ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

レビュー:テイルズ オブ ザ ワールド タクティクス ユニオン 良質な戦術SLG。ガチャがなければ最高だった。

テイルズ オブ ザ ワールド タクティクス ユニオン(Ver1.0) 800円 iPhone/iPadの両方に対応
開発:NamcoBandai Games
評価:3.0(面白い)
tail (1)
わかりやすいが、しっかり遊べるシステム
高いクオリティのグラフィックに、基本を抑えた操作
技や魔法を覚えるのがガチャ形式で、通常プレイでは簡単にそろわない
歴代テイルズシリーズのキャラクターたちが一同に会して戦いを繰り広げる、お祭り的SLGが iPhone に登場。
バンダイナムコというと嫌な記憶がよぎるが、タッチパネルと相性のよいSLGを、王道ストーリーに乗せて素直に作ったプレイしやすいゲームに仕上がっている。

舞台は夢の世界『レーヴァリア』。
ここで記憶を失ったキャラクター達が事件に巻き込まれ、力を合わせて戦っていくうちに真の敵が判明していくという王道ストーリー。
過去のシリーズを知っている前提の内容ではないので、シリーズ未プレイでも違和感がない作りになっている。
tail8
▲家庭用から切り出したキャラ絵はさすがにハイクオリティ。

ゲーム部分はオーソドックスな戦術SLG。
まず出撃するキャラクターを選択。
ステージによるが、最大で8人までが同時に出撃可能。
tail14

ゲームはキャラクターを順番に移動させ、その後にアイテムや魔法、アーツ(技)を使用するオーソドックスなコマンド式バトル。
移動と行動は画面をタッチするだけで簡単に行えて、家庭用を引きずったコントローラー操作から脱却したストレス無い設計だ。
tail15

行動はターン制ではなく、キャラクターの行動順番は“俊敏”の能力値が大きいほど早く行動するようになっており、“俊敏”が高ければ敵が1回行動する間に2回行動することも可能なシステム。

魔法を使うときはコマンドから実行まで準備時間があり、魔法を使う準備時間の間に敵を倒してしまえば魔法を使われる前に倒すこともできる。
また、範囲を巻き込んで攻撃する魔法などは準備時間中に効果範囲から移動で逃げることも可能。
tail
▲準備中のキャラクターの周囲には魔法陣が出現

画面上部には常に行動順がアイコンがしめされているので、複雑ということはない。
分かりやすく、それでいて行動順システムを戦術に取り込んでいるイイトコどりと言えるだろう。
tail13

特定のキャラクターをバトル中に隣り合わせたり、キャラクターを回復させる魔法などを使うと“好感度”が上昇して会話イベントが発生する。
このあたりは数少ないテイルズファンへのサービス要素。
tail (2)
▲好感度の現在値とあげられるキャラクターはステータスで確認可能。

イベントが発生するたびに好感度LVが上昇し、好感度LVが1以上のキャラクターがそばにいると、バトル中に敵を攻撃したあとに追撃したり守ってくれることがある。
tail1
▲好感度がたまると右上にEventボタンが出る。これを押すと好感度LVアップ。

特徴的なところはそれぐらいで、全体としてみると普通のSLG。
マップには高低差がなく障害物も少なめ、敵のAIも分かりやすいのでSLG好きには物足りないかもしれない。
が、後半の難易度はそれなりに高く、バトルのクリア目的もステージによって異なるものがあって単調にはなっていない。
バランスもしっかり取られており、気を抜けばゲームオーバーになることもある遊べるSLGだ。
tail12
▲マップはシンプルだけども、背景があるので見た目は気にはならない。

キャラクターの能力は大きく分けて2通り。
レベルアップで成長するHPや能力値と、記憶の欠片を使って覚える魔法・技・スキルに分けられる。
魔法と技はバトルで使えるコマンド、スキルはキャラクターの能力を底上げする特殊能力で装備のような扱い。
パーティー全体で装備できる量が決まっており、その範囲でキャラクターにスキルを装備させることで能力をカスタマイズできる。
tail6
▲スキルには消費SPがあり、SPの合計が決まっている。

で、HPや能力値は敵を倒してバトルをクリアしていけば経験値が溜まってレベルアップするので、プレイしていれば自動的に上昇する。
しかし、魔法・技・スキルこの技の覚え方は賛否両論を呼びそう…というか、手っ取り早く言うとガチャ形式になっている。

まず、バトルなどで記憶の欠片をゲットして“記憶の館”で使うとランダムに魔法・スキル2種類のカードが手に入る。
キャラクターと合成すると魔法カードなら魔法を、スキルカードならば新しいスキルをランダムで覚える仕組みだ。
魔法やスキルを覚えるのは失敗することもあり、その場合は経験値が手に入る。
カードには★1〜★3までのレアリティがあり、レアリティが高いほど覚える成功率が高くなる。
tail5
▲レッツ合成。

カードは特定のキャラクター専用のものが出てくるので使いたいキャラクター用のカードがでないことがある。
キャラクターが15人以上いるのに出撃させるレギュラーは8名なので、後半に補欠キャラクター用のカードばかり引くと正直泣きたくなる。

また、レアリティの高いカードは普通のプレイでは多く手に入らず、良い技を覚える確率は結構低い。
一応、★2のカードを8枚で170円、★3のカードを5枚で250円、特定キャラの★3カードを3枚で250円という救済措置はあるが、さすがに800円のアプリで技が出るまでランダムでガチャ課金させられるのは気分が良くない。
tail7
▲実質ガチャ課金。

クリアしたステージに何回でも挑戦できるのでいつかは技を覚えられるが、普通にクリアして最初から使っているキャラクターもコマンドが最後まで増えなかったのは正直寂しかった。
なお、クリア時に最高技である秘奥義を覚えていたキャラクターは1人もいなかった。

技を覚えない=クリアできないということではないので、そこに目をつぶればお手軽でグラフィックのクオリティも高いSLGとして遊ぶことは可能。
全20ステージ+闘技場バトルでプレイ時間も10時間以上あるし、動作も軽く、バッテリーの消耗も少ない。
ヘルプがしっかりしていてゲームはわかりやすく、ゲームバランスも悪くないと思う。
問題らしいものは見当たらないので安心してプレイできる。
日本語で遊べる戦術SLGを探しているのなら、試してみる価値はあるだろう。

アプリリンク:
テイルズ オブ ザ ワールド タクティクス ユニオン(itunes) iPhone/iPadの両方に対応

動画: