『隠れん坊 オンライン』レビュー - 大勢で隠れて、大勢で探す物量のかくれんぼ。原始的な楽しさがある
iPhoneではまったく知られていないが、iPadで爆発的な人気を集め、連日ランキング上位を維持しているスゴい面白いゲームがある。
それが『隠れん坊 オンライン』だ。
オンラインの会場につどい、ちょっとヒネったルールの中で大勢で隠れて、大勢で探す超スゴイかくれんぼ。
そこに、原始的ながら力強い面白さがある。
本作は、大勢のプレイヤーが鬼か隠れる側かにランダムにわかれ、鬼が200秒以内にすべてのプレイヤーを見つければ鬼の勝ち、そうでなければ隠れる側の勝ちとなる単純明快なゲームである…が、隠れる側は人間ではない。
なんと、物体なのだ!
隠れるプレイヤーには物体が割り当てられ、無機物になってステージの風景に溶け込む。鬼は風景の中に違和感を見つけ、プレイヤーが操作する物体を探す特殊なかくれんぼとなっている。
▲操作はアナログスティック移動+青いボタンでのジャンプ。赤い上下ボタンで視点移動
さて、今回のステージは工事現場。自分のキャラクターはハシゴ。いきなりでかいし目立つし、どこに隠れればいいんだ…。
▲他のプレイヤーもブロックやら砂山やらそんな姿。
結局、スタート地点付近の広場に立つことにした。周囲にモノがない状況でも、ハシゴなら目立たない。
ゲーム内の物体が意外にロジカルに置かれているので、「そこにあっておかしくない」状況なら自然に溶け込めるのだ。
それに、スタート地点にプレイヤーがいるとは、まさか思うまい…。
なお、鬼が行動を開始してもプレイヤーは動ける。当然、動いたら一瞬で見つかってしまうので、配置を決めたら、画面右下のロックボタンを押すと、ボタンが黄色くなり、物体が動かなくなる。
で、何もできない間は視点移動で鬼の様子を眺めて楽しむこととなる。
今回、スタート地点付近でたたずむ偽装は、(たぶん)完璧。ゲームスタートと共に鬼が工事現場になだれ込むが、まったく気づく様子はない。
鬼が必死に自分を探す様子を眺めて楽しむ優越感は大きく、それだけで意外なほど楽しい。
鬼役は怪しい物体をパンチし、それがプレイヤーの操作する物体であれば隠れる役の人間を捕まえたこととなる。
ただし、鬼役は5回しかパンチできないので、慎重に物体を観察し、怪しい配置のモノだけを殴っていく。
パンチ回数の制限があるから、鬼が近づいてきたとしても観察されるだけで見つからないことも多い。
そのため、「殴られるかもしれないし、殴られないかもしれない」というドキドキ感があり、本当のかくれんぼのような感覚がある。
ちなみに、下の警官はハシゴに気づかなかった。ふう。
その後も、他のプレイヤーが見つかっていくなかで見逃され続けるハシゴ。我ながら実にナイスな位置に隠れたと思う。
ハシゴの目の前を素通りするプレイヤーを見ては、にんまり。
…と思ったら、残り2分で見つかる。くっそっ!悔しい。
このようにゲームは続き、一勝負が終わるとステージ、鬼役と隠れる役が入れ替わってまたゲームは続く。
鬼役になると、今度はプレイヤーが隠れる前のステージを40秒に眺めてからゲーム開始となる。
上から見ているとステージの物体配置を楽に覚えられるし、楽勝でプレイヤーの物体を見つけられそうに感じるのだが…。
実際ゲームを始めると、主観視点になるので見下ろし視点時とはかなり印象が異なり、苦戦する。
これだけのゲームではあるが、他人に見つかっても他人の隠れ場所を見たり、適当にチャットして暇をつぶせるし、場の空気感だけでも結構楽しい。
場所も城、街、廃墟にOAルームなどバリエーションがあり、物体も多種多様。
ただのかくれんぼなのに、1時間プレイしてもマンネリ感を感じなかった。
課金要素はなく、ゲームをしているとコインが貯まって鬼の時の衣装を増やしたり、物体のコレクションができるのみ。
敵も味方もなくわいわい遊ぶゲーム派「同じ場を楽しく共有する」平和な面白さを提供しており、一種のユートピア感も味わえる。iPadではやり続けているのも納得。
iPhoneの画面ではプレイしづらいが、iPadを持っていたらぜひ試して欲しいゲームの1つだ。
評価:7(要チェック)
おすすめポイント
風景に溶け込む特殊ルールのかくれんぼ
平和で楽しい空気感
気になるポイント
操作がやや不便
課金:なし
(バージョン8.1.1、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
隠れん坊 オンライン (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)