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レビュー:パーティーゲームの定番、多人数プレイなしでリリース ドカポンパラダイス

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タイトル ドカポンパラダイス
ジャンル ボードゲーム
価格 無料(体験版)
アプリ内購入 製品版450円
日本語対応 あり
販売元:Playdek | Version:1.0.0 | GameCenter:なし| 対応機種:iPhone / iPod touch | レビュアー トシ
評価:2.0(良くはない)
重要部分のテンポはいい
ドカポンらしいバランスは再現
操作の最適化が甘い
1人プレイ専用なのにゲーム内容は多人数プレイ用
  LVが保持されるため、徐々に強くなっていく楽しさが味わえない
ドカポンシリーズは ファンタジーRPG とスゴロクを足したようなボードゲーム。
複数のプレイヤーが順番にルーレットを回し、出た目の数だけマップを移動し、止まったマスによって発生するイベントが発生する。
モンスターに支配された村を解放して領土にしたり、キャラクターを強化しながら資産を稼ぎ、目標を達成したプレイヤーの勝利となる。

ゲームの肝はプレイヤー同士の足の引っ張り合い。
直接戦闘することはもちろん、様々な手段でライバルのジャマをすることができ、倒した相手の装備、資産を奪い取ってえげつないいじめまでできるため「友情破壊ゲーム」の異名を持つほどである。
そんなシリーズの中で、今作はフィーチャーフォンで出た同名ゲームの作品の移植となる。

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今作ではまずミッションを選択し、それぞれ特殊能力を持ったキャラクターを選んでゲームを開始する。
初期は1つのミッションしかないが、450円で製品版を購入すると「クイズに答えろ」「ライバルを指定回数倒せ」などミッションが13個に増加する。

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ゲーム部分はいままでのシリーズの通りルーレットを回して移動するスゴロク+戦闘の形式。
止まったマスによって敵が出たり、街で買い物できたり、アイテムが手に入ったりとイベントが発生し、イベントを通じて資産を貯めていく。
また、街に居座るモンスターを退治するとその街がプレイヤーの領土となり、以後税収を生む。
「魔法」や「アイテム」を使ってライバルを邪魔したり、プレイヤーを強化したりすることもでき、このあたりは桃太郎電鉄に近い感覚だ。

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「戦闘」についても旧来の作品を踏襲。
4つのコマンドを使い、敵を倒すと経験値とゴールドが入手でき、RPGのようにキャラクターが成長していく。
レベルアップと共に徐々に行動範囲が広がる嬉しさはドカポン独特のものと言っていい。

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もちろん、プレイヤー同士の戦闘も健在。
倒されたプレイヤーは2回休みとなり、装備や資産を奪われてしまう。
悪辣ないじめも可能で、油断していると即死も有り。
ドカポンらしさをきっちり再現している。

従来との差は「育てたキャラクターがそのままLVを維持する」こと。
何度プレイしても最後に持っていた装備・レベルからゲームが開始される。
RPG のように積み重ねていく楽しさを狙ったのかもしれないが、これははっきり言って失敗に思える。
敵も同じように強くなっていくので「強くなった」感がないし、LVが上がった状態からのプレイは「徐々に強くなるのを楽しむ」ドカポンの楽しさを削いでしまっている。

また、細かいことを行っていくとフリックの反応が悪かったり、ボタン配置や意味の一貫性が欠けている、ドラッグでマップを移動できないなど操作性の練り込みの甘さが目につく。
Retina 対応ではないが見た目は及第点、文字は綺麗になっているが、文字配置などは適当で微妙なズレを全体に感じる。
携帯向けのテンポの早い展開にできている点は評価できるが、全体的に「頑張って iPhone 対応に移植したけど、細部が研究不足」という感じ。

だが、ここまでは細かい欠点。
完全に1人用という欠点に比べればゴミにも等しい。
どんなミッションで競っていても、1人では楽しくない。
多人数だと追いつけ追い越せで楽しい妨害戦も、AI とプレイしていると理不尽を感じるばかり。
対人戦が楽しいパーティーゲームを、1人用にする調節なしにやらせるという発想に無理がある。

操作・見た目に関しては肝心な部分はテンポ良く作られているので目を潰れるが、1人用ゲームとしての工夫がなく、多人数プレイにも対応していない。
パーティーゲームから対人戦をなくし、工夫もなく出すというのは自殺行為としかいいようがない。
単に面白くないならともかく、元ゲームの理不尽で楽しいパーティープレイむけバランスは維持しているだけに残念。


スタッフコメント
トシ:
完全に1人用ならばドカポンQなど1人用のドカポンを移植すればよかったのに。

ドカポンパラダイスの詳細・DLはこちら(itunes)