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今更書いてみる「なぜソシャゲが流行ったのか」:ゲームを語るぜ5

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散々いろいろな所で書かれているテーマなので今更感があるが、本日は自分が思うソーシャルゲームが流行った理由について、自分なりに思うことを書いてみたい。

ソーシャルゲームが日本で人気を獲得した理由の大きな理由、それは『ドラゴンクエスト』に代表される日本の国民的ジャンル“RPG“の構造と、ソーシャルゲームの構造が同じだからだと、自分は思っている。

そもそも、RPGとはなんだろうか?
自分はバトルと成長があればRPGと言えるのではないかと思う。
ストーリーや探索が面白いことがRPG作品の良いところとして挙げられることはあるが、おそらくそれはRPGであるために必須ではない。

ストーリーや探索なしでバトルだけをひたすら行なってレベル上げするゲームがRPGと呼ばれることはあっても、ストーリーだけのものはノベルなどと呼ばれるし、探索だけならアドベンチャーと呼ばれる。
ストーリー、探索など様々な要素を付加することでより面白くなることはあるが、おそらく日本で言うRPGには必須ではないのだ。
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▲AppStoreでもほぼ戦闘のみのRPGがたくさんある。

で、その本質は「何かを積み重ね、何かを達成する」というところではないのか。
よく言われるが、現実社会では必ず報われるなんてことはない。
が、ゲームの積み重ねはまず無駄にならない。
だから積み重ねて達成することに現実では得がたい達成感が手に入るのが楽しいのだと思う。

そう考えるといわゆるポチポチゲーは超簡易化されたバトルと成長の要素を持ち合わせている。
ポチポチで探索してカードを集め、それを経験値やお金に変えてカードを成長させ、バトルを行う。
どれだけゲームが上手でなくてもそれを積み重ねていけばいつか報われて勝てる。
そんな超簡易で原始的なRPGの面白さがあるのだ。

ソーシャル黎明期はそうでもなかったが、『ドラゴンコレクション』が無課金でもずっとプレイしていればいつか報われ、攻略していけるという“ぽかぽか運営”的なスタンスで一気にブレイクしたことからも、この説はそこまで外していないと思っている。

そして、ここにもう1つの面白さが加わる。
それはそのゲームについて語る楽しさだ。
『ドラゴンクエスト4』が流行ったとき、クラスの仲間で「お前どこまで行った?」「カジノではぐれメタルの盾手に入れたぜ!」などと会話していて、それがまたゲームの楽しさを増幅させていた。

家庭用ゲームではよほど流行らない限り同じゲームについて語ることは出来なかったが、ソーシャルゲームはそれがより簡単にできる。
基本無料だから「俺はやっているから、無料だしやってみてくれよ」と言って友人にプレイさせ、それについて語ることもできる。
掲示板などの仕組みが用意され、同じゲームのプレイヤーと語ることもできる。
だから一緒にやる友達がいるプレイヤーならば、ソシャゲは楽しい。
1人で遊ぶ系のゲーマーには魅力半減以下だ。

『パズドラ』ブームはまさにそれで、面白いゲームが基本無料で手軽に試せるので広がり、誰でもプレイしているから話し相手がいるのでゲーム本来の実力以上に楽しく、だからまた広がるという好循環にはいっている。
さらに言うとパズドラは他人と対戦する要素がないので、他人と比較されないので積み重ねで前に進んでいることが確信できる(バトルがあるゲームでは他人の成長のほうが早く、積み重ねても勝てないことがある)のも大きい。
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▲競わなくていい。それが良かった。

で、そんなゲームをプレイするのはどんな人達なのか?
まずはそのまま初代『ドラゴンクエスト』やPS時代までのゲームをプレイしていた層だ。
『ドラクエ』をプレイしていた10〜20代のプレイヤーも今では30〜50歳ぐらいのはず。
すると結婚や社会人生活で思うようにゲームをプレイする時間がとれない人も多い。
ちょうどゲームっぽいものをしたい、という欲求と重なってソーシャルゲームをやることになり、そうして始めた人に巻き込まれて、今までゲームをプレイしたことのない人にも広がる。

無料でゲームをプレイしたい若い層、お手軽でいいから外出先でもゲームをプレイしたい層もそこに加わっていき、結果として今のソーシャルゲームのブームが生まれたのだろうと思う。

この推論にたどり着いたのが2年前だったが「ソシャゲはRPGの要素を持っている」という話をするたび、「ドラクエや他のRPGのバトルはポチポチと違って戦術性があるし、楽しい!」と反論されることがあった。
が、自分はそれを半分正しく、半分正しくないと思っている。

だいたいにおいて、RPGのバトルでは敵の攻撃力を上回る回復力があればプレイヤー側の勝利だ。
一定以上の力があればほぼ確実に勝ててしまう作業ゲーで、そういう意味では一定以上の戦力があれば勝てるポチポチゲーとあまり変わりがない。

プレイヤーに突如必殺技を放ってピンチを演出したり、派手な特殊効果で雰囲気を出したりすることでポチポチより楽しめるものになっているし、プレイヤーが正しい戦術を取らないと負けてしまうような揺らぎもある。
なので、ドラクエなどのバトルの方が楽しいというのは自分も思う。

しかし、先日紹介した『ブレイブフロンティア』の演出はスーファミなどにあるRPGに近いものがあり、実際プレイしてみるとRPGをしている感がポチポチゲーと比べてかなりあり、RPGというべきかポチポチゲーというべきか悩んでしまった。
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▲※現在メンテのため7/16までプレイ不可と告知されている。

これはまた、いろいろ考えてソーシャルゲームがこの先どうなるか考えねばならない、ということでその前になんとなくこれまでのまとめ的にこの記事を書いてみた。