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壊滅した街から脱出するパズル『Geostorm』レビュー。災害演出とパズル要素がかみ合った良作

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地球の天気を自由にコントロールできる気象操作衛星が狂い、大災害を引き起こす様子を描く映画『Geostorm』の公式ゲームの出来が素晴らしい。
災害で破壊された都市の映像と演出、災害を利用したパズル要素……どれをとっても秀逸で、ぽっと出の映画をゲーム化したものとは思えない内容になっている。

開発したSticky Studiosは目は良いが内容がイマイチのプロモーションゲームを作ってきた会社だったが……今回は自社で映画のゲーム化権を獲得してパブリッシュしたためか、本気を出してきたようだ。

ゲームを開始して驚くのは、デモシーンやグラフィックの作りが良い点。
開始時はもちろん、ゲームの要所にはカットシーンが盛り込まれ、ストーリーを盛り上げる。
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ゲームとしての本作は、俯瞰気味の見下ろし視点でマップを見て、スワイプ操作でゴールまで移動するパズルゲームだ。
基本的な作りとしては『Lara Croft GO』に似て見えるが、本作は純粋な災害ものパズルとして作られており、敵はおらず、異常災害に見舞われた状況から脱出することだけを主眼に置いている。
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▲ファーストエリアは『絶体絶命都市』的な災害の空気が良い。

足場を動かして、段差を乗り越えて(2段以上の段差は上れないため、足場の移動は重要なポイントとなる)、スイッチを入れてと、オーソドックスな仕掛けを上手く使ってステージを構成している。
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それに加えて、本作では複数のエリアと主人公が用意されており、エリアによって独自のギミックを持っている。
例えば最初のエリアである高層ビルでは、非常用の斧を取り出して水のたまった部屋の壁をタッチすると……。
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バリン!とガラスが割れて、一気に水が噴き出す。このあたりの演出には力が入っていて、見応え抜群。
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もちろん、演出面でみせるだけでなく、パズルとしてもこの部分がコアになっている。
水位が上昇すると、泳いで同じ高さの床を行き来できるようになるのだ。もぐって水没した場所に戻ることはできないので、水の扱いがビルエリア攻略のキーになる。
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▲漏電した水を避けたり、鉄骨で橋を作ったりと水はかなり有効に使われる。

エリア2は氷に覆われた都市の調査に切り替わり、主人公も調査隊の軍人になる。ここでは滑る氷の床を移動する順番と、氷を破壊する爆弾の扱いに頭を悩ませることとなる。
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エリア3では主人公が再び一般人になり、災害に見舞われた都市を脱出する。今回は廃棄された乗り物を運転することができる。放棄された街の様子がたまらない。
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ステージ数は30と少なめだが、1ステージが長く、今後アップデートで追加も宣言されているので価格には十分見合う。
パズルの質としてはGOシリーズに軍配が上がるが、災害に見舞われた世界の演出はそれを十分補っている。
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課金はフルバージョンアンロックの480円だけで、購入後はゲームクリアのヒント機能まで使い放題で、同ジャンルのゲームの中では安め。
無料部分でゲームの面白さを見られることもあるし、まずはアプリを試して判断してみて欲しい。

冒頭にも書いたとおり、開発したSticky Studiosは短い開発期間(6週間のときもあった!)これまで見た目重視のプロモーションアプリを作ってきた。しかし、時間をかけてこれだけの物が作れるとあれば……今後のゲームにも期待がわいてくる。
また1社、面白いゲーム会社が増えたワクワク感も含めて、いいゲームだった。

評価:6(面白い) 

おすすめポイント 
災害に見舞われた都市の描写が良い
十分楽しめるパズル
1度購入すれば、ヒント機能まで解放

気になるポイント 
移動可能場所がわかりづらいときがある
ステージ数は少なめ、一部パズルの作りが甘い。

アプリDL: 
Geostorm (itunes 体験無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:Sticky Studios(US)
レビュー時バージョン:0.94
課金:全ステージ開放480円

ライター:ゲームキャスト トシ

動画: