Kingpin Lanes(Ver1.0) 170円 iPhone/iPadの両方に対応
開発:Speedbump
評価:3.0(面白い)
ボウリングゲームとしてきっちり遊べる。
チャレンジステージでは変わったボウリングが楽しめる。
やたらに作りこまれたボウリング場の空間とリアルな音の演出。
ひたすらスコアを求めてボウリングするので、単調になりがち。
最初に言っておくが、このゲームは単なるボウリングゲームではない。
このゲームはボウリング好きのために作られた環境アプリの側面も持つ、“ボウリング場シミュレーター”とでも言うべきものだ。
Unreal Engine(高品質なグラフィックに定評のあるゲーム制作ツール)を使用していると聞いて、「ボウリングゲームなんかにUnreal Engine使ってどうするんだ」と思ってプレイしてみたが、実際に触るとその「これはすごい!」と唸らされる逸品。
高品質なグラフィックで、ボウリングのレーンだけでなくオールドな雰囲気のボウリング場の空気感を完璧に再現していたのだ。
タイトル画面からしてちょっとしなびた雰囲気のボウリング場。
中に入るとレーンが並んでおり、先客が気の向くままにゲームをしている。
ゲームは中にいる他のプレイヤーと“賭けボウリング”で戦うのがメイン。
一応、フルボイスというのも売りなのだが、英語なのでなんとなく雰囲気を感じる程度か。
で、まずボウリングのリアル感がかなりすごい。
まずはボールを選んで持つところから始まる。
▲ボールのテカリ具合もそれらしい。
次にボールを持ったら立ち位置と狙いを定める。
左右キーで足を移動させ、画面をドラッグして体の向きを変えてターゲットを移動させよう。
そして、下から上に向かって指をすっと走らせてボールを投げる。
指の角度によってボールの軌道が変化するので慎重に。
また、指の速度でボールの速度も変わる。
で、リアルな音とともにボールが転がっていき…。
▲この時左右にスワイプするとカーブがかかる。
やはりリアルな音でぶつかり、ピンが倒れていく。
これを繰り返して、現実のボウリングと同じようにスコアを競う。
それだけのゲーム。
しかし、音も、ピンの倒れ方も、操作している感覚も、全てがリアル。
そのせいでレトロなボウリング場で本当にボウリングをやっているかのような気分に浸れる。
これは嘘ではない。
▲スコアカードは手書き。
ボウリングゲームのリアル感に加えて、空間の作り込みが畳み掛けるようにプレイヤーを引き込んでいく。
アナログスティックで自由に見て回れるこのボウリング場は、「ああ、ボウリング場ってこんな感じ」と思い出させる姿。
まずはよくある物販コーナー。
▲新しいボールやシューズを買える。
寂れた感じのカウンター。
自動販売機にゲームコーナーだってある。
さらに、ゲームコーナーではダーツやコンピューターゲームを実際に遊んで見ることができるという作り込み。
ゲームをプレイしている最中も、ボウリング場で他のプレイヤーがピンを倒している音が聞こえるのもたまらない。
▲なぜかボウリング場にはゲームコーナーがあるよなぁ…。
正直、ボウリングのゲームはリアルで楽しいけどもゲームとして革命的にすごいわけではない。
コンピューターゲームとしては、普通のボウリングは単なるミニゲームの域を出ないものだからそこは仕方ないと思う。
だが、そこで終わらずにリアルなボウリング場空間を再現することで、良くできたボウリング場のミニチュアを手に入れたかのような満足感・所有感を与えることに成功している。
正直、これだけでボウリング好きは買いだと思う。
で、それに加えて賭けボウリングで勝つと特別なチャレンジレーンで遊べるようになる。
例えば、ストライクを取るとスロットが回ってボールが大きくなったりするスロットレーン。
ピンボールのようなギミックがあるレーンなど4種類のレーンがプレイヤーを待つ。
中には宇宙戦をボウリングで行うとんでもレーンまである。
これもまた、一発ネタではあるけども面白い。
ほどほどに楽しめるゲームな上、ボウリング場シミュレーターとして非常に良くできている。
この作り込みにはゲームを超えた、ボウリング好きに訴えかけるものが確実にあると思う。
ボウリング経験者にはぜひ試してもらいたいアプリだ。
個人的に非常にツボにはまったので、評価はギリギリ3.5としたい。
アプリリンク:
Kingpin Lanes(itunes) 170円 iPhone/iPadの両方に対応
動画: