから迷うこともない。
▲目標は達成するたびにアイテムが貰えるので、とっておくこと。この機能はゲーム内で説明がない。
サバイバルゲームなのに、簡単。あまり死なない。
不思議なことに、それが本作をより面白くしている。
『INO』は未知の惑星を手探りで進む楽しさに焦点を当てて作られており、過度に死を意識せずにプレイすることで、探索の面白さが引き立っているのだ。
そもそも、ドット絵で描かれたマップは映えているし、音楽ともマッチしていて探索心を掻き立てるのだが……。
感心したのは、高温地帯や謎の生物たちのたまり場など、厄介な場所を巧みに配置していることだ。
どの場所もプレイヤーを効果的に驚かせつつ、勇気を振り絞って全身するたびに新しい景色が見えるように作られ、手応えを提供している。
油断しなければ倒れることはない(しかも、広告を見てコンテニューする仕組みもある)。
しかし、それはわかっていても危険そうな場所に進むときは腰が引けるし、そこをうまく踏破したときは満足感がある。
その面白さを例えるなら、生存が厳しい“サバイバルゲーム”に対して、“サバイバルアトラクション”とでも言うべきか。
遊園地のクルーズアトラクションに乗るとき、誰でも自分自身が安全であることは知っている。しかし、クルーザーに乗るときはワクワクするし、突然になにか出てくれば驚く。
『INO』は、そんな楽しいアトラクションツアーだ。
プレイ時間はだいたい2時間程度だろうか。
楽しんで、この世界観に慣れてきたころ、謎を残してすっと終わってしまう。明かされない謎もあるが、続きが欲しくなる物足りなさも含めて、本作の味である。
基本無料ゲームではあるがゲームバランスは買い切りゲームのようにスムーズで、課金圧は全く感じない。有料プランは広告削除、所持アイテム数拡張、ドローン(アイテムを宇宙船に転送できる)の3種類のみだが、その相場も安めだ。
とてもお手頃で楽しいアトラクションなので、ぜひ皆さんにも体験してもらいたい。
※iPhoneXでは進行不能な不具合があり、次回アップデートで解消される予定。
評価:6(面白い)
おすすめポイント
いい感じのドット絵と音楽
探検のワクワクを楽しめる。
気になるポイント
テキストが説明的で絵と音の世界観にマッチしない
明かされない部分もある(拡張に期待!)
INŌ (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
開発:FANTEC(日本)
レビュー時バージョン:1.1
課金:ドローン240円、アイテム枠拡張120円、広告非表示240円
ライター:ゲームキャスト トシ