タコを操作して人間に偽装し、結婚生活を送るゲーム『Octodad: Dadliest Catch』レビュー
旦那さまの名前は「オクトダッド」。妻の名前はスカーレット。
ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。でも、ただひとつ違っていたのは……旦那さまはタコだったのです!
『Octodad: Dadliest Catch』は、オクトダッドが正体を隠し、人間として暮らす様子を描いたコメディアクションである。
このゲームの魅力は、コミカルな世界観だ。
結婚式場で、新郎の遅刻を見かねて様子を見に行った男が見たのは……。
タコ!
しかし、男は何も疑問を抱かず、「準備がまだなんですか!」と言い放つ。
どう見てもタコなのに、人間のように動いている限り、この世界の人間たちはオクトダッドを人間として扱う。
そんな、シュールな状況が笑いを誘う。
そしてもう1つ、その中で人間として行きようとするオクトダッドの努力がまた笑いを誘う。
人間にとっては普通の生活も、タコからしたら命がけである。
このゲームでは、人間の振りをするタコのツラさを操作の難しさで表現している。
▲ミッション、「水を飲んでみろ」。飲むだけなのに触手では大変。
操作は「手モード」と「足モード」の2つに分かれており、手モードのときは2本指で画面をこすると手の高さを調節し、1本指でこすると手を動かせる。
足モードのときは、画面左をドラッグすると左足が、右画面をドラッグすると右足が動く。
これだけ聞くと簡単そうだが、微妙な指のブレで触手は左右に動いてしまい、何に引っかかるか分からない。
トラブルを起こすとオクトダッドの正体がばれてしまうので、プレイヤーは必至に操作しつつもハプニングを楽しむことになる。
▲ステージの物体はすべて物理シミュレートされており、ちょっとした操作が思わぬハプニングを引き起こすことも……。
とてもユニークな設定のゲームだが、欠点がある。
このゲームでは、オクトダッドがタコだとバレてもゲームが終わるだけで、その他の演出がない。
招待がバレて連れ去られたり、段々と怪しまれたりと「タコであることがバレた」演出ができていないので設定を生かし切れていない。
ストーリーもなかなかだし、設定も良い。なので、ここを作り込んでくれれば好事家以外も楽しめる作品になっていたと思う。
バカゲー好きや、ゲーキャスのようなC級映画好きはプレイすべき1作だが、誰にでもお勧め、とはいかない作品になってしまっている。
▲タコになって薪を割ったり、スーパーに買い物に行ったり……このシチュエーションはC級映画好きにはたまらぬ。
なお、友達と一緒に本作のゲーム機版はスマホ版よりも面白い。
複数のコントローラーで、足や手を別々に動かすマルチプレイモードがあり、オクトダッドを一緒に動かしているだけで楽しいのだ。
この要素はiOS版にもあるのだが、コントローラー必須。スマホ版のプレイヤーでコントローラーを複数持っているプレイヤーなどまず居ないだろう……。
ゲーム機版ならば、パーティーゲームとしても楽しめるので、バカゲー好き以外の方にもおすすめだ。
評価:2.5(価格通りに楽しめる)
おすすめポイント
+タコが人の振りをする世界観
+奇妙な操作が引き起こすトラブル
+C級テイストのストーリー
+マルチプレイの楽しさ
気になるポイント
-マルチプレイにコントローラー必須
-タコを怪しむ人の演出が不足
課金について
なし
(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
Octodad: Dadliest Catch (itunes 600円 iPhone/iPad対応)
動画: