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Waking Mars - 火星に眠る生命を覚醒させる…ハードSFアドベンチャーが日本語に対応

Waking Mars (itunes 500円 iPhone/iPad対応)
開発:Tiger Style Games
評価:3.0 (面白い)
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火星を舞台にしたSFストーリー
生物の生態系を利用したパズル
世界観が合わなければ厳しい

火星の洞窟で確認された生命反応を調べるため、送り込まれた2人の調査員。
その前に現れたのは想像を絶する壮大な秘密だった…!
この Waking Mars は、インディーズゲームの祭典「IGF 2012」で最優秀モバイルゲーム、最優秀オーディオ賞に選ばれた有名ゲーム。
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▲この火星の雰囲気がいい。

火星の雰囲気と、ハードSFのストーリー、独特の生態系をテーマにした内容は確かに良かったのだが、いかんせん英語!
一番のキモが楽しめない残念な状態だったのだが、ついに日本語化されたので紹介したい。
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▲翻訳にゲーム専門のローカライズ会社、架け橋ゲームズが関わっているので自動翻訳のような日本語はなし!

火星調査にやってきたプレイヤーの目の前に立ちはだかるのはエイリアンでも凶暴な怪物でもなく、火星の生態系。
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▲画面のタッチした方向に移動し続ける移動操作。そこそこ快適に移動できるが、画面端ではちょっと辛いかも。

調査すべき洞窟は「セレブレン」と呼ばれる壁型の生物で区切られており、奥を調査するためにそれを排除しなければならない。
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▲セレブレン(右側の青緑の壁)が道をふさぐ。

その方法は「火星の生物をよみがえらせること」。
火星の洞窟の中にはさまざまな生物が生息しており、プレイヤーは種を採取し、肥沃な土地に撒いて成長させ、「バイオマス」を高めるとセレブレンが収縮してエリアを通れるようになるわけだ。
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▲生物が増えるとセレブレンが開く。

火星の生態系は非常に興味深くできている。
植物の種を採取し、種を動物に与えて増やし、動物を食虫(?)植物に食べさせて植物の肥料を作り…生物の共生関係が上手にできている。
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▲図鑑で生物の特徴を見ることができる。しっかり把握して利用しよう。

これらの生物の特徴を活かし、パズルのようにバイオマスを高めていく、生態系パズルとでも言うべき内容で、難易度「カジュアル」ならば雰囲気を楽しみつつ、「ノーマル」以降はそれなりの歯ごたえで楽しめる。
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で、このパズルを解いて先に進んでいくと、様々な疑問が湧いてくる。
「なぜ、こんな生態系がこの洞窟内だけにあるのか?」
「この生物たちはどうやって生きてきたのか?」
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ハヤカワ文庫を思い出すようなSFストーリーが展開される。
自分はパズルゲームを最後まで解く前にやめてしまうタイプなのだが、序盤では未知の生命体との遭遇に驚き、中盤では洞窟のあり方に疑問をいだき、ストーリーが気になって最後までプレイしてしまった。
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▲明らかに人為的なものを感じる、壮大な空間も…。

正直、全体としてみるとアートな雰囲気が強く、誰にでもオススメとは言い難い。

だが、SF好きの方ならきっちり楽しめるはず。
雰囲気も、理屈が通った生態系も、ストーリーもきっちり統一され、筋が一本通っている。
SF小説を読むように時間を作り、一気にプレイして火星の秘密を解き、「終わったなぁ」と楽しむのがオススメだ。

(GCドラゴンVer2.1)

アプリリンク:
Waking Mars (itunes 500円 iPhone/iPad対応)

動画: