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怪作! 生首が絶叫し、プレイヤーの脳に傷を残す生首ホラーアクション『私、転がります。』レビュー。『にゃんこ大戦争』ポノスの最新作

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『にゃんこ大戦争』を製作したのポノスから、エンターテイメントゲーム……を楽しませる前提でプレイヤーにまずトラウマを植え付ける悪趣味なアクションが登場した。
絶叫する生首を転がして育成する『私、転がります。』である。
正直、ポノスはもう成功して安定路線に入っていると思っていたのだが……本作はそんな思い込みを吹き飛ばし、私に『にゃんこ大戦争』以来のインパクトを与えた怪作である。
ゲームを開始すると、地面にうずもれる生首が表示される。
スワイプしても、タッチしても全く反応しない。これは、何ゲーなんだ……。
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しばらくいじっていると「長押しせよ」と画面に表示された。
言われるがままに長押しすると……うわあああああああぁあああ!
耳をつんざく大音量で生首が絶叫し、音圧で口と反対方向に生首が飛ぶ!
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いや、絶叫というのも生やさしい。地底の底から響くような、呪われた雄叫びが再生されてプレイヤーの脳みそに焼き付けられるのだ。
何も知らないで幼児が聞いたらトラウマになるかもしれない。それほどきつい声なので、ぜひヘッドホンで聞いてほしい(被害者が増えてほしい気持ち)。
ともあれ、これで本作は力強すぎる音波の反動で動く物理アクションだと判明した。
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画面を長押ししているときだけ雄叫びが発せられ、生首が口の向きと逆方向に移動していく。
生首が回転するので制御が少し難しいが、慎重にプレイすれば誰でもそれなりに遊べる程度の難易度になっている。
変化が少ないのでアクションだけを見るとゲーマーには物足りないかもしれないが、大丈夫だ。もう1工夫ある。
画面右横にある文字を見て欲しい。
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19歳「ペニオク詐欺に巻き込まれる」
20歳「ホームページを開設する」
生首の成長記録である。アクションステージを進むたび、成長して着々と積み上げられる生首の黒歴史。eSportsで活躍したり、生き別れの兄と再開したり、さまざまなルートがあり、これがまた意外に楽しめる。
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そうして、最終的に生首が通路から落ちるとゲームが終了し、成長度合いが記録される。
彼の人生をテキストで読み返すことも可能だ。断末魔の声、遺影の飾り方も含めてまたシュールというか、ずるい演出なので必見(必聴?)。
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ゲーム終了後は、月をバックにたたずむ木にプレイ中手に入れた魂を注ぎ、生首を育成することができる。
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▲生首が成長してからゲームを終わるほど魂が多く手に入る。アクションが得意なら一気にたくさんの生首を手に入れられて、ゲームが早く進む。

成長した生首は収穫され、新しいキャラクターとして使用できる。
生首のアクション性能はどれも変わらないようだが、それぞれに異なる叫び声を発するので怖いもの見たさでいろいろな生首を使うと好奇心が満たされる。
で、これが楽しくて延々とプレイしてしまうゲームが『私、転がります。』だ。
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ゲームの冒頭から想像以上に心に刺さる叫び声を聞かされ、気味の悪い生首を操作してシュールなテキストを楽しみ、新しい生首を手に入れては恐る恐るまた叫び声を聞く……。
『私、転がります。』は単にアクションが楽しいゲームではなく、悪趣味な「怖いもの見たさ」でエンターテイメントとして成立しており、他にはない独自の魅力を持っている。
変わったゲームを探しているなら本作は必携である。ただし、ちゃんと音を聞いてプレイしないと魅力はわからないので、イヤホンの準備だけは忘れずに。

評価:7(要チェック)

おすすめポイント
強烈な音声
怖いもの見たさで遊んでしまう仕組み
次々とネタが提供される成長記録

気になるポイント
アクションにはもう少し変化が欲しかった

アプリDL:
私、転がります。 (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:PONOS(日本)
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし

ライター:ゲームキャスト トシ