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レビュー:Lost Cities(ロストシティ) シンプルでサクサクプレイできて適度に悩むオススメカードゲーム

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タイトル Lost Cities
ジャンル カードゲーム
価格 350円
アプリ内購入 なし
日本語対応 なし
販売元:The Coding Monkeys | Version:1.0.1 | GameCenter:実績・ランキング | 対応機種:iPhone / iPod touch | レビュアー:トシ
評価:3.0(面白い)
シンプルなルールだが悩ましい局面が多い
オンライン対戦がサクサク進む
アプリの操作性・雰囲気共に文句なし
運の要素が大きめ
iPhoneボードゲームの定番『Carcassonne(カルカソンヌ)』を送り出した【The Coding Monkeys】の新作はなんとライナークニツィアの名作『Lost Cities(ロストシティ)』。
冒険家になって遺跡を探索競争を行う、2人用の対戦ゲームでシンプルだが奥深い対戦が楽しめる。
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▲5つのラインはそれぞれ手元の色に対応

各プレイヤーの前にはオレンジ・青・白・緑・赤の5色のライン(遺跡)が描かれたボードが配置され、それぞれに対応した5色の2〜10までの数字が描かれた得点カードをランダムに8枚配られてゲーム開始。
プレイヤーは自分のボード上の同じ色のラインに得点カードを出しては山札から1枚カードを引いていき、山札がつきたときに最終的に最も得点の高いほうが勝利となる。
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▲特典カードを場に出して積み重ねていく

特徴的なのは、遺跡に数字を出すこと自体にリスクがあること。
カードを出されていない状態の遺跡は0点だが、カードを出すと遺跡はマイナス20点から始まり、そこにカードの数字を足して点数となる。
つまり、同じ色の数字を20点以上積み重ねないと得点がマイナスになる仕組み。
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▲左側の-7や、赤の-14点…出さなきゃよかった。

このリスクをさらに増大させるのが【賭けカード】で、これは置いた場所の得点倍率を上げるもの。
このカードが1枚置かれればその遺跡の得点は2倍、2枚なら3倍と得点が跳ね上がる。
しかし、これは得点カードを出す前にしか遺跡に置けず「手札に白いカードが多めにあるから、白の遺跡に賭けカードをおこう、どうせ後で1〜2枚は引けるだろう」と、序盤に見切りでだすことが多い。
目論見が崩れると、マイナス得点も倍になるためときに悲惨な結果になる。
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▲コインマークのギャンブルカード

各色の遺跡の前にカードを捨てる場所があり、遺跡の上にだすカードがない場合はここに捨てなければならない。
が、この捨て札になったカードは山札の代わりに誰でも(相手プレイヤーも)引けるため、「手札に同じ色のカードを貯めこんで得点を稼ぐ」か、「とりあえず遺跡にカードを出す」かプレイヤーは常に悩むこととなる。
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▲白を貯めこむためにいろいろ犠牲にしました…。

プレイしていると単純なのにやたらに悩む点が多い。
プレイヤーの手札8枚というのがまた秀逸で、痒いところに手が届かずにある程度リスクを取る戦術を取らざるをないことが多い。
「マイナスポイントのリスクを犯しても遺跡にカードを出すか」
「賭けカードを出すかどうか」
「出したいカードが無いときに捨てるのか、相手に取られないように無理に出すのか」
何度もゲーム中に悩むことになるだろう。

アプリのできは The Coding Monkeys だけあってほぼ文句の付け所がない。
カードを出す操作性、見やすいグラフィックとレイアウト、雰囲気の良いBGM。
全て納得。
また、オリジナル作品は得点計算が面倒だったが、そこをコンピューターがやってくれるので面倒も減っている。
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オンライン対戦はGameCenter経由だが、プレイヤー数が多くてランダムマッチかなりしやすい。
また、2人対戦という性格上、お互いのプレイヤーが待機していればサクサクゲームが進むのも嬉しい。
多人数対戦系は1人でもリアルタイムに遊んでいないと気長に遊ぶしかないので、そういった意味ではさくさくプレイできる2人対戦ゲームはiPhoneに合っているのだろう。
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▲対戦は戦績と試合の概要が保存されて見える

ゲーム的に難点があるとすれば、運の要素が強いこと。
ある程度駆け引きがあるものの、すごい強運のプレイヤーには勝てないので好みではない人もいるかもしれない。

アプリ的には強いて言えば Bluetooth 対戦がないのが気になる。
友人と集まったとき、カードがなくても対戦できたら良かったのだが…。これはさすがに贅沢か。

シンプルで、程よく悩め、サクサクプレイできるので、カードゲーム・ボードゲーム好きなら買っておいて間違いがないゲームといえるだろう。

Lost Cities(itunes)