Last Inua - An Arctic Adventure (itunes 400円 iPhone/iPad対応)
『Last Inua - An Arctic Adventure』は、雪が吹きすさぶ世界で、悪霊から逃げる親子を描いたアクションアドベンチャーだ。
イヌイット民族の神話をベースにしており、公開から独特のビジュアルと素晴らしい雰囲気に注目が集まっていたが…素晴らしい素材を生かし切れなかった感のあるゲームだった。
このゲームは能力の異なる親子を操作して悪霊から逃げる横スクロールアクションだ。
たき火から始まり、ヒコが突然さらわれるオープニングは十分印象的。
BGMと効果音も素晴らしく、このゲームに入り込める。
そして、そのままプレイヤーが操作できる画面となり、息子のヒコを探して悲痛な声を上げながら雪の中を進む父の姿を見せつけられ、感動的で強い絆を持つ2人が感動的な物語を予感させる。
が、ゲームとしてはここが頂点だ。
息子のヒコと出会い、2人のキャラクターを使い分けられるようになるとだんだんとゲームの面白さが色あせていく。
▲頂点。
プレイヤーが操作する2人は、アナログスティックで移動できることを除くとまったく異なる能力を持つ。
父は強靱な肉体を持ち、2つのアイスピックで氷壁を上れるマッチョぶりだ。
また、ジャンプで穴を乗り越えたり、パンチで氷を壊せる。
息子のヒコは体が弱くてジャンプすらできないが、精霊の力を身につけている。
赤く光る点から、別の点へとワープする能力と、空中に橋を作って渡る能力がある。
で、この2人の使い分けがまったく面白くない。
理由は2つあって、1つはアクションが重くて道が長く、イライラすること。ヒコのワープ意外は操作している快感があまりない。
▲赤い穴から穴へ移動するのは気持ちいいけど…。
ゆっくりとしたアクションの場合は、頭を使って解くパズル的な仕掛けでプレイヤーを楽しませるものだが、このゲームはどの場面でどのキャラクターを、どの順番で使うか明確に示される。
悩む必要のない一本道なのだ。
イライラするアクションで、頭を使う必要なく延々と道を進む。最初こそ雰囲気にごまかされて楽しめるが、慣れてくると苦痛だ。
父と息子は違う能力を持っているが、どちらの能力を使っても進めそうな場所ではなぜかヒコの超能力は使えず、父が頑張ることになる。
プレイヤーに選択の自由はない。
さらに、アクションがだらだら続く副産物として、唯一の長所である雪の世界の雰囲気も見飽きてしまう。
公開された動画の雰囲気が素晴らしく、イヌイット神話を元にした印象的なビジュアルが詰まったゲームかと思っていた。
だが、ふたを開けてみると動画がほぼ全てで、あとは似たようなシーンが長々と続くゲームになっていた。
ちなみに、酷評したわりには評価は2.5(価格分は楽しめる)としてある。
理由は序盤の雰囲気が楽しめたことと、とても素晴らしいBGMと効果音を評価した。ゲームの音が好きな人は試す価値もあるかと思う。
正直、素材の種類は少なくて長持ちさせるボリュームはないが、そこそこ粒は揃っている。
アクションステージをとても短くし、この音と序盤の雰囲気を活かして押し切れば雰囲気だけで十分楽しめたかもしれないのが残念だ。
評価:2.5(価格分は楽しめる)
課金について
なし
おすすめポイント
氷の世界の表現
とても素晴らしい効果音とBGM
気になるポイント
同じ風景が続くので最初は良くても見飽きる
アクションシーンが単調かつ面倒
上記2つが音楽以外の長所を殺している
(バージョン1.0、GCドラゴン)
アプリリンク:
Last Inua - An Arctic Adventure (itunes 400円 iPhone/iPad対応)
動画: