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本当に「知らないうちに課金」は多いのか:ゲーキャス トシのゲームを語るぜ!4

先日、消費者庁からソーシャルゲームや口コミサイト、サクラサイトなど、ネットに関連する消費者トラブルが増えていることに対して、トラブルにあわないためのポイントを公開した。

で、その資料を見ると下記の2種類が問題になっているようだ。

・無料から有料への移行が簡単であるため、知らぬ間に高額課金していた(特に未成年)。
・高額課金したサービスを停止された。

未成年課金トラブルとは、親が無料と思い込んで子供にプレイさせていたところ、知らぬ間に高額課金されていたというケースで、これが特に多くて問題であるとのこと。

このうち「知らない間に課金」について疑問に思うことがあり、今回は記事を書いてみた。
最近、学生を対象にアンケートを行っているのだが、この手のトラブルについて2件の実例を知ることができた。
その2件ともだいたい同じ内容で、

「学生が基本無料ゲームで高額課金をしたが、親には“無料だと思った”と話して言い訳した。」

というもの。
実際、アンケートをとってみると中高生の情報リテラシーは高く、基本無料のゲームをプレイしているユーザー30名程度に話を聞いて課金について理解していないプレイヤーはいない。
なので、未成年が「知らぬ間に」というのはかなりのレアケースであると思われる。

また、大人でも各キャリアともそれぞれに月当たりの課金額には上限があり、ある程度のところで止まる。
キャリア課金ではない場合、ウェブマネー系のカードかクレジットになるが、前者は当然お金と引き換えに買うので金がかかっていることを認識する。
クレジットカードについては、登録する時点で課金が必要だから登録するはずで「金がかかる」ということを認識していないことはほぼありえない。

なので、本物の被害者もいるはずだが、割合としては報告されているより少ないのではないか、という推測だ。
さらにいうと、消費者庁に寄せられる苦情のなかでもソーシャルゲームのトラブルはプレイヤーの母数から比率で考えると少ないのだが…。

こういったことが大きく取り上げられることで、実際にはそこまで問題でない所で、またゲームのイメージが悪くなっているのではないかと心配になる。

いつも言っているが、イメージが悪いものが問題を起こすと規制の可能性がある。
すると、馬鹿馬鹿しいことにゲーム全体が規制されることになるわけだ。

コンプガチャ問題ではオンライン系ゲームの有料セット装備は駆逐され、類似のシステムはなくなったし、今年初めに示された消費者庁のガイドライン(リンク先は消費者庁のPDF)は、ゲームセンターの1プレイいくらのゲームすら規制できる内容になっている。
コンプガチャからゲームセンターの規制…完全にとばっちりだ。

ガチャ商法の是非は置いといて、この先の規制をさせないため、対策を取りつつ(今回の件はその月の課金額がチェックできる機能でもつければ一発だ!)、そろそろ業界団体できっちり調べて反論できるところは反論していくべきなんじゃないかと思っている。

極端な話、大昔のビックリマンシールのように確率を均等にするような指導が入ったら、勇者の剣とひのきの棒が同じだけ市場に出るわけで。
そんなゲーム見たくないので頑張って欲しいと思う。