開発:Team Meet
評価:2.5(面白い)





レトロな外見と十字キー+ジャンプボタンだけという内容ながら人気を博した『Super Meet Boy』(以降SMB)というゲームがある。
凶悪なトラップが用意されたステージを、何度も死んでは復活してトライ&エラーでクリアする“死にゲー”。
ただし、死んでも一瞬で復活するし、コツをつかめばすぐステージをクリアできるテンポの良さで死にながら楽しくプレイできる。
▲SMB動画
見た目と内容だけでなく、ストリートファイター2など昔のゲームのネタを大量にもりこんだショートストーリーがオールドゲーマーの心にどストライク。
また、1つのステージに複数のクリアルートが用意され、やりこんでタイムアタックするやりこみ要素も人気を博し、ミリオンセールスを達成した。
そのSMBを制作したTeam Meetが、スマホ向けに新たに制作した兄弟分が今回紹介する『Cheeseman』だ。
ゲームの大筋はSMBと似ており、シンプルな操作で1分未満でクリアできるステージをクリアしていく、横スクロールアクション。
操作は左右移動ボタンとジャンプボタンだけ。
ジャンプボタンをもう一回押すことで2段ジャンプとなり、シンプルで操作しやすい。
正直、 タッチパネルのボタンは3つ程度が限界で、それ以上は操作性が悪くなると思っているので、良い判断だと思う。

何度も死んでは復活し、テンポよくプレイしていくという展開も同じで、ステージ中のトラップはSMBにあったものだけではなく、オリジナルなものもある。

ステージのゴールにたどり着くと、ゴールまでかかった時間によって★3までの評価とスコアが算出される。

ステージ数は全42ステージ。
通常のステージ他にワールドのラストにはボスステージが用意されており、メリハリはしっかりとある構成。

▲ボスステージでは追われながらゴールを目指す。
★とは別の評価点としてステージごとに隠されている白い塊(チーズ)を探してステージ全体を探索する遊びもある。
こちらはSMBでは隠しステージの入口を探すという遊びだったので、ちょっと残念だ。

SMBから主人公Meet Boyが背景に友情出演するなど、ファンサービスもあり、全体にがんばってつくっているのはよく分かる。
シンプルな内容ながらゲーム中に広告は出ないのにもかかわらず、十分すぎるほどステージ・内容があり、クリアだけするならばきっちり楽しめるはずだ。

しかしながら、SMBファンの自分は物足りなさを感じてしまった。
重ねていっておくが、十分このアプリは楽しめる。
しかし、SMBを期待していると気になる点がいくつかある。
例えばSMBでは1つのステージに対して複数のルートがあり、新しいルートを見つけてタイムを短縮していく楽しさがあった。
が、このゲームは横スクロールの1本道。
また、SMBはステージの全てが見えていたが、このゲームでは見えている範囲が狭くてタイムアタックするときの分かりやすさも落ちている。
iPhoneの小さい画面に合わせるとこうなるのは仕方ないが、SMBの大きな楽しみを削る結果になってしまったようだ。

▲上下にスクロールするときは指もあるのでかなりつらい。
また、SMBでは死んで復活した後にトラップの状態がリセットされていたが、このゲームではトラップの状態が死んだ状態から引き継ぎとなっており、クリアのパターンを作りづらい。
このため、タイムアタックのパターンづくりが難しくなってしまっているのもSMBファンには厳しい。

▲赤い電流が降り注ぐタイミングが毎回変わる…。
ということで、全体としてはステージクリア型アクションとしては合格点、タッチパネル版SMBを期待すると雰囲気は再現されているけどもすこし物足りない、という感じだろうか。
全体に画面の狭さが気になるつくりなので全体を縮小表示してくれればもう少し違った印象になったとは思うのだが…。
精密な操作が苦手なタッチパネルに最適化しつつ、“大きくキャラクターを見せたい”という欲求とのせめぎあいで、スマホに合わせていったら仕方なくこうなったという印象だ。
非常に期待していたアプリだったのだが、スマートフォンでのアクションゲームの限界について改めて考えさせられる結果となった。
アプリリンク:
CheeseMan(itunes)
動画: