Quell Memento 250円 iPhone/iPadの両方に対応
課金:ヒント機能、ステージアンロックなど(なくても十分プレイできる)
開発:Bulkypix
評価:2.5
+ クラシック調BGMと静かな効果音が知的な雰囲気を演出
+ 人生を匂わせる演出で、哲学的な気分になれる。
+ わかりやすく、無理なく解けるパズル
- 難しいパズルを求めているなら違うゲームを。
最近のパズルではステージごとに盛り上げる音楽を使って、クリア出来れば「じゃーん!」と派手な褒め方をする効果音が鳴るのが流行りだが、その流れに真っ向から逆らうパズルゲームがある。
BGMはクラシック調でなっており、切り替えは曲の終わり際。
ステージが代わっても音楽は変わらず、曲が終わった時にごく自然に切り替わる。
パズルに集中していると、切り替わったタイミングを意識することすら難しい。
効果音は控えめで、キレイな音がなるだけ。
▲光る瞬間の音も「ピカッ!」ではなくて荘厳な音。
『Quell Memento』は静かに、「今、頭をつかうパズルを楽しんでいる」という空間を演出してくれるパズルゲームだ。
その感覚は、喫茶店や図書館で集中して本を読んでいるような感覚に近い。
開始時に廃屋を探索しているかのような演出があるのも、枯れていて知的な雰囲気を出すのに一役買っている。
▲わかりづらいけども、プレートの埃を拭いている。
さらにゲームを進めていくと、廃屋に浮かぶプレートに人生を象徴しているイラストが表示される。
ステージを進めて記憶の欠片をたどっていくことにより、人間の人生が浮かび上がってくる…という仕掛けだ。
▲プロローグから始まり、幼年期(?)へ。
ステージ中にも、何かを匂わせるイラストが隠されていることもある。
ストーリーはきっちり語られないので全てはプレイヤーの想像に任されている、という感じだが、「人生」というテーマを据えることで哲学的な空気を漂わせることに成功している。
もちろん、パズル部分も十分楽しめるもの。
前作をプレイした方ならお馴染みの、水滴をフリックで移動させてステージのクリア目標を達成するパズル。
簡単に解けるものが多いが、ステージの進行とともにシンプルな新ルールが追加され、それらが複合して無理なく複雑なパズルになる仕組み。
例えば、最初のパズルは水滴の通った両脇の壁が青くなることを利用して、全ての赤い壁を青くするというもの。
このとおり、フリックで水滴を移動させると移動したあとが青くなっていく。
▲全ての壁を青くすればクリアだ。
続いて出てくるのが、画面内にある真珠を全て取るというパズル。
“水滴は壁にぶつかるまで直進し続ける”というルールがあり、自在には動かせないのでこれが結構頭の体操になる。
すると、その後に赤い壁を全て青くし、かつ真珠を全てとるステージが出てくるという仕組みだ。
わかりやすく、プレイしやすくて適度に解きやすい難易度。
短期間で仕掛けが変わっていくから飽きないし、難易度の上昇も緩やかで、「これは絶対解けない!」というストレスもあまりない。
そこそこ考えて解くことができ、上品な雰囲気の中でパズルという気分を楽しませるのに重点を置いているのだ。
やりこみたいならば、最短手順でパズル解くことに挑戦したり、隠し要素を探す遊びも。
ステージ中に1つ壊れる壁が用意されており、そこに隠されている宝石をあつめたり、隠しステージを探したりという遊びが用意されている。
これまたそこそこ隠れていて、そこそこ見つけやすいので、探すのにハマると止まらなくなる。
前作である『Quell』もクラシック調の音楽が流れる中、静かな効果音でパズルを集中して楽しむ…パズルだけでなくトータルな雰囲気も含めて高く評価されていたが、今作はそれ以上。
パズルを買うというより、パズルをプレイしていることに酔う時間を購入する。
夏の夜に虫が鳴く中でプレイしたり、秋の夕暮れにプレイして自分に酔う。
そんなパズルを探しているなら『Quell Memento』をおすすめしたい。
アプリリンク:
Quell Memento 250円 iPhone/iPadの両方に対応