ケロブラスター (itunes 730円 / Google Play 730円)
『洞窟物語』で世界に名を轟かせた開発室ピクセルから、『ケロブラスター』がついに発売された。
今作はサラリーマンのカエルが転送機のメンテナンスのため、4つのショットを使い分けて黒いモノを倒していく横スクロールアクションゲームだ。
このゲームを一言で言うならば「恐ろしく丁寧に作られたゲーム」だろう。
昔ながらの「プレイして覚えて、上達して乗り越える」楽しさが誰でも味わえるように、恐ろしく丁寧に作られているのだ。
このゲームは、カエルを操作してステージを踏破し、ボスを倒していく古典的な横スクロールアクションだ。
ただ、先にも書いた通り恐ろしく丁寧できている。
まず、基本的な動きや操作の気持ちよさ。
ショットはそれぞれに個性があり、特にバブルショットは打っているだけでも気持ちいい。
単に画面をタッチする操作まで気持ちよく、会話を進めるために画面をタッチするだけで楽しい。
「ああ、このゲームはタッチパネルをとことん考えているな」と感心させられた。
▲会話を進めるために画面をタッチすると四角いエフェクトが表示されて気持ちいい。
操作もしやすい。
左右ボタンとジャンプだけの移動操作は標準的だが、ショットに一工夫ある。
画面下のショットレバーを倒すと、レバーの方向に向けて自動でショットを連射する仕組みになっている。
いちいちボタンを押すと指がずれボタンの押しミスを招くタッチパネルでは、この仕組みがありがたい。
そして、それらを活かすステージ構成も巧みで、ゲームの教科書のような作りだ。
新しいショットや能力を手に入れたときは、必ずそのショットが役立つ場面がある。
だから、新しい仕組みを苦労せずに覚えられる。
道中でお金を貯め、ストアでショットを強化すると、それまで苦戦していた敵が嘘のように簡単に倒せる。
苦労して手に入れたモノが超役に立って無双できるので、嬉しい。
プレイして理不尽じゃない、やったことが報われる、その2つが徹底されている。
敵にダメージを受け、残機がなくなるとステージの最初からプレイし直しとなるが、これですらゲームの面白さの一部だ。
ステージが「知っていれば通過できる」ように作ってあるので、1度死んでも次回はスルスル進める。
同じ道を2度通るときに「ああ、俺って上達しているじゃん!」という楽しさを感じられる。
▲一部の手強い仕掛けはクリアしたままになっているため、2度目はサクサク進めるのも隠れた工夫だ。
「できる限り詰まらずにストーリーをコンプしたい」という今風の消費に慣れていると、やり直しがあることに戸惑うかもしれない。
しかし、そんなプレイヤーでも最終的に楽しませてしまう丁寧さがあり、その作り込みはすごいの一言。
アクションゲームが得意でなくとも遊べるし、楽しめる。また、適度なリトライで先に進めるように計算されてもいる。
ストーリー演出も素晴らしく、独特の世界観にもすっと入り込める。
唯一気になるのはボリュームが少ないことだったが、アップデートを経てハードモードが加わり、やり込みも可能となっている。
家庭用では『風ノ旅人』、スマホでは『Monument Valley』が示した通り、ゲームの満足度が高ければ短いことは欠点ではないが、やはり好きなゲームを長く遊べるのは嬉しい。
「昔ながらのアクション」とか「入門用のアクション」をスマホで探しているなら、これを試して損はないはずだ。
本作には独自の世界観、面白さ、遊びやすさ、どれも揃っている。
最初に世に出たとき、7点に近い8点という評価をしていたが、改めてアップデートを評価し(また、ゲームキャストで評価に対する価格の割合を下げたこともあり)、本作の評価は9に近い8とする。
リリースは古いゲームだが、まだ遊んだことがなければぜひ『ケロブラスター』を試して欲しい。
評価:8(かなり面白い)
課金について
なし
おすすめポイント
丁寧な作りで、理不尽さがない
上達することが楽しめる昔ながらのアクション
独特で不思議な世界観
気になるポイント
ハードモードはPC向けであり、スマホ向けではない
アプリリンク:
ケロブラスター (itunes 730円 / Google Play 730円)
開発:Studio Pixel(日本)
公式ページ:http://studiopixel.jp/
レビュー時バージョン:1.5.0
課金:なし
ライター:GCドラゴン
動画:
2018.03.11修正
アップデートや価格などを加味して評価を上方修正しました