『KUMANTA』レビュー - クマがマンタで空を飛び、軍隊と戦うおバカアクション。ベタすぎる物語が一周回って面白い
ゲームキャストは激怒した。必ず、この『KUMANTA』を有名にしなければならぬと決意した。
ゲームキャストには売れ線は分からぬ。けれども面白いゲームが売れていない悲しさには、人一倍に敏感であった。
のっけからテンションMAXで紹介するのは、クマがマンタで空を飛ぶゲーム『KUMANTA』である。
本作は、サーモンを乱獲した人間に復讐をもくろむクマと、それを駆除しようとする軍隊との戦いを描いたアクションゲームである。
見所はフラグを立てまくり、回収しまくりのストーリー。そして、80年代洋画を意識した軽快な会話。あまりにベタな展開に「こいつらどこまでやる気だ!」と、先が気になってしまうこと請け合いだ。
アクション的にもそこそこ面白く、人は選ぶがハマる人はハマる1作となっている。
人間の乱獲により、サーモンが激減。サーモンが川を登らなくなり、サーモンを主食としていたクマに危機が訪れた。
▲絵柄がすでにいい味出してる。
クマは餓死寸前。そんな危機のさなか、クマたちの元にマンタが流れ着き、1匹の天才クマがひらめく。
「マンタって飛べそうな形だし、これで漁船まで飛んでいけるかも…」
本当に飛べた。
そして、天才クマは漁船を破壊し、人間と戦い始める。これは、1匹のクマの戦いの記録。
ヤツの名は、「クマンタ」。クマとマンタでクマンタだ。
本作は、飛び続けるクマンタの高度を調節するアクションである。
操作は上昇と下降の2ボタン。スライド方式の操作もできるが、難しいのでお勧めしない。
脱力系デザインのクマと、そのセリフがいちいち面白く、見ているだけで楽しい。
開始からしばらく、上空に(なぜか)散らばるオキアミを食べ、ほんわかしたフライトが続く。おお、癒やし系ゲーム。
と思いきや、戦闘機がやってきて、会話を始める。
「おい嘘だろ、クマがマンタで空を飛んでいるぜ!」
「攻撃よ!」
くどいほど洋画調のセリフと「クマンタ!」の音声は必聴。
また、ギャグキャラのクマンタに対して、すごく真面目に対処する軍隊の構図がシュールで、いい感じにC級映画感が出ている。ここで笑えたら、エンディングまでプレイしても損なし。
会話はギャグでも、ゲームは本気。次々とミサイルが飛来し、クマンタを襲う!
ミサイルにぶつかるとダメージを受けるが、オキアミを食べると体力が回復するので、必至に操作して耐えるべし。
なお、クマンタの本体はマンタ部分なので、クマ部分はミサイルを受けても素通りする。これを覚えておくと難易度が段違い。
で、しばらく耐えると人間に援軍が。
「エディ、昨日のポーカーの続きをやるか?」
▲これ、ポーカーの続きをやる前に死ぬヤツだ…。
そして、やっぱりクドいほどの洋画調セリフ。
「ほんとにクマがマンタで飛んでやがる!」
「アリス、軍隊はいつから特撮映画を撮りだしたんだ?」
会話が終わると、レーザー攻撃が始まる。
即死クラスのダメージなので、避けるほかナシ。でも、これ、永遠に耐えるのは厳しい…。
限界が来たころ、軍隊側も弾切れに。ここからクマンタの反撃だ!
と思いきや、「エディ、アリスのことは任せたぜ!」とレーザー戦闘機が神風特攻を敢行。爆発の中に消えていった。
ここまでコテコテのストーリーだと、いっそすがすがしい。
その後も次々と新たな戦力が投入され、伏線が張られ、フラグが回収されていく。
どんどん難しくはなるものの、「どこまでコテコテのストーリーを続けられるのか」気になって続けてしまうし、ゲームもエンディングまでプレイヤーを裏切らない。
序盤のストーリーがはまったら、最後までテンションを上げ続けて見られるはずだ。
そして、なにげに上昇と降下の演出が気持ちよく、ボタンが操作しづらくなることはあるがアクションとしても楽しめる。
アクションが好きな方も、お馬鹿ゲーが好きな方も、ぜひ1度試して欲しいタイトルだ。
ちなみに、この『KUMANTA』、2016年12月30日現在Google Playではインストール数「100~500」。
万人向きとは言わないが、無料かつ光るものがあるのに100~500以下。
冒頭にも書いたが、面白さに比べて、圧倒的に売れていなさすぎる…。
もしプレイして楽しめたら、ぜひ友達に宣伝してあげて欲しい。ほんと、良いゲームを作ったら報われる世の中になればなぁ…。
評価:7(要チェック)
おすすめポイント
洋画コテコテのストーリー
意外にゲームも楽しい
気になるポイント
1度見たストーリーは図鑑で見たかった
ときどきボタンが操作しづらい
課金
なし
(バージョン1.3、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
KUMANTA (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)