![spacefrontier](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/b/9/b9601c6e-s.jpg)
なんだかんだ言って、博打は楽しい。
「狂気の沙汰ほど面白い」とは福本伸行さんの麻雀漫画『アカギ』で使われていたが、何かを賭けてギリギリの勝負をするのはシンプルに楽しいのだ。
しかし、ギャンブルで身持ちを崩すのは良くないから、私にとってはゲームが博打の代替品になることもある。
たとえば死んだらすべてを失うローグライクゲームで「この先に行くか、行かないか」などの選択がそれだ。
ゲームでは金を賭けずとも博打の緊張感を味わえる。
で、そんな博打の緊張感を見事に凝縮したゲームが『Space Frontier』である。シンプルなのに中毒性が高く、プレイヤーにギリギリの選択を突き付ける。
1プレイは30秒だが、始めると30分ぐらい止まらないミニゲームの見本だ。
ゲームを始めると、あなたのロケットが発射台に据えられている。
あなたは宇宙開拓事業の責任者で、その使命はこのロケットを限界まで高く飛ばすこと。ロケットが高く飛ぶほどに国から補助金が出て、研究開発がはかどるからだ。
![asIMG_0975](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/b/3/b3b17f77-s.jpg)
タイトル画面をタッチするとロケットが発射され、下の部分から燃焼を始めて短くなっていく。
ここで再び画面をタッチするとエンジンが黒い線で切り離され、ロケットはさらに推進力を得ていく仕組みだ。
![asIMG_0978](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/1/1/11680e1c-s.jpg)
もちろん、ロケットの噴射部が黒い部分に近いタイミングでエンジンを切り離すほど推進力が増えてロケットが高く飛ぶ。
エンジンの切れ目……緑色の部分と黒い部分の境に達したときとタップのタイミングが完全に合っていると、「PERFECT!」の表示が出て、画面が揺れて一気に加速する。
![asIMG_0986](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/3/c/3c7ff41b-s.jpg)
もちろん、エンジンの火が黒い部分に達すると即座に「BOMB!」。
補助金も全然下りない。
![IMG_0988](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/8/7/875fe453-s.png)
何段ものエンジンを無事に切り離したころにはロケットは空中高く飛び……。
![asIMG_0979](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/6/d/6d6a0e75-s.jpg)
最後のエンジンが切り離されたところで飛距離がスコアとして記録される。
高く飛ぶほどに空の表現が美しく映え、ここまで必死にタイミングを合わせてきたことが報われる。
もちろん、高いほど補助金もがっぽりである。
![asIMG_0982](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/f/6/f65d6b2c-s.jpg)
この説明だけでは「シンプルなタイミングゲームじゃないか」で終わってしまうのだが、実際にプレイするとその感想は変わってくる。
“PERFECT!”タイミングでエンジンを切り離す作業の中毒性が高すぎて、プレイが止まらないのだ。
本作のロケットは“PERFECT”タイミングでエンジンを切り離すたびに加速度的に飛距離を伸ばしていく。
PERFCETタイミングが100点だとしたら、その1つ下のAWESOMEタイミングは50点だ。それほど違う。
飛距離が出るほどにクリア後の風景が美しくなり、政府からの補助金も増える。
![space02](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/b/b/bbf7a88a-s.jpg)
▲補助金をもらいまくって12段ロケットまで行きました。
プレイヤーとしても絶対にPERFECTを出していきたいが、一回でも操作をミスすればロケットは爆発してしまう。
プレイが上手くいき、ロケットが加速するほどにジレンマがプレイヤーをさいなむ。
今、PERFECTが3回出ているから十分な補助金を得られる。しかし、4回ならもっと……もっと美しい風景を見て、膨大な助成金を得られる!
行こう、行くんだ。2位じゃだめなんですよ、1位じゃないと!
現金をかけているわけでもないのに、プレイヤーの心の中で壮絶なチキンレースが始まり、いつしか指は震え、心臓は脈を打つ。
で、無事に補助金を手に入れるとその金でロケットのヘッドパーツを変えたり、エンジンを増やすことができる。
そう、4回連続PERFECTに成功したらエンジンを5段に、次は6段に……と、エンドレスに続くわけである。
![IMG_0952](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/b/f/bf732a0a-s.png)
この『Space Frontier』、瞬間的にものすごくハマったが、ヘッドもそれなりに集めたし、宇宙まで行くとそれ以上の演出はないし、終わりかな、と。満足して辞めた。
よくよく考えると、こんなシンプルなゲームで2時間遊んだこと自体が恐ろしいが、そこは良いゲームだったということで。何となく記念でiPhoneに残しておいたのだが、
ところがそれから3か月後、こいつがVer1.1になって恐ろしい機能を追加して帰ってきた。
お金を払って乗組員を集い、ロケットが無事に火星に到達すると植民できるようになったのだ。
![space01](http://livedoor.blogimg.jp/terashima999/imgs/0/e/0e4b7102-s.jpg)
ロケットを無事に打ち上げて植民に成功すると、一定時間ごとに資金を生み出してくれる。だが、途中でロケットが爆発したら乗組員は爆死。
補助金をギリギリまでベットして打ち上げに植民に成功したときの喜びと、失敗した時の絶望感。
博打性を大幅に増してきたのだ。
幸いなことにこちらも3日程度ハマって、植民しまくって終われたのだが……続く仕組みがもっとあったらやばかった。
博打というエンターテイメントを、金をかけることなく味わえる素晴らしいミニゲームなので、だまされたと思ってみなさんプレイしてみてほしい。
評価:9(すごく面白い)
おすすめポイント
![](http://gamecast.jp/hp/shared/images/common/plus.png)
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アプリDL:
Space Frontier (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
開発:Ketchapp(フランス)
レビュー時バージョン:1.1
課金:広告削除(240円)
ライター:ゲームキャスト トシ