2004年ドイツ年間ゲーム大賞を受賞した人気ボードゲーム『Ticket to Ride』を子供向けに簡易化したゲーム『Ticket to Ride: First Journey』がスマホにやってきた。
3Dグラフィックスを使ってかわいらしく特徴的なアイコンを使っており、“おもちゃ感”は十分。
ゲームは小さくなっているが所有欲を満たせるほどには作られており、価格もお安め。
「ボードゲームの実物を買うほどでもないけどもゲームを体験したい」というプチコレクターの方向けの1作だ。
『Ticket to Ride: First Journey』は、開拓時代の鉄道敷設ラッシュをモチーフとしたボードゲームだ。プレイヤーの目的は誰よりも良い路線を作って鉄道王になること。
ゲーム的には都市間を線路でつないで勝利点を稼ぎ、ゲーム終了時に最も勝利点が高いプレイヤーか、最初に6勝利点を達成したプレイヤーが勝利者となる。
ゲーム開始時、まずプレイヤーの設定を行う。
対応人数は2~4人で、1台の端末を使ってパス&スルー(端末を渡しながら遊ぶ)で対人戦もできるし、任意の人数のAIを混ぜて遊ぶこともできる。AIの強さは3段階まで設定可能。
マップはアメリカとヨーロッパの2種類で、アメリカは初期から、ヨーロッパはAsmodeeアカウントを発行(無料)してログインすることで選択できるようになる。
プレイヤーを決めるとチケットカード2枚、カラフルな鉄道カード4枚、線路を20個が各プレイヤーに配られてスタートする。
鉄道カードは線路を敷くための資材で、チケットカードはプレイヤーが線路を敷くべき目的地を指しているカード。鉄道カードを利用して、チケットカードに指定されている2つの都市を自分の線路で結ぶと勝利点が1点得られる。
また、チケットカードとは独立してマップの東側の都市と西側の都市を最初に鉄道で結んだプレイヤーは1人1回だけ“Coast to Coast”ボーナスとして1勝利点を得られる。
▲各都市のアイコンが3D化されていて、勝利点をとったときに踊る演出が可愛い
ゲームはターン制で、各プレイヤーは手番に下記のいずれか1つの行動を行える。
1.鉄道カードを消費して線路を敷く
2.鉄道カードをランダムに2枚引く
3.チケットカードを1枚捨てて、1枚引き直す
「鉄道カードを消費して線路を敷く」ときは、線路を敷きたい場所に示されている線路と同じ色の鉄道カードを、線の数と同じだけ捨てれば線路を敷ける。
下の図であれば、白い線路が3つなので白いカード(足りないときはワイルドカードも使える)を3枚捨てると線路が敷けるわけだ。
プレイヤーの位置の概念はなく、鉄道カードさえ揃っていれば好きな位置に線路を敷ける。
ただし、すでに他のプレイヤーが線路を敷いた上には新しく線路を敷けないため、複数人数で遊んでいると道の取り合いが発生する。
▲線路の数が20なので、意外に早く消費しきってしまう。
線路を敷けない場合は「2.鉄道カードをランダムに2枚引く」で鉄道カードの補充をするか、「3.チケットカードを1枚捨てて、1枚引き直す」で目的地を変更することもできる。
ルールは以上。あとはひたすらに勝利点を得るためにこれを繰り返すのだ。
ここまできて、元祖『Ticket to Ride』を知っているプレイヤーなら基本ルールがまったく同じであることはおわかりいただけると思う。
実際その通りだが運の要素が大きくなっており、いい感じにカードを引けば勝てるので子供とわいわいやるのには良いバランスではある。
ただ、ゲームルールの複雑度はそこまで変わらず、運ゲーになって面白さは薄れたので単純に子供向けというより子供だましのような……。
▲AIを倒すとご当地切手が手に入るコレクション要素も。
ボードゲームアプリの所有欲を満たす丁寧なアプリの作りはあるし、小さくて短時間に終わることを利用して『Ticket to Ride』の入門として使うなどの役には立つ。
上記に引っかかるなら買ってもいいと思う。実際、私は『Ticket to Ride: First Journey』を体験したかったけど、数千円出して買うほどでもなかったクチなので、満足度は高かった。
評価:5(楽しめる)
おすすめポイント
おもちゃ感のあるボード
小さなTicket to Rideとして楽しめる
気になるポイント
運要素が強い
子供向けの割には複雑なような…
気になるポイント
運要素が強い
子供向けの割には複雑なような…
アプリDL:
開発:Asmodee Digital(US)
レビュー時バージョン:1.1
課金:なし
ライター:ゲームキャスト トシ