ディバインゲート (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay 基本無料)
課金:課金専用通貨(ガチャ、便利機能で使用)
開発:Gungho
評価:2.5(楽しめる)
独特のキャラクターとスタイリッシュな世界観・音楽
プレイヤーの腕前次第で攻撃力が大幅に変わるアクション性
表示・ゲームテンポなどまだまだ細部が粗い
7つのパネルを出すアクションバトルが辛い人は多そう。
パズドラのガンホーが久々に完全新作をリリースする!
そんな触れ込みで10月に話題になったゲーム『ディバインゲート』。
いろいろなところで取り上げられているので、今回はゲーム説明はそこそこに「なぜこんなゲームで、そこそこ売れているのか」というところを考えて行きたい。
とは言え、一応軽く説明しておこう。
このゲームはガチャやクエストを通じてキャラクターを集め、パーティーを編成してバトルをこなしていくパズドラ系のゲーム。
特徴的なのは3点。
クエストが一本道ではなく、ダンジョンを好きな方向に動き、鍵を手に入れてゴールをくぐり抜ける方式になっていること。
そして、バトル。
ランダムに配られるパネルを、場に出して役を作ることで攻撃するシステム。
ユニットにはそれぞれ「火のパネル2枚で攻撃」「火+回復パネルでHP回復」など役が設定されているのだ。
そして、トランプのスピードのような要領で5秒間にパネルを出して、役が成立するとその数だけ攻撃を行う。
成立数がそのままHANDS(コンボ)となり、2コンボ以上だとコンボ数☓0.25倍が技の威力が加算される。
プレイヤーの反射神経次第で2倍、3倍…6倍以上も結果が変わる。
3つ目が複雑なこと。
効率のよい合成にはフレンドが必要だったり、ユニットの進化は属性ごとに決まった曜日でしか進化できない。
バトルシステムも、ユニットの能力も細かいことを言うと様々な面でパズドラやその他のパズドラ系と比べて細かい要素が入っている。
▲合成にフレンドが必要!?
で、このゲームの感想だが…最初にプレイした時の感想は「なんだこれ!?」と思った。
まず、ゲームとして飛び抜けて面白そうな特徴はない。
悪くはないが、「ちょっと違ったところを狙った、手を抜いていないパズドラ系」で片付けられる内容。
しかも、やたらにプレイヤーを選びそうな内容だ。
一番大きなものはバトル。
7種のパネルを出して役を作るのだが、操作の難易度も、パネルの種類も多すぎ、多くの人が挫折しそうな複雑さがある。
反射神経がものをいう内容になっているので、プレイできない人もいるはず。
▲バトルは腕前によって大幅に攻撃力が変わってしまう。
また、まだリリース1ヶ月立たない段階からいわゆる超級難易度のイベントダンジョンを配信しており、よほどやりこまないと参加すらできない。
また、ほぼスタート時から始まっているイベントもかなり周回しないとユニットを入手できない、時間を食うゲームになっている。
▲ランク37は社会人ならそこそこやっている方だと思う。でも挑めない。
さらに、進化・合成システムが複雑でわかりづらい。
強化合成時に属性や種族があったユニットをリーダーにしたフレンドがいないと効率が悪くなり、進化時は特定のユニットをリーダーにしたフレンドがいないと進化することもできない。
なんでこんな複雑なものを作ったんだ!
というのは簡単だが、少し考えればすぐ分かる。
このゲームはおそらく学生を狙った若い人向けのアプリなのだ。
今回のキャラクターデザインは若い人に向けられている感性を感じる。
ボーカロイド系やラノベ系のイラストのテイストが微妙に入りつつ、他にないところを狙っている印象。
やたらもったいぶった言い回しで語られる世界観もやや滑っている感があるが、中二病的だ。
▲もちろん、キャラクターは大人にも受けるクオリティもあるとは思う。
バトルは同じく若い人が得意な反射神経を使うゲームが設定されている。
学生は学校などで顔を合わす友だちが多いので、フレンドの要素をより有効に使って楽しんでもらうこともできる。
そして学生は社会人よりも時間がある。
だから、時間をかけてやりこみ系クエストを最初から配信している。
▲フレンドが重要な合成は、リアルフレンドとやっていれば楽しい要素となるはず。
学生ならば他のパズドラ系より楽しくプレイしてもらえる可能性が高いわけだ。
若い人を狙い、パズドラと被らないところで、ガンホーの若いファンを増やすために作られた戦略的作品。
それがこの『ディバインゲート』なのだろう。
現時点で言うならばゲームの質はまだまだ荒削り。
複雑な点も含め、普通のメーカーが出せばここまで流行らなかったはず。
しかも、若い人向けというジャンルが「お金はなくて時間はある人向け」という性質を持つので売上も怪しい。
が、そこはパズドラのガンホー。
出せば注目されてDL数を期待できるので、その中からゲームのターゲットに合った人に遊んでもらえればある程度見込みはたつ。
それを見越してか、ゲーム自体も長い運営の中でだんだんと拡張できるように作られている。
例えばパネルの種類が7つあれば後々さまざまな組み合わせを作れるし、ダンジョンにも色々な地形を追加して変化を付けられる。
ただ、シンプルがいいと言われる基本無料ゲームの中で、パネル7種はなかなかの賭けだったようには思う。
▲新種のパネルを入れたり、属性の組み合わせスキルを作ったり…拡張の余地がたくさんある。
ということで、ターゲットとなるプレイヤーが好きになる要素を盛り込み(魅力がなければDLされても多くは続かない)、ガンホーの力でユーザーを送り込む。
これがこのゲームのヒットの仕組みだろう。
狙いが比較的若い層に絞られているから合わない人はやめてしまうと予想されるが、このゲームにあったプレイヤーには長く楽しんでもらえる準備はあらかじめしておく。
だから期待感のわりに超ヒット(あくまで、ガンホーのゲームとしての期待感という意味で)はしない構造だが、ファンを掴んで長くサービスできそうに見える。
これは仕込みからしてガンホーならではの横綱相撲で、他のメーカーにはまず真似できない芸当だ。
ゲームとして言うならば、最初に言ったとおり「ちょっと違ったところを狙った、手を抜いていないパズドラ系」。
ただし、これからゲーム自体を拡張する余地があるので、現在「イマイチかな」と思った人でも細部の調整を含めてアップデート次第でかなり面白くなる可能性もある。
今後のアップデートに期待したい作品といったところか。
今はターゲットが絞られているが、1年後には誰がプレイしても「お、結構いいじゃん」となっている可能性もあると思う。
(GCドラゴン Ver1.0.2)
アプリリンク:
ディバインゲート (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay 基本無料)
動画: