美しく時が流れる4次元パズル、Under The Sunレビュー。
Under The Sunは、縦・横・高さに時間の流れの概念を加えた「4次元パズル」である。
開発者の意図としては「時間の流れを考えるパズル」なのだろうが、3Dマップのパズルゲームの多くは時間とともに状況が変化する。
つまり、やっていることは「普通のパズル」だ。
しかし、時の流れの演出は素晴らしく、プレイしているだけで時の壮大さを感じる雰囲気ゲーまで昇華されていた。
Under The Sunは、主人公を前後左右に移動させ、一定歩数内にキャンプ場まで移動させるパズルゲームである。
このゲームの特徴は、歩くたびに時間が流れてマップが変化し、それを利用してゴールへ向かうパズルになっているところだ。
例えば、下記のステージでは時間が流れるとキャンプ場の目の前に草が生え、さらには木が伸びてくる。
▲右のダイヤルで自由に時間を進めたり巻き戻したりできるので、確認は簡単。
主人公は段差を上れない。
しかし、木が成長する前に草地に移動しておけば、下から生えてくる木に押し上げられて段差を超え、ゴールできるわけだ。
あるときはハシゴの老朽化を利用し、あるときは動物の老衰を利用し、時間を意識して解くパズルになっているわけだ。
ただ、多くのパズルゲームには時間の流れでステージが変化する仕掛けがあるので、「4次元パズル」というわりには「面白いけど普通のパズル」という印象だ。
しかし、そのパズルの普通さを補うのが「時間が流れる演出」だろう。
このゲームでは普通のパズルゲームと同じように時間とともに障害物の位置が変化したり、敵が出てきたりする。
しかし、ビジュアル面がそれを補っている。
時間の流れを美しく描くことで、プレイヤーの想像力をかき立てるのだ。
主人公は時間が経つにつれて腰が曲がり、白髪になり、年老いていく。
周囲は昼から夜になり、美しい星空が世界を覆う。
美しくなっていく世界と対照的に、主人公はどんどん老いていく。
指定ターン内にたどり着けないと、主人公は老衰で死んでしまう。
そして、キャンプ場にたどり着くと周囲が暗くなり、主人公の人生は終わる。
人は終わる。しかし、世界は続く。
人間の一生を早送りで見るかのような演出に、人のはかなさを感じる。
最後の火は次世代への狼煙か、それとも何かの象徴だろうか。
暗くなり、星空に埋もれていく主人公の様子の意味を考えずにいられない。
そして、時間を操って人間の一生をもてあそんでいることに対して、一種の万能感すら感じる。
心に訴える演出力がある。
「4次元パズル」という響きに期待していると肩すかしを食らうが、パズルは普通に楽しめる。
時間を超越したかのような壮大な気持ちに浸れる雰囲気ゲーとしておすすめだ。
評価:3.0(面白い)
おすすめポイント
壮大さを感じる時間の表現と美しいグラフィック
頭を悩ませるパズル
気になるポイント
パズルは面白いが、4Dという表現はやや誇大
課金
200円で広告削除
(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
Under the Sun - A 4D puzzle game (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)
動画