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レビュー:9mm

9mm10
タイトル:9mm
ジャンル:シネマチックアクションシューティング
価格:600円
日本語対応:有
Retina 対応:有
販売元:Gameloft | Version:1.0 | GameCenter:なし(独自の実績に対応) | 対応機種:iPhone / iPod touch / iPad

総合評価:3.0(面白い)
+ギャング映画のような演出
+バレットタイムを駆使して戦うバトル
+iPad2 でプレイするとグラフィックが向上
−最後があっさり
−演出以外も平均点まで到達しているが、それ以上ではない
−プレイ時間は短い(映画的作りなので仕方ないとも言える)

9mmの詳細・DLはこちら(itunes)

主人公ジョン・カノンは警察特殊部隊のリーダーだが、悪の殲滅のためなら手荒な手段もためらわない警察の異端児。
ギャング達との銃撃戦で麻薬王ディアブロの弟を偶然にも殺してしまい、そこから麻薬王との戦いが始まる…というストーリー。
銃撃戦に次ぐ銃撃戦、そしてギャングとの荒々しいやりとりを中心にしたシネマチックな演出で進んでいくギャング殲滅アクションシューティングゲーム。

9mm08
ギャングと戦うシューティングゲームと思ってプレイしてみたが、実際のところこのゲームの売りはギャング映画のような演出
17歳以上対象ということで麻薬やガラの悪い単語が容赦なく出てくるし、主人公もかなり暴力的。
ならず者たちとの暴力的なやりとりを映画的な演出で楽しむことに重点が置かれている。

9mm07
実際、2時間程度のプレイ時間のうち30分は会話シーンなどで費やされているし、ナイトクラブなどの演出、有名アーティストを起用したHIPHOPなど雰囲気を出すことにかなり注力されている。
銃撃戦も多いが、画面に表示される突発的な指示通りフリック・タップを行うクイックタイムイベント(以下QTE)が多く、「映画的」という所にこだわっているのだろう。
ただ、QTEに関してはもう少しアクション映画的なスピード感が欲しかったところ。

最後があっさりしすぎているところはゲームロフトのダメなお約束を踏襲してしまっているが、常にいまいちだったストーリーは今回並ぐらいになっているし、ひと通りのお約束は踏襲しているのでギャング映画が好きであればこの雰囲気は楽しめるはず。

9mm06
ゲームの半分を占めるシューティングは主人公が1人でギャングの群れに突撃し、バレットタイムという特殊能力を使って戦う銃撃戦アクション。
バレットタイムは使うと主人公の周囲の時間がスローになり、銃弾を見てからかわしたりスローモーションがかかっている敵を一方的に撃ちまくれるというスーパー能力。
もともと映画マトリックスのスローモーション演出を再現するために考案されたシステムなので、わかる方はそれを想像するとそのまま。
画面枠が白くなり、銃弾の軌跡が見えるようになるのは演出としても気持ちいい。

9mm04
時計ボタンをフリックしてやると、その方向にスローモーションをかけながらジャンプする機能もあり、こう言った演出も映画的と言えるだろう。
一定時間が過ぎると画面右下の時計メーターが回復するまで使用できなくなるが、結構早く回復するのでどんどん使っていける。

その他に関しては普通のシューティングで、十字キーで移動、ジャイロ操作・画面フリックの視点移動で狙いを定めて撃つようになっている。
次々と出てくる敵を撃ち倒していくのは爽快だが、バレットタイムが強い代わりに敵も数が多く容赦なく撃ってくるのでノーマルでも難易度は高め
ギャング映画が好きなだけで、ゲームをあまりやらないのであれば迷わずイージーを選択しよう。
逆に難易度を上げると敵の動きも賢くなるという作り込みがあるので、ゲーマーを自認するならハードモードが楽しめる。

9mm03
オンラインモードは最大12名までの対戦。
プレイしていくに連れてコインが貯まり、新しい武器はスキルを購入する仕組み。
現在のところ4ステージがあるが、全体的に今までのゲームロフトの作品よりもマップが広めになっていて、より楽しめると感じた。
バレットタイムはないが、どんどん移動して気軽に対戦できるのは楽しい。
なお、発売当日はあまりオンラインがきっちり機能しておらず、Bluetoothでの4人対戦での感想となる。

9mm02
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AppStore の解説では「iPad 2に対応した美しいグラフィックをお楽しみください」とあるが、実際にプレイしてもそこまでのグラフィック向上は感じない
主要人物の顔や革ジャンの見栄えがよくなる程度で、それすらも画面が小さい iPhone であれば気にならないレベル。
しかし、プレイ感では大きく異なる。
本体が大きいためジャイロ操作に慣れないといけないが、敵の姿が見えるので頭が狙いやすくてシューティングとして気軽に楽しめるようになるし、映画的な演出も iPad の大画面のほうが楽しめる。
ジャイロセンサーに慣れて iPad でプレイしたほうがゲーム部分も楽しかった
Backstab、オーダー&カオスオンライン、9mmとユニバーサルアプリが続いているが、これらはどれもAndroid / iOS 対応。
Android 端末にリリースするときは画面サイズ・性能に応じた品質でゲームを動かさなくてはならない関係で、ユニバーサルにしやすい作りになっているのかもしれない。
とすると、今後もユニバーサルの流れが続くことに期待したい。

全体としてはよくできたギャング映画ものシューティングという印象。
前評判ではゲームロフトの Max Payne (家族を殺された男がマフィアに復讐するアクションシューティング)と言われていたが、まあはっきりいって言い逃れのしようがないぐらい Max Payne
ただ Max Payne と比べるとだいぶ映画よりな演出でアクションが押さえ気味になっているので、オリジナル作品と言い張ることもできるレベル
結論としては、 iPhone なら2.5に近い3.0で iPad であれば文句なしの3.0という評価だ。
少しバレットタイムの演出を気持ちよく楽しめる場面を多くしたり、QTEのスピード感を上げたり、ストーリーを良くしてくれれば高評価を出せるはずなのだが、全体的につくって文句は言われないレベルで止めてしまった印象。


ちょびっと攻略

9mm05
慣れていないプレイヤーは難易度ノーマルでも詰まることがあるかもしれないが、ステージクリアで手に入るコインでアイテムを購入すればかなりマシになるので試してみよう。
ゲーム中にポーズをかけると「ショップ」という項目があって防弾チョッキなどを購入できるのだが一切説明がないのは難易度を考えると少し不親切と感じた。