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ソシャゲ風課金を導入した国語辞典アプリ、大辞泉が基本無料を断念、有料化へ。

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基本無料でソーシャルゲーム風の課金を取り入れた国語辞典アプリ、『大辞泉』が「この方法では儲からない」と白旗をあげ、4月7日より有料アプリとなった。

スマートフォンの台数が増えてアプリ市場の売上げが伸び続けているが、DL数を伸ばすのはソーシャルゲームばかりで、有料アプリのダウンロード数は下がり続けている。
辞典のような高額ツール系アプリの販売を考えたとき、「新しい販売方法を探さなければいけない」と、大辞泉は基本無料に挑戦していた。

大辞林ではスタミナ制を取り入れ、連続して単語を調べられる回数=スタミナに上限を設け、課金ポイントとした。
スタミナの回復(100円)、スタミナ上限を増やす機能(600円)、無制限利用バージョン(2000円)。
また、手書き入力で言葉を調べる追加機能や、単語データベースなども一部課金で追加するものがあった。
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また、ユーザーの継続使用率を伸ばすために、他のユーザーが調べている言葉やユーザーが考えたオリジナルの言葉を共有できる機能を追加したり、キャンペーンを行うなどのソーシャル機能追加や運営も行われていた。
辞典を使ったゲームまで企画されていたらしい。

だが、採算が取れるラインが全体の5%が課金することであるのに対し、0.5%しか課金されなかったという。
同社のブログでは数字を交えた詳細な結果報告も行われているので、「俺が新しい基本無料ツールを作るんだ!」という方はこちらからどうぞ。

実際、これは納得できる話だ。
本などを読んでいてわからない言葉が出てきたとしても、短時間で何回も調べることは少ない。
このアプリではスタミナ満タン時に5回まで単語を調べられたので、ほとんどの場合はこれで充分だっただろう。

結局のところ、これは「有料ゲームを少し不自由にして課金式にしても、結局儲からなかった」パターンと同じ現象に思える。
基本無料は、アプリの根本から基本無料としてデザインされたアプリでしか成り立たない。
基本無料前提のツールが出てきたとして、それは旧来のツールと同じであり得るだろうか…。
近い将来、ゲーム以外のアプリもゲームと同じ悩みを抱えるのかもしれない。

関連リンク:
大辞泉公式サイト
『大辞泉』2.0リリース。無料モデルの終息とその総括 | HMDT Blog

アプリリンク:
大辞泉 (itunes 2,000円 iPhone/iPad対応)