スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(マイクロバージョン) 250円
開発:Capybara Games Inc.
評価:3.5(かなり面白い)
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ゲームは“商品”なのか、“作品”なのか、というのはたびたびゲーマー間で話の種になる。
今回紹介する『スキタイのムスメ』は間違い無く作品、それも芸術品といっていいほどの完成された雰囲気を持つゲームである。
「これはドット絵の芸術品だ」と海外で絶賛されたこの作品は、プレイヤーをその世界観に浸らせることに全力を注いだ独特の作品である。
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まず目につくのは何と言ってもドット絵の細かさ。
タイトルにいる案内人からして、ドット絵なのにちゃんとタバコを吸っているスーツの男に見える。
その上、驚くほど自然に動く。
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森、静かな水辺、不気味な洞窟など、全てが美しいドット絵。
全てのシーンがドット絵の芸術と言ってもいいだろう。
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それを、水がはねる音、木々のざわめきなどのリアルな効果音がさらに引き立てる。
もともと、ドット絵は小さなブロックをプレイヤーの想像力で補完して見るタイプのもの。
そのドット絵に対してリアルな音をかぶせることで、プレイヤーの想像を助け、ドット絵のリアリティをぐっと増す仕組みだ。
これは実際にかなり良く機能しているので、プレイするときはヘッドホンでプレイしてみて欲しい。
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『スキタイのムスメ』はこのドット絵の世界を、特別な力を求めて冒険するアドベンチャーゲームだ。
基本操作は画面をタッチして移動するポイントクリック式。
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気になる場所を調べ、ヒントを元に様々な謎をといて行く、昔ながらの形式だ。
謎解きには少し閃きが必要な物もあるが、基本的にはそこまで難しくない。
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▲画面上を特定の順番でタッチする謎が多いけど、気にならない。
画面にタッチして反応を調べる総当り式の謎が多いが、このゲームではそこまで作業感はない。
タッチするたびに独特な音で反応があり、主人公といっしょになって世界の中で探っているような一体感があるからだ。
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そして、完全に謎が解けると壮大な奇跡が起き、神秘的な雰囲気に満足する。
総当りの作業ですら、このゲームでは世界観を楽しむためのものとして組み込まれており、この世界観にプレイヤーを引き込む。
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▲奇跡の演出1つ1つが素敵。
ゲームとしてもう1つ特徴的なのはバトルシーンなどで iPhone/ iPad を縦持ちにする必要があること。
iPhone/iPad 本体を盾にすることで主人公が剣を抜き、敵がいればその場でバトルが始まる。
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▲バトルはそんなに難しくない覚えゲー
また、冒険中に手に入る絶世の大書を読むときも本体を本に見立てて縦に開く動作がある。
これはこれで雰囲気があるのだが、iPad でプレイしていると縦横に本体を持ち直すのが面倒か。
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以前は雰囲気は良かったものの英語のみ対応だったのでおすすめとまでは言えなかったが、バージョンアップで完全日本語対応。
“完全”というのはダテではなく、原作者の注文で奇妙な言い回しまで再現。
「ナルハヤで安全な山小屋まで帰りたい」
など、日本人にしかわからない独特な言い回しで原作を再現している。
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これによってだんだんと悲壮感が漂ってくるシナリオを楽しめるようになり、誰にでもおすすめしたいレベルのゲームになった。
特にラストに向けての加速感はゲームが止められなくなるほどで、鳥肌が立つような、奇妙な高揚感がある。
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ドット絵、リアルな音、演出、謎解きが全て一体となった高レベルな作品で、久々にアドベンチャーゲームをプレイして“冒険を体験した”と思わせてくれたゲーム。
謎解きゲームとしてみると新しいことはないが、この神秘的な世界と演出は問答無用で体験する価値がある。
アプリリンク:
スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(ユニバーサルバージョン)(itunes) iPhone/iPadの両方に対応
スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(マイクロバージョン)(itunes)
動画: