画面のすみずみまでかわいいで満たされた楽しいゲーム『はたらくUFO』レビュー。スマホでも衰えぬハル研究所の味
『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』などの作品を作ってきたハル研究所から、スマホ向けのゲームシリーズ“HAL Egg”として有料買い切りのアプリゲームが登場した!
今時有料で勝負をすることにも驚いたが、プレイしてみてさらに驚いた。これは、まさしくゲーム機のハル研究所のゲームである。
素朴に面白くて、明るくて、遊んでいるうちに幸せな気持ちになってくる……『はたらくUFO』はそんな素敵なゲームだ。
ある日、地球にやってきたUFO。
そして、その様子を遠くから見るオレンジ畑のおっちゃんだが……。
UFOに気を取られている隙に事故を起こして、荷物が散らばってしまう。
そんなおっちゃんを助けるのは我らがUFO。操作するのはもちろんプレイヤーだ。
UFOはバーチャルスティックで自由に移動できる。そして、荷物の上に来たらボタンを押すとクレーンゲームのアームのようなものが伸びて……ガシッと物をつかめる。
▲操作はバーチャルパッドとスワイプの2種類を選べるが、スワイプの方がおすすめ。
ゲームの世界は物理シミュレートされており、物を持っている間はその重さに引っ張られて操作が難しくなる。
さらに、クレーンの爪はほどほどの強さなので、高速で移動しすぎると反動で物が落ちてしまったりもする。
このあたりの調整はイライラするけども、ちょうどいい難易度と感じた。
そうして荷物の重さを考えつつうんしょ、うんしょと運び、白く光る荷物をすべて所定の位置に乗せれば“Worked Out!(お仕事完了!)”。
▲制限時間は守るといいことがあるが、守らなくてもクリアはできるので、誰でも安心してプレイできる。
成績に応じてバイトだいがもらえて、さらにステージ開始時にアイコンで表示される条件をクリアしていればメダルが授与される。
メダル授与の条件はテキストでは説明されないので、アイコンから類推する必要がある。全体的に簡単にわかるものばかりだが、ほんのちょびっと考えるときがあるのが楽しい。
そして、稼いだバイトだいで服を買って……。
UFOはバイト雑誌を見てはまた仕事をこなす。あとはこれの繰り返し。
プレイして感じたのは「さすが!」としか言えない雰囲気づくり。
主人公のUFOがかわいいのはもちろんのこと、荷物を持つたびに背景のキャラクターも動き、思わずにっこりしてしまうような温かい世界が構築されきっている。
初めて『星のカービィ』をプレイした時を思い出すほどの完成度である。これがハル研究所の世界か……!
▲UFOの動きや荷物の載せ方に合わせて一喜一憂する背景のキャラクターたち。細部に至るまで手抜きがない!
精密操作でパーツを配置してなぞの機械を作ったり、勘でバランスをとったり、とにかく素早く建築物を作ったりとステージのバリエーションも豊かで、ボリュームもそれなりにあって飽きないで遊べる。
よくできた3DSのダウンロードソフトをプレイしているような、懐かしい気持ちで最後まで遊ぶことができた。
終わってからしばらく、BGM中で繰り返される「は~たらくゆうふぉお~」というフレーズを口ずさんでしまうぐらいには洗脳されていて、「ハル研究所の目論見通りにプレイさせられてしまったのでは!?」というぐらいに楽しんでいた。
スマホで人気の短時間で脳汁が出るインスタントな面白さはないが、昔ながらの牧歌的な楽しさがあるので、ぜひ本作を遊んでみてほしい。
今後もハル研究所からは“HAL egg”というゲームシリーズの作品が出る。第1作でこれならば、今後も期待せずにはいられない。
評価:7(要チェック)
おすすめポイント
かわいい世界観
癖になる音楽
適度な難易度の積み上げパズル
気になるポイント
操作に不自由を感じる瞬間が時折ある
アプリDL:
はたらくUFO (itunes 480円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
開発:ハル研究所(日本)
レビュー時バージョン:1.0.0
課金:なし
ライター:ゲームキャスト トシ
動画: