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『シノアリス』は、プレイヤーのために魔晶石消失バグの存在を明かすべきではないか?

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あえて強く言おう。
ポケラボとスクウェア・エニックスは、プレイヤーに嘘をついたまま『シノアリス』で課金を続けるのをやめた方が良い。
『ニーア』シリーズのヨコオタロウさんが原作とクリエイティブディレクターを務め、音楽に同じく『ニーア』シリーズの岡部啓一さんを採用して話題を集めた『シノアリス』の運営は、そう言えるほど問題を抱えている。

何が問題なのか。
それは、プレイヤーに伝えるべきことを伝えず、不安定な状況でゲームを続け、課金を継続していることが問題だ。
『シノアリス』には課金アイテム“魔晶石”が消えてしまうバグやプレゼントの増殖バグが存在する。
普通、(プレイヤーのことを考えれば)課金を一時停止すべき状況のはずだが、運営側はそれを「直った」として、プレイヤーにリスクを伝えずにゲームを継続している。

何が起きているか時系列に沿って説明していく。

【1】.6月6日、サービス開始
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サービス開始とともに大量のアクセスがあり、メンテナンス開始。
この時点で、プレゼントを何度ももらえる魔晶石の増殖、ガチャを回しても魔晶石だけ消える現象が報告されていた。
本来、何かを得て何かを手に入れる処理は“トランザクション”という一連の処理になっており、どこかで失敗したら最初に巻き戻るように作るのが鉄則だ。しかし、高負荷で片方だけが失敗するということはよほどのバグか、そもそもトランザクションになっていないことが原因と思われた。
人気ゲームに負荷問題はつきものだし、オンラインゲームをバグなしの完全な状態で出すのはまず不可能。
私も気にはなったが、リリースのお祭りの一環と思って見過ごした。

【2】.6月9日、警告ナシにサービス継続

状況報告。高負荷時のみ発生するバグをとるため、サービスしながらバグを取ると宣言。
これもまた、仕方がないかな、と思う。ただ、すでに有料アイテム系のトラブルは報告されているのに、プレイヤーには説明なしに課金を継続している点は不誠実だと思った。

【3】.6月11日、魔晶石に関する不具合解消のお知らせ
魔晶石の問題解決を宣言したその日、ゲームキャストの読者から「魔晶石が飲まれた」という連絡があり、Twitterでも私の友人の周りでもそう言った報告は見られた。
つまり、
魔晶石のバグは解消されていなかった。

仮にバグが解消されたとして、解消後も高負荷でトラブルが起きている点で、有料アイテムの消費やプレゼントの受け取りなどが安全に設計されておらず、短時間で修正できない根幹の問題が疑われる。
処理速度を上げるためにこういった設計を行う例はあるが、よほどサーバーが安心して動く状況でなければこのようなトラブルが発生する。

【4】.6月12日21時、バグの告知ナシ
魔晶石関連のバグは多数報告されているがアナウンスせず、そんな状態で「バグが取れた」と宣言し、ここに至るまで課金アイテムに関するバグの存在は告知せずに運営は続いている。
告知が遅れているのだとは思うが、実質的には「課金アイテムバグが解消された」とプレイヤーに宣言している裏でバグの犠牲者は出続けており、まだ消えた
魔晶石の案内はない。
嘘をついてしまっている状態になっていて、本来なら
「有料アイテムの処理に問題があります」と宣言しなければならないときに来ている。
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▲セールスを見ると『シノアリス』は1日に1億円稼いでいてもおかしくない状況。金がプレイヤーを大事にする心を曇らせているのだろうか。

本来は真実を告げて処理を修正するまでサービスか、一部機能(課金など)を停止するべきときのはずだ。
こういった決定は難しく、おそらく今まさに社内でもめていることは想像にかたくない。
しかし、このままでは
『シノアリス』を運営しているポケラボとスクウェア・エニックスは信用できないメーカーということになってしまう。一刻も早く、プレイヤーを大事にする決定をして欲しい。
かつてのソーシャルゲーム業界ではなぜか、こういった商売が許される空気があったが、今はもうそんな時代ではないはずだ。

さて、ここからはおまけだ。
大手スマホゲームメディアはこの状況を見過ごしているどころか、シノアリスをこの状況でおすすめしていることすらある。メインのギルドすら機能しないなかで「面白い!」とする記事がでること自体が奇妙だ。
百歩譲っても、読者大事に思うなら「面白いけども、今は挙動がおかしいから課金してはいけませんよ」ぐらいは書くべきではなかっただろうか。
これについては、非常に残念に思っている。