またしても、怪しげなゲームが AppStore に登場した。
その名も『Temple Rush: In Danger』。
名前からして『Temple Run』のパクリだが、実際にアイコンも Apple に怒られない程度にひどい。
▲左が『Temple Run』で、右が今回のアプリ。
レビュー欄は★5だけ、さらに怪しげなコメントで埋め尽くされており、実際に落としてみるとスクリーンショット通りのゲームではない。
「パクリ」「ステマ」「スクショ詐欺」の備えたクソゲー、いやカスゲーの3冠王である。
まずはレビューから。40件の評価はすべて★5で、
「良い作品はそれを愛する!」
「それは素晴らしいですし、私はそれを愛する。」
ああ、ステルスしていないステルスマーケティングだ。
▲なお、USストアでは100件のレビューがあった。
アプリ内容の酷さも負けていない。
スクリーンショットはいかにもな感じで、「スワイプでターン、ジャンプ、スライディングです!」とアプリの解説文にも書いてある…。
実際に起動すると、ひたすらブロックを積み上げていくだけのゲーム。
でスワイプ操作もないし、そもそも AppStore のスクリーンショットにある画面は1画面も出てこない。
▲よく見ると「PERFECTO!」綴り間違ってる…。
さすがに、ここまで怪しいと『Temple Rush: in Danger』がランキング上位に入るとは考えにくいが、こんなことが行われるのも、そして定期的に話題になるのも、このやり方に一定の効果があるからだろう。
もちろん、サクラレビューを行う業者が一番悪いが、この原因には Apple の怠慢もある。
現在、多くのユーザーはレビュー数と★評価の平均をDLにあたっての参考にしており、これらは単純にレビューの数と★の平均値を取るという原始的な方法。
ちょっと考えて「バレないように自分でレビューすればいいよね」という結論になる業者がいてもおかしくないし、実際にそれが有効になってしまっていると思われる。
iPhoneアプリの電子書籍はサクラレビューによるステルスマーケティングだらけ(デジマガ)でも報じられているし、過去に目を向ければフジテレビ / Eagleのアプリ1000本ノック企画はどう見ても怪しい自作自演と思われるレビューであふれていた。
もちろん、見えているのはこれだけではなく、影に隠れてばれないサクラレビューもたくさんあるときく。
つまり、AppStore が過去からまったく進歩していないせいでこんなことがおきる。
Apple にはアプリの評価制度を見直し、業者によるサクラレビューの対策をとってもらいたい。
ちなみに、最近コレに似たようで違う事例がある。
『ポケットバーサス:聖域伝説(以下、聖域伝説)』のことである。
明らかに日本人ではない名前、おかしな日本語での★5レビューが大量につき、自作自演で1位に踊りでた、ということになっている。
(参考記事:中華製アプリ「ポケットバーサス:聖域伝説」、レビューで自演しまくってゲームランキング1位に躍り出る(iPhoneちゃんねる))
▲こんなレビュー。
どちらも怪しげな業者を使ってレビューを稼いだのは間違い無いだろうが、『Temple Rush: in Danger』とは決定的に異なるところがある。
序盤をプレイしたところ、聖域伝説はソーシャルゲーム好きならプレイして満足する可能性のある内容。
つまり、普通のアプリだ。
実際にかなり広告費をかけているようで、いくつかのサイトで広告バナーが出ていたし、今はそういった広告をみてDLする(アドラッテのようなアプリのユーザー)のレビューが増えてきている。
つまり、聖域伝説は「普通のゲームが広告費をかけてトップに踊りでた」わけで、サクラレビューは単なるスタートダッシュの1つに過ぎなかったようだ。
しかし、「普通のゲーム」と言った通り、自分が思うにこれも普通にやっていれば到底レビュー数が1000を超えるような内容ではない。
広告で露出のあるところが有利になるのはある程度しかたないが、やっぱりどうでもいいアプリ、普通のアプリより、面白いアプリにトップに出てきて欲しい。
そのほうが、iPhoneユーザーにとっても幸せなはずだ。
重ねて言うが、AppSotre はそろそろユーザーが求める、よりよいアプリが見つかりやすい改良を行なって欲しいと思う。
関連リンク:
Temple Rush: In Danger(itunes)
※見るだけにしておいてください…。